Dear my...

E.L.L

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58章

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英司が凛花から受け取った花を飾りに病室に入っていった

「さて、今日は帰るわ」

「会わないのか」

「だって…今日は何となく…2人にしてあげたいなって」

「なるほどな…
じゃあ俺も帰ろ」

俺の勘、当たらなくて本当に良かった

病室を出て、何となく凛花を送ろうと並んで歩く

「英司くんって、思ったより情熱的というか」

「あぁ、聞いてたのか
意外だよな」

「あんなにストレートに気持ち言うの初めて聞いたわよ
着いたばかりのときだったから思わず声出しちゃうところだったわ」

凛花がちょっと笑う

「よかった、英司くん立ち直って」

「そうだな」

英司はすごいやつだ
不器用でハラハラさせられるけど時々こちらがびっくりするようなことをサラッとやる

凛花の笑顔を横目に見た
いつもいつも他のやつのこと考えて、自分は我慢ばかりしている
本当は甘いもの好きなくせにあんまり食べようとしないし
本当は寂しがり屋なくせに俺が写真撮るために何ヶ月か日本を離れても弱音ひとつ言わねぇし
後半に関しては間違いなく俺のためにだろうけど
甘えさせてやれない俺に言う権利があるのかとも思ったけど
考えてみれば俺はそもそもこの女に気持ちを言ったことが何度あっただろうか
言わなくても伝わるなんていう甘え方をしていたんじゃないのか

俺も、いい加減しっかりしねぇとな
これじゃあ英司と俺、どっちが先輩か分かんねぇな

「あのさ…」

凛花のアーモンド型の目が俺を捉える
散々振り回してきたけど
後輩に煽られて後押しされなきゃ本音も素直に言えないけど
もうお前は俺が嫌かもしれないけど

「俺
お前のことまだ好きだわ」
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