運命に惑うケモミミBL♂ハイスペ愛情深🐺×恋歴難美人オネェ🐱『ロドンのキセキ🌹翠玉のケエス💎輝石ノ箱ヨリ⚙️芽吹』連載中

🍶醇壱🔹JUNICHI🍶

文字の大きさ
90 / 91
🌹『翠玉のケエス:芽吹』🌹 本編 💎 The LOVERS:U 💎

【New】Drop.027『 The LOVERS:U〈Ⅱ〉』【5】

しおりを挟む
「まだ……、もう少し、荷解きしないといけない物もあるのに……、――雷さんがそんな事言うから……、先に心が解けちゃったじゃない……。――これじゃ……、荷解きどころじゃないわ……」
 そう――微かに震えた声で紡ぐ法雨の金色は、感情の雫に静かに浸っていた。
 雷は、そんな法雨を優しく抱き寄せると、天が贈る陽光に美しく煌めくレモン色を愛おしげに撫でた。
 すると、愛するオオカミの温もりを感じながら、その大きな身体にすべてを委ねる様にしていた法雨は、ぽつりと零した。
「――………………アタシは結局、――オオカミの王子様には出逢えなかったわ……」
 雷は、法雨がそのように零した理由を、“王子様”というイメージはいかにしても自身と紐づけられないがゆえ――と察し、苦笑しながら言った。
「――あぁ。ははは。――申し訳ないが、そうなってしまったね」
 そんな雷に、法雨は、不満げな声で続ける。
「そう。――まったく。本当、困ったものよ。――だって、それもそのはず。――アタシの運命の王子様は、“とっくに王子様をやめちゃってた”んですもの……」
「……え?」
 その予想外の結末に、雷が思わず問いの一音を返すと、その腕の中、法雨は変わらずと不満げに続けた。
「――だって、アタシは、運命の人が“王子様”だと思ってたから、“王子様のオオカミ”を必死に探してたのよ? ――なのに、雷さんたら、せっかく王族の家に生まれたのに、王族定番職の憲兵を辞めて家出までした挙句、庶民にまぎれて探偵になんてなってるんですもの……。――それは、いくら探し回ったって見つからないわけよ……」
 そうして、不貞腐れ気味に紡がれた法雨の比喩と自身の経歴を重ねた雷は、その愛らしい例えに思わず笑った。
 法雨が、社会的上位職に属す者たちを王族と例え、警察官を憲兵に例えた上で、その警察官の道から外れた事を“家出”――と、随分可愛らしくまとめられたのがおかしかったのだ。
「ははは。それは確かに悪い事をしてしまったな。――申し訳ない。――お城での生活が俺には合わなくてね」
 そして、そんな文句に合わせ、“それらしい”弁明を紡いだ元王子に長い尾をはたりと波打たせた姫君は、その腕の中で未だ不満げに続ける。
「――もう……。――そうならそうで、いっそ攫いに来てくれたら良かったのに……」
 すると、オオカミの元王子様は、それに意外そうにして言った。
「おや? おかしいな。――だから、攫いに行ったじゃないか。――でも、その時に“嫌いだ”と言われてしまったから……」
 そんな彼の言葉で、雷と初めて出会った“あの日”の事を思い出した法雨は、頬が火照るのを感じながら雷から少し身を離すと、その顔を見上げては、慌てた様子で言った。
「――そ、それは……っ、――だ、だって……、――あ、あんな、だらしない格好の時に来るんですものっ」
 そんな法雨に、また意外そうにして片眉を上げた雷は、漆黒の尾をひとつふわりと舞わせると、首を傾げて言った。
「――あぁ。恥ずかしかったのかい? ――あの時の姫君は、とても毅然としていらしたように見えたが……」
 すると、法雨はさらに頬を赤らめると、しどろもどろに紡ぐ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

僕のポラリス

璃々丸
BL
 陰キャでオタクなボクにも遂に春が来た!?  先生からだけで無く、クラスカースト上位の陽キャ達も、近隣に幅を効かせる不良達からも一目置かれるまるで頭上の星のようなひとだ。  しかも、オタクにまで優しい。たまたま読んでいたボクの大好きなコミック「恋色なな色どろっぷす」を指差して、「あ、ソレ面白いよね」なんて話しかけられて以来、何かと話しかけられるようになっていった。  これだけだとたまたまかな?と思うけど距離も何かと近くて・・・・・・コレ、ってボクの勘違い?それとも?  ・・・・・・なぁーんて、ボクの自意識過剰かな。  なんて、ボクの片思いから始まる甘酸っぱいお話。  みたいなBSS未満なお話。  

【完結】白い森の奥深く

N2O
BL
命を助けられた男と、本当の姿を隠した少年の恋の話。 本編/番外編完結しました。 さらりと読めます。 表紙絵 ⇨ 其間 様 X(@sonoma_59)

たとえ運命じゃなくても、僕は

mimi
BL
「僕は自分の気持ちを信じたい。 たとえ運命から背を背けようとも」 音楽大学に通うΩの青年・相田ひなた。 努力家の先輩αと、 運命の番だと告げられた天才α。 運命か、愛情か―― 選ぶのは、僕自身だ。 ※直接的な描写はありません。

役を降りる夜

相沢蒼依
BL
ワンナイトから始まった関係は、恋じゃなくて契約だった―― 大学時代の先輩・高瀬と、警備員の三好。再会の夜に交わしたのは、感情を持たないはずの関係だった。 けれど高瀬は、無自覚に条件を破り続ける。三好は、契約を守るために嘘をついた。 本命と会った夜、それでも高瀬が向かったのは――三好の部屋だった。そこからふたりの関係が揺らいでいく。

青龍将軍の新婚生活

蒼井あざらし
BL
犬猿の仲だった青辰国と涼白国は長年の争いに終止符を打ち、友好を結ぶこととなった。その友好の証として、それぞれの国を代表する二人の将軍――青龍将軍と白虎将軍の婚姻話が持ち上がる。 武勇名高い二人の将軍の婚姻は政略結婚であることが火を見るより明らかで、国民の誰もが「国境沿いで睨み合いをしていた将軍同士の結婚など上手くいくはずがない」と心の中では思っていた。 そんな国民たちの心配と期待を背負い、青辰の青龍将軍・星燐は家族に高らかに宣言し母国を旅立った。 「私は……良き伴侶となり幸せな家庭を築いて参ります!」 幼少期から伴侶となる人に尽くしたいという願望を持っていた星燐の願いは叶うのか。 中華風政略結婚ラブコメ。 ※他のサイトにも投稿しています。

何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか

BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。 ……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、 気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。 「僕は、あなたを守ると決めたのです」 いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。 けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――? 身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。 “王子”である俺は、彼に恋をした。 だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。 これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、 彼だけを見つめ続けた騎士の、 世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。

人並みに嫉妬くらいします

米奏よぞら
BL
流されやすい攻め×激重受け 高校時代に学校一のモテ男から告白されて付き合ったはいいものの、交際四年目に彼の束縛の強さに我慢の限界がきてしまった主人公のお話です。

君が僕を好きなことを知ってる

大天使ミコエル
BL
【完結】 ある日、亮太が友人から聞かされたのは、話したこともないクラスメイトの礼央が亮太を嫌っているという話だった。 けど、話してみると違和感がある。 これは、嫌っているっていうより……。 どうやら、れおくんは、俺のことが好きらしい。 ほのぼの青春BLです。 ◇◇◇◇◇ 全100話+あとがき ◇◇◇◇◇

処理中です...