85 / 109
🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The LOVERS:U 💎
Drop.026『 The LOVERS:U〈Ⅰ〉』【4】
しおりを挟む
「まぁ、大変。――それじゃあ、アタシはこの先も、この身だけじゃなく、魂も尽くして、永らく雷さんのお傍で償っていかないといけないわね」
そして、嬉しそうに笑った法雨に微笑み返した雷は、自身に向けピンと立てられたその小ぶりな耳の淵をひとつ愛でては、次いで、さらりとしたレモン色を撫でて言う。
「それは助かるな。――ぜひ、そうしてくれると嬉しいよ」
そして、そう紡いだ雷が法雨の髪にひとつ口付けると、法雨は、“しばし意図をもって”そんな彼を見上げた。
すると、それに少しばかり眉を上げた雷であったが、すぐにその心を察すると、漆黒色の立派な尾をひとつ揺らしては、法雨の頬に手を添え、その彼の柔らかな桜色へも愛を贈った。
そうして、ただ静かに、愛を贈り合う中――、いよいよとその日のすべての予定を放り出しそうになっている己を察した法雨は、雷から少し身を離し、頼り甲斐のあるその腕の中でぐっと目を閉じると、あらゆる欲をこらえるようにして言った。
「――いけない。――このままじゃ荷解きの前にアタシが解けちゃいそう」
雷は、そんな法雨が腕の中でワイシャツを握り皺を作る様子を笑うと、その背を撫でてやりながら言う。
「ははは。それは大変だ。――そうなったら俺も駄目になってしまうだろうから、――お互い駄目になる前に始めてしまおう」
「えぇ。――そうしましょ……っ」
その雷に頷いた法雨は、喝入れと煩悩祓いのためか、雷の胸元に勢いよく顔を埋めると、その逞しい身体に抱き着くようにしてはきつく抱きしめた。
雷は、そんな法雨にまた笑い、その華奢な身体をやんわりと抱き留めてやりながら、部屋に整列した大小様々な従者たちを見やると――、この先の日々を想っては、筆舌尽くし難いほどの幸福感で胸を満たした。
Next → Drop.027『 The LOVERS:U〈Ⅱ〉』
そして、嬉しそうに笑った法雨に微笑み返した雷は、自身に向けピンと立てられたその小ぶりな耳の淵をひとつ愛でては、次いで、さらりとしたレモン色を撫でて言う。
「それは助かるな。――ぜひ、そうしてくれると嬉しいよ」
そして、そう紡いだ雷が法雨の髪にひとつ口付けると、法雨は、“しばし意図をもって”そんな彼を見上げた。
すると、それに少しばかり眉を上げた雷であったが、すぐにその心を察すると、漆黒色の立派な尾をひとつ揺らしては、法雨の頬に手を添え、その彼の柔らかな桜色へも愛を贈った。
そうして、ただ静かに、愛を贈り合う中――、いよいよとその日のすべての予定を放り出しそうになっている己を察した法雨は、雷から少し身を離し、頼り甲斐のあるその腕の中でぐっと目を閉じると、あらゆる欲をこらえるようにして言った。
「――いけない。――このままじゃ荷解きの前にアタシが解けちゃいそう」
雷は、そんな法雨が腕の中でワイシャツを握り皺を作る様子を笑うと、その背を撫でてやりながら言う。
「ははは。それは大変だ。――そうなったら俺も駄目になってしまうだろうから、――お互い駄目になる前に始めてしまおう」
「えぇ。――そうしましょ……っ」
その雷に頷いた法雨は、喝入れと煩悩祓いのためか、雷の胸元に勢いよく顔を埋めると、その逞しい身体に抱き着くようにしてはきつく抱きしめた。
雷は、そんな法雨にまた笑い、その華奢な身体をやんわりと抱き留めてやりながら、部屋に整列した大小様々な従者たちを見やると――、この先の日々を想っては、筆舌尽くし難いほどの幸福感で胸を満たした。
Next → Drop.027『 The LOVERS:U〈Ⅱ〉』
0
あなたにおすすめの小説
天啓によると殿下の婚約者ではなくなります
ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。
フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。
●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。
性表現は一切出てきません。
【完結】オーロラ魔法士と第3王子
N2O
BL
全16話
※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。
※2023.11.18 文章を整えました。
辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。
「なんで、僕?」
一人狼第3王子×黒髪美人魔法士
設定はふんわりです。
小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。
嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。
感想聞かせていただけると大変嬉しいです。
表紙絵
⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)
はじまりの朝
さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。
ある出来事をきっかけに離れてしまう。
中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。
これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。
✳『番外編〜はじまりの裏側で』
『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
雪を溶かすように
春野ひつじ
BL
人間と獣人の争いが終わった。
和平の条件で人間の国へ人質としていった獣人国の第八王子、薫(ゆき)。そして、薫を助けた人間国の第一王子、悠(はる)。二人の距離は次第に近づいていくが、実は薫が人間国に行くことになったのには理由があった……。
溺愛・甘々です。
*物語の進み方がゆっくりです。エブリスタにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる