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翌朝、目が覚めたエカチェリーナは変わらない天井を見上げ、ほっと胸をなで下ろした。身を起こして室内を見回しても、なにも変わっていない。
昨夜、アレクサンドルと逢瀬を交わした鏡も、ただ室内を映しているだけだ。
(なにも変わっていない。きっと、これからも……変わらないわ)
これからも聖女として努め、聖樹に祈りを捧げて教徒たちの声に耳をかたむける。アレクサンドルとの秘密の逢瀬も実際に触れ合うことができないのだから、これ以上のことはない。
『もうすぐ……ようやく、触れ合える』
エカチェリーナの脳裏に、昨夜のアレクサンドルの言葉が思い出される。二人だけの秘密だから、鏡越しでしか触れられないから、触れ合うことなどできないのに。
(本当に、触れ合えるのなら……)
アレクサンドルの唇に、たくましい体に触れたい。実際に触れられたのなら、鏡の冷たさは肌のぬくもりを、鏡の固さは肌のやわらかさを感じられるのか。
(私、サーシャと……)
口づけを交わし、抱き合う。大きな手に胸を揉みしだかれ、頂きをいじられる。その手は下に伸ばされ、蕾をこすり、ぬれた秘裂を割り入って中をこする。
「……っ」
エカチェリーナは下腹部がじんじんと熱くなり、ネグリジェを握った。慌てて首を横に振って妄想を霧散させ、深呼吸をして自分を落ち着かせる。
(……ありえないわ)
妄想はただの妄想でしかない。エカチェリーナはそう結論づけると、支度を済ませて部屋を出た。
「おはようございます、聖女さま」
「……おはよう」
部屋の前にはミシャが迎えに来ていた。エカチェリーナはミシャと共に禊に向かい、警備兵は頭を下げて彼女を見送る。
いつもと変わらない、なにもかわらない一日の始まりだ。エカチェリーナは安心するような、少し残念のような、複雑な気持ちになる。
(私はこのまま、いままで通りに……これからも、聖女でいなければならないの?)
エカチェリーナの中に生まれた疑問は、まるで白い布に落ちた黒い染みのようにじわりと広がり、拭っても消えなかった。
『すべてを終わらせましょう』
また、エカチェリーナの脳裏にアレクサンドルの言葉が思い出される。まるで甘い誘惑のようなその言葉がエカチェリーナの頭を占めていた。
「聖女さま、大丈夫ですか?」
「え……ええ、大丈夫よ」
いつの間にか浴場にたどり着いていたエカチェリーナは、ミシャに心配そうに声をかけられてはっとする。大丈夫だと、まるで自分に言い聞かせるように答えほほ笑んだ。
エカチェリーナは身を清められ、薄い布をまとって一人、泉へと向かった。
これまでの聖女も、エカチェリーナも、毎日変わらず行なっている禊の儀式。今日も同じように、エカチェリーナは泉に足を踏み入れようとした、が。
「……っ」
あまりの痛みに、エカチェリーナは驚いて身を引いた。なにが起こったのか理解できず、ただ呆然としてしまう。
「な、なに……?」
エカチェリーナは恐る恐る、泉に手を入れようとした。しかし、指先が触れただけでも伝わる激痛に、それ以上はとても進めなかった。
「どうして、こんな……」
なにも変わっていない、ことはなかった。確かに、変化はあった。
いつからか、泉の水にわずかに刺激を感じ、最近では痛みにまでなっていた。けれどもここまでの激痛になるなんて、思いもしなかったのだ。
(どうして……私、どうしたら……)
どうすることもできず、エカチェリーナはただ立ち尽くした。しばらくそのままそうしていたが、はっとして室内に戻ろうと、震える足を進める。
(なんて言えば……)
なんとか室内に戻ったところで、慌てた様子のミシャが駆け寄ってきた。ミシャは布でエカチェリーナの体を包み込み、支えながら近くの椅子へと誘導する。
「聖女さま、顔が真っ青です」
「……」
大丈夫とは言えず、エカチェリーナは黙り込んだ。ミシャはエカチェリーナの背をさすりながら、近くの司祭たちに声をかける。
「今日はもう、聖女さまにおやすみいただいたほうが……」
ミシャの声は尻すぼみになっていく。聖樹教の司祭に意見を言うなど、相当勇気が必要だろう。司祭らは顔を見合わせると、仕方がないというようにうなずいた。
「そうね。後のことは、あなたに任せます」
司祭らはミシャにそう言い残すと、背を向けて部屋を出て行こうとした。その際、司祭らの中の一人がぽつりとつぶやいた言葉が、エカチェリーナの耳に嫌に響く。
「はぁ……もう限界かしら」
ため息と共に吐き出されたそのつぶやきは、エカチェリーナの胸を抉った。まるで、もう価値がないと言わんばかりだ。
(私……は……)
聖女としての勤めを果たせない自分には価値がないのか。そもそも、聖女とはなんだったのか。
ひどく落ち込み、声も出ないエカチェリーナを、ミシャは甲斐甲斐しく世話をする。エカチェリーナのぬれた体を拭き、服を着替えさせると、なんとか立たせて部屋に戻るように促した。
「……聖女さま、お部屋に戻りましょう」
「……ありがとう、ミシャ」
エカチェリーナはほほ笑むと、ミシャの手を取って歩きはじめる。自分の手とほぼ変わらないミシャの手はあたたかく、エカチェリーナの冷えた手に熱を与えてくれた。
そうしてエカチェリーナが部屋の前まで戻ってくると、いつもは二人いる警備兵の姿がなかった。いつもとは違う様子にエカチェリーナは疑問を覚えたが、それを追求する前にミシャが部屋の扉を開く。
「ゆっくり、やすんでください」
「本当に、ありがとう。ミシャ」
エカチェリーナはミシャに感謝を告げ、部屋の中へと足を踏み入れた。
「エカチェリーナ」
そこで名を呼ばれ、エカチェリーナは足を止めて後ろを振り返る。驚くエカチェリーナにミシャはやさしげにほほ笑みながら、ゆっくりと口を開いた。
「あなたの目が覚め、よい選択ができますように」
「え……?」
驚いて固まるエカチェリーナの前で、扉は音を立てて閉まった。外から鍵がかかる音が響き、そこでようやくエカチェリーナは我に返る。
「……ミシャ?」
侍女が聖女であるエカチェリーナの名を呼んだことなど一度もなかったし、許されてもいなかった。
いつもと変わらない、なにも変わっていない。そう思っていたエカチェリーナは自分の認識が誤りだったことに、ようやく気づく。
「私は……どうすれば……」
しかし、その変化にエカチェリーナは戸惑うしかなく、なにもできずに立ち尽くすしかなかった。そこでふと、視界の端に映ったかがみに、吸い込まれるように意識が向く。
まだ明るい部屋で、鏡はなにも映していなかった。その異様な光景にエカチェリーナは息を呑み、ゆっくりと鏡に近づく。
(オルゴールは……)
エカチェリーナはベッドちかくに置いてあるオルゴールに目を向ける。オルゴールは沈黙を貫いていた。
なにかがおかしい。エカチェリーナはどくどくと高鳴る胸を抑え、再び鏡に向き合う。
「……サーシャ、いるの?」
真っ黒な鏡に向かい、恐る恐る声をかけると、鏡はゆっくりと光を取り戻してアレクサンドルの姿を映し出した。
「サーシャ! 私……」
鏡に映るアレクサンドルの姿に安堵したエカチェリーナだが、すぐに違和感を覚えて口を閉ざす。アレクサンドルは気にした様子もなく、目を細めて口を開いた。
「――聖女さま」
低い声に、エカチェリーナはびくりと体を震わせる。いままで親しげに呼び合っていたはずなのに、どうしてそんなに冷たく聖女と呼ぶのか。エカチェリーナは体が凍りついたように動かず、アレクサンドルから目をそらせなかった。
翌朝、目が覚めたエカチェリーナは変わらない天井を見上げ、ほっと胸をなで下ろした。身を起こして室内を見回しても、なにも変わっていない。
昨夜、アレクサンドルと逢瀬を交わした鏡も、ただ室内を映しているだけだ。
(なにも変わっていない。きっと、これからも……変わらないわ)
これからも聖女として努め、聖樹に祈りを捧げて教徒たちの声に耳をかたむける。アレクサンドルとの秘密の逢瀬も実際に触れ合うことができないのだから、これ以上のことはない。
『もうすぐ……ようやく、触れ合える』
エカチェリーナの脳裏に、昨夜のアレクサンドルの言葉が思い出される。二人だけの秘密だから、鏡越しでしか触れられないから、触れ合うことなどできないのに。
(本当に、触れ合えるのなら……)
アレクサンドルの唇に、たくましい体に触れたい。実際に触れられたのなら、鏡の冷たさは肌のぬくもりを、鏡の固さは肌のやわらかさを感じられるのか。
(私、サーシャと……)
口づけを交わし、抱き合う。大きな手に胸を揉みしだかれ、頂きをいじられる。その手は下に伸ばされ、蕾をこすり、ぬれた秘裂を割り入って中をこする。
「……っ」
エカチェリーナは下腹部がじんじんと熱くなり、ネグリジェを握った。慌てて首を横に振って妄想を霧散させ、深呼吸をして自分を落ち着かせる。
(……ありえないわ)
妄想はただの妄想でしかない。エカチェリーナはそう結論づけると、支度を済ませて部屋を出た。
「おはようございます、聖女さま」
「……おはよう」
部屋の前にはミシャが迎えに来ていた。エカチェリーナはミシャと共に禊に向かい、警備兵は頭を下げて彼女を見送る。
いつもと変わらない、なにもかわらない一日の始まりだ。エカチェリーナは安心するような、少し残念のような、複雑な気持ちになる。
(私はこのまま、いままで通りに……これからも、聖女でいなければならないの?)
エカチェリーナの中に生まれた疑問は、まるで白い布に落ちた黒い染みのようにじわりと広がり、拭っても消えなかった。
『すべてを終わらせましょう』
また、エカチェリーナの脳裏にアレクサンドルの言葉が思い出される。まるで甘い誘惑のようなその言葉がエカチェリーナの頭を占めていた。
「聖女さま、大丈夫ですか?」
「え……ええ、大丈夫よ」
いつの間にか浴場にたどり着いていたエカチェリーナは、ミシャに心配そうに声をかけられてはっとする。大丈夫だと、まるで自分に言い聞かせるように答えほほ笑んだ。
エカチェリーナは身を清められ、薄い布をまとって一人、泉へと向かった。
これまでの聖女も、エカチェリーナも、毎日変わらず行なっている禊の儀式。今日も同じように、エカチェリーナは泉に足を踏み入れようとした、が。
「……っ」
あまりの痛みに、エカチェリーナは驚いて身を引いた。なにが起こったのか理解できず、ただ呆然としてしまう。
「な、なに……?」
エカチェリーナは恐る恐る、泉に手を入れようとした。しかし、指先が触れただけでも伝わる激痛に、それ以上はとても進めなかった。
「どうして、こんな……」
なにも変わっていない、ことはなかった。確かに、変化はあった。
いつからか、泉の水にわずかに刺激を感じ、最近では痛みにまでなっていた。けれどもここまでの激痛になるなんて、思いもしなかったのだ。
(どうして……私、どうしたら……)
どうすることもできず、エカチェリーナはただ立ち尽くした。しばらくそのままそうしていたが、はっとして室内に戻ろうと、震える足を進める。
(なんて言えば……)
なんとか室内に戻ったところで、慌てた様子のミシャが駆け寄ってきた。ミシャは布でエカチェリーナの体を包み込み、支えながら近くの椅子へと誘導する。
「聖女さま、顔が真っ青です」
「……」
大丈夫とは言えず、エカチェリーナは黙り込んだ。ミシャはエカチェリーナの背をさすりながら、近くの司祭たちに声をかける。
「今日はもう、聖女さまにおやすみいただいたほうが……」
ミシャの声は尻すぼみになっていく。聖樹教の司祭に意見を言うなど、相当勇気が必要だろう。司祭らは顔を見合わせると、仕方がないというようにうなずいた。
「そうね。後のことは、あなたに任せます」
司祭らはミシャにそう言い残すと、背を向けて部屋を出て行こうとした。その際、司祭らの中の一人がぽつりとつぶやいた言葉が、エカチェリーナの耳に嫌に響く。
「はぁ……もう限界かしら」
ため息と共に吐き出されたそのつぶやきは、エカチェリーナの胸を抉った。まるで、もう価値がないと言わんばかりだ。
(私……は……)
聖女としての勤めを果たせない自分には価値がないのか。そもそも、聖女とはなんだったのか。
ひどく落ち込み、声も出ないエカチェリーナを、ミシャは甲斐甲斐しく世話をする。エカチェリーナのぬれた体を拭き、服を着替えさせると、なんとか立たせて部屋に戻るように促した。
「……聖女さま、お部屋に戻りましょう」
「……ありがとう、ミシャ」
エカチェリーナはほほ笑むと、ミシャの手を取って歩きはじめる。自分の手とほぼ変わらないミシャの手はあたたかく、エカチェリーナの冷えた手に熱を与えてくれた。
そうしてエカチェリーナが部屋の前まで戻ってくると、いつもは二人いる警備兵の姿がなかった。いつもとは違う様子にエカチェリーナは疑問を覚えたが、それを追求する前にミシャが部屋の扉を開く。
「ゆっくり、やすんでください」
「本当に、ありがとう。ミシャ」
エカチェリーナはミシャに感謝を告げ、部屋の中へと足を踏み入れた。
「エカチェリーナ」
そこで名を呼ばれ、エカチェリーナは足を止めて後ろを振り返る。驚くエカチェリーナにミシャはやさしげにほほ笑みながら、ゆっくりと口を開いた。
「あなたの目が覚め、よい選択ができますように」
「え……?」
驚いて固まるエカチェリーナの前で、扉は音を立てて閉まった。外から鍵がかかる音が響き、そこでようやくエカチェリーナは我に返る。
「……ミシャ?」
侍女が聖女であるエカチェリーナの名を呼んだことなど一度もなかったし、許されてもいなかった。
いつもと変わらない、なにも変わっていない。そう思っていたエカチェリーナは自分の認識が誤りだったことに、ようやく気づく。
「私は……どうすれば……」
しかし、その変化にエカチェリーナは戸惑うしかなく、なにもできずに立ち尽くすしかなかった。そこでふと、視界の端に映ったかがみに、吸い込まれるように意識が向く。
まだ明るい部屋で、鏡はなにも映していなかった。その異様な光景にエカチェリーナは息を呑み、ゆっくりと鏡に近づく。
(オルゴールは……)
エカチェリーナはベッドちかくに置いてあるオルゴールに目を向ける。オルゴールは沈黙を貫いていた。
なにかがおかしい。エカチェリーナはどくどくと高鳴る胸を抑え、再び鏡に向き合う。
「……サーシャ、いるの?」
真っ黒な鏡に向かい、恐る恐る声をかけると、鏡はゆっくりと光を取り戻してアレクサンドルの姿を映し出した。
「サーシャ! 私……」
鏡に映るアレクサンドルの姿に安堵したエカチェリーナだが、すぐに違和感を覚えて口を閉ざす。アレクサンドルは気にした様子もなく、目を細めて口を開いた。
「――聖女さま」
低い声に、エカチェリーナはびくりと体を震わせる。いままで親しげに呼び合っていたはずなのに、どうしてそんなに冷たく聖女と呼ぶのか。エカチェリーナは体が凍りついたように動かず、アレクサンドルから目をそらせなかった。
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