運命に惑うケモミミBL♂ハイスペ愛情深🐺×恋歴難美人オネェ🐱『ロドンのキセキ🌹翠玉のケエス💎輝石ノ箱ヨリ⚙️芽吹』全31話

🍶醇壱🔹JUNICHI🍶

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🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The MOON:U 💎

Drop.009『 The MOON:U〈Ⅲ〉』【1】

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「――ちょっと、アンタね……」
 どちらが先に幸せになるべきか――。
 その、ひとしきりの問答が落ち着くと――、菖蒲あやめ法雨みのりは、続いて、しばしばかり互いに融け合うひと時を過ごした。
 そんな彼らの火照ったその身とは逆に、からになったティーカップたちはすっかりと冷え込んでいる。
 その中、同じく冷え込んだ声色で文句を紡いだ法雨に、菖蒲はふにゃりと笑った。
「えへへ……」
 
 
 ― Drop.009『 The MOON:U〈Ⅲ〉』―
 
 
 汗ばんだ肌を感じ合いながらソファでまどろむ中、たしなめられたにも関わらず満足そうに笑う菖蒲を、法雨はぺしりと叩き、大きな溜め息をついた。
「まったく……“えへへ”じゃないわよ……。――何度も言ってるけど、アタシはアンタと違ってマゾじゃないんだから、寸止めなんてヤメてちょうだい……」
「へへへ~……可愛くてつい~……。――でもかったでしょ~?」
「悦くないから言ってんのよ」
「え~? ほんと~?」
「ほんとよ。――もう二度としないで」
「しょうがないなぁ……。――………………。――あぁ、でもそうだね。うん。――まぁ、もう“二度とできない”かもしれないし、――心配しなくても大丈夫だよ」
「え?」
「――………………。――ねぇ、法雨……。――その、“雷さん”ってさ……、――カッコよかったんでしょ?」
 ゆるりと尾を揺らすと、菖蒲はぽつりと零す。
 法雨は、その問いの意図が分からず、それに眉根を寄せると、疑問の意を返す。
「え、“雷さん”? ――ちょっと、何よ……。――なんで突然、雷さんの話になるのよ……」
 そんな法雨に、菖蒲は微かに顔をほころばせて紡ぐ。
「いやぁ~……、俺としてはぁ~、――やっぱ、その二人の出逢いにも運命的な予感をじんわ~り感じててさぁ~」
「はぁ? ――ちょっとヤダ。――変なコト言わないでちょうだいよ。やぁね」
「えぇ~? なんで~? ――俺はイイと思うんだけどなぁ」
「イヤよ。――それに、前にも言ったでしょ? ――もうオオカミは御免なの。――雷さんが例え“善いオオカミ”だったとしても、オオカミと恋愛なんて、それこそ、二度としたくないわ」
 不意に妙な事を言われ、法雨は図らずも己の鼓動が乱れるのを感じる。
(まったく。――何を言い出すかと思えばこの子は……。――オオカミと恋愛なんて、例え、あの雷さん相手だったとしても、どうせろくなことにならないんだから……。――勘弁してほしいわ……)
 もちろん、雷が、――酷く優しく、酷く誠実なオオカミである事は、法雨も痛いほど理解している。
 だが――、だからこそ、法雨は、そんな彼の深い優しさにこれ以上触れたくなかった。
(それに、一度でもあの優しさに浸かってしまったら……、また、あの“くだらない憧れ”まで、抱き始めちゃうかもしれないもの……)
 そして、そんな事を思いながら、法雨はふと、雷と交わした“とあるやりとり”を思い出し、静かに笑むようにして言った。
「あぁ、それとね、――そんなのきっと、あっちから願い下げだわ」
「え? なんで?」
 その予想外の言葉に、菖蒲が顔を上げ、首を傾げると、法雨はソファに身を預け、やんわりと瞳を閉じて続ける。
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