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53章
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次のデートは公園だった
ベンチに並んで座ってお揃いのコーヒーを飲んだ
英司がカメラを持ってきて周りを撮る
カメラを構えている時の英司は誰より真剣で普段見せないような研ぎ澄まされた表情をする
そんな英司は誰よりかっこいい
だから私は英司がカメラを撮るのを見るのが好きだった
気持ちのいい日差しの中でコーヒーをすすりながらカメラを構える英司を見ている
久しぶりに心が落ち着いて、突き刺さっていたトゲが浄化されていくような気がした
こんな時が続いたら…
いや、ずっとじゃなくていい
今は彼のそばにいさせて
英司は日が傾くまでカメラを撮り続け、終わったあとはっと気付いて慌てた
「ご、ごめ…」
私は首を横に振った
「撮れた写真、私にも見せて」
英司にしか撮れない写真
身近な公園の写真だなんて思えない
「やっぱり英司の写真は言葉みたいだね」
「え?」
「この木とかこの自販機とか…英司の好きなものでしょ?」
英司はコクンと頷く
「写真がラブレターみたい」
「好きなものは…何か…もっと見ていたいなって…」
写真をどんどん見ていく
「え…」
いつの間に撮ったのか
コーヒーを片手に空を見ている私の写真を見つけた
「あ…これは…その…」
英司の耳が赤くなってきている
少し躊躇ったあと私をしっかり見た
「これは…ラブレター、です…」
顔がジワジワ熱くなってきた
半年とまでは行かないけど、数ヶ月前には普通に付き合っていたのに
まるで初恋のようにひどく恥ずかしい
「…」
私たちはお互いの顔が見れなくて結局前を向いて2人で座っていた
少し気温が下がってきたので、帰ることにした
英司が少し躊躇ったあと手を差し出してきた
私は迷わず握ろうとした
その時、またあの感覚が来た
いや、いつもと何か…痛みが重い
思わず膝を着いて座り込む
芝生でよかった
と頭の中で他人事のようなに思いつつ私はゆっくり地面に倒れ込んだ
英司が急いで私を抱き抱える
英司が必死に何か言っているのに水の中にいるみたいに何を言っているのか聞こえない
ああ、そんな顔しないで
英司…
私は彼を抱きしめたかった
けれどだんだん白いモヤがかかるように視界がぼやけていき、私の意識は暗転した
ベンチに並んで座ってお揃いのコーヒーを飲んだ
英司がカメラを持ってきて周りを撮る
カメラを構えている時の英司は誰より真剣で普段見せないような研ぎ澄まされた表情をする
そんな英司は誰よりかっこいい
だから私は英司がカメラを撮るのを見るのが好きだった
気持ちのいい日差しの中でコーヒーをすすりながらカメラを構える英司を見ている
久しぶりに心が落ち着いて、突き刺さっていたトゲが浄化されていくような気がした
こんな時が続いたら…
いや、ずっとじゃなくていい
今は彼のそばにいさせて
英司は日が傾くまでカメラを撮り続け、終わったあとはっと気付いて慌てた
「ご、ごめ…」
私は首を横に振った
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英司にしか撮れない写真
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「やっぱり英司の写真は言葉みたいだね」
「え?」
「この木とかこの自販機とか…英司の好きなものでしょ?」
英司はコクンと頷く
「写真がラブレターみたい」
「好きなものは…何か…もっと見ていたいなって…」
写真をどんどん見ていく
「え…」
いつの間に撮ったのか
コーヒーを片手に空を見ている私の写真を見つけた
「あ…これは…その…」
英司の耳が赤くなってきている
少し躊躇ったあと私をしっかり見た
「これは…ラブレター、です…」
顔がジワジワ熱くなってきた
半年とまでは行かないけど、数ヶ月前には普通に付き合っていたのに
まるで初恋のようにひどく恥ずかしい
「…」
私たちはお互いの顔が見れなくて結局前を向いて2人で座っていた
少し気温が下がってきたので、帰ることにした
英司が少し躊躇ったあと手を差し出してきた
私は迷わず握ろうとした
その時、またあの感覚が来た
いや、いつもと何か…痛みが重い
思わず膝を着いて座り込む
芝生でよかった
と頭の中で他人事のようなに思いつつ私はゆっくり地面に倒れ込んだ
英司が急いで私を抱き抱える
英司が必死に何か言っているのに水の中にいるみたいに何を言っているのか聞こえない
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