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・16-1.ラルドビア交流会にて①
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ダニエルに誘われたラルドビア交流会の日。
クロエはいつもより少し早く起きて身支度を整えると、再度姿見に映る自分の格好を確認した。
落ちついた藍色のワンピースドレスは、クラシカルなデザインであるが、袖ぐりと襟元にレースがあしらわれている。
ふんわりとしたスカートの裾にはフリルが重なり、清楚ながら可愛さもある。
(なんだか慣れないわ)
いつもは質素なデザインのドレスしか着ないので、こういった装飾のあるお洒落なドレスを着ると違和感がある。
ダニエルは地味な私服しか見ていないのに、「変に気合が入っている上に似合わない」と思われるのも恥ずかしい。
自信なさげに鏡を見ているクロエに、侍女のナンシーはその不安を払拭するように、にこやかに笑いかけた。
「大丈夫ですよ、お嬢様。お可愛らしいです」
「そ、そう? 変ではないかしら?」
「ええ、とてもお似合いですよ」
生まれて初めてのデートという言葉にソワソワしつつ、クロエは再び鏡を見て最終チェックをすると、部屋を出た。
エントランスに向かうと、これから出かけようとしている父ジェレミーの姿があった。
「お父様、今お出かけですか?」
「ああ、これから研究所に行くんだ。クロエも外出かい?」
「ええ、ダニエル様にお誘いいただいたラルドビアの交流会に行くの」
「そうだった。今日はダニエル君からの誘いだったね。会場まで馬車で送ってあげるよ」
「ありがとう」
クロエは頷くと、ジェレミーと一緒に馬車に乗り込み、会場まで向かうことにした。
暫く馬車に揺られていると、目の前に座るジェレミーが戸惑った表情を浮かべ、窺うように尋ねてきた。
「その……今日はフレッド君の誘いじゃないんだな。最近二人でお茶会もしてないようだし、何かあったのかい?」
気遣うように尋ねる父の様子から、クロエたちが喧嘩でもしているのではないかと心配しているようだ。だがこの様子だと、父はフレッドに恋人がいる事を知らないようだ。
「ふふふ、私だってお兄様以外との人とも出かけるわ。それに、お兄様と恋人の時間を邪魔しちゃ悪いわよ」
「え? 恋人って、フレッド君のかい!?」
「そうよ。ロザリー様っていうとても美人な方なの」
「そうなのかい?」
「ええ」
クロエが頷いて答えるが、ジェレミーは神妙な顔で何かをぽつりとつぶやいていた。
「そっか……、フレッド君は諦めたのか」
「何か仰った?」
「あ? ううん、何でもないよ」
ジェレミーは先ほどまでの困惑した表情は消え失せたものの、ぎこちなく笑って答えた。
そして、場の空気を変えるように明るい口調で話題を変えた。
「それで、今日はダニエル君からの誘いだったね。彼もいい青年だし、もしお付き合いすることになったら僕は賛成するよ」
「ちょ、ちょっとお父様! ダニエル様とはそう言う関係じゃないのよ!」
父親に大きな勘違いをされてしまい、クロエは慌てて否定したが、父はただ笑うだけだった。
そして、ちょうど会場に着いたのか、馬車がゆっくりと止まった。
「じゃあ、クロエ。楽しんでおいで」
「ありがとう。お父様もお仕事頑張ってね」
そう別れの挨拶をして、クロエは馬車を降りた。
交流会の会場となる公園には、既に多くの人が集まっていた。
きょろきょろとダニエルの姿を探していると、すぐにクロエを呼ぶ声がして、ダニエルが颯爽とした足取りで向かってくる姿が見えた。
「クロエ嬢。来てくれてありがとう」
「いえ、私の方こそお誘いいただき、ありがとうございます」
そう答えたクロエを、ダニエルはじっと見つめた後、ふっと小さく笑った。
「そういう格好の君も新鮮だ」
先ほどまでクロエが気にしていたことを指摘され、顔に血が上ってしまう。
やはり似合わない服で、変に気合が入っていると思われたかと思うと、羞恥で体まで火照ってしまいそうだ。
「え!? えっと……やっぱり変でしょうか?」
「まさか! とても可愛いと思う」
ダニエルが眩しい物を見るような目でクロエを見つめ、はにかんだ笑みを浮かべた。
その眼差しがくすぐったくて、クロエはソワソワと落ち着かない気持ちになった。
何ともむず痒い空気が流れる。
「じゃあ、さっそく行こうか」
「は、はい」
そう答えると、ダニエルと共に交流会が催されている広場に向かった。
クロエはいつもより少し早く起きて身支度を整えると、再度姿見に映る自分の格好を確認した。
落ちついた藍色のワンピースドレスは、クラシカルなデザインであるが、袖ぐりと襟元にレースがあしらわれている。
ふんわりとしたスカートの裾にはフリルが重なり、清楚ながら可愛さもある。
(なんだか慣れないわ)
いつもは質素なデザインのドレスしか着ないので、こういった装飾のあるお洒落なドレスを着ると違和感がある。
ダニエルは地味な私服しか見ていないのに、「変に気合が入っている上に似合わない」と思われるのも恥ずかしい。
自信なさげに鏡を見ているクロエに、侍女のナンシーはその不安を払拭するように、にこやかに笑いかけた。
「大丈夫ですよ、お嬢様。お可愛らしいです」
「そ、そう? 変ではないかしら?」
「ええ、とてもお似合いですよ」
生まれて初めてのデートという言葉にソワソワしつつ、クロエは再び鏡を見て最終チェックをすると、部屋を出た。
エントランスに向かうと、これから出かけようとしている父ジェレミーの姿があった。
「お父様、今お出かけですか?」
「ああ、これから研究所に行くんだ。クロエも外出かい?」
「ええ、ダニエル様にお誘いいただいたラルドビアの交流会に行くの」
「そうだった。今日はダニエル君からの誘いだったね。会場まで馬車で送ってあげるよ」
「ありがとう」
クロエは頷くと、ジェレミーと一緒に馬車に乗り込み、会場まで向かうことにした。
暫く馬車に揺られていると、目の前に座るジェレミーが戸惑った表情を浮かべ、窺うように尋ねてきた。
「その……今日はフレッド君の誘いじゃないんだな。最近二人でお茶会もしてないようだし、何かあったのかい?」
気遣うように尋ねる父の様子から、クロエたちが喧嘩でもしているのではないかと心配しているようだ。だがこの様子だと、父はフレッドに恋人がいる事を知らないようだ。
「ふふふ、私だってお兄様以外との人とも出かけるわ。それに、お兄様と恋人の時間を邪魔しちゃ悪いわよ」
「え? 恋人って、フレッド君のかい!?」
「そうよ。ロザリー様っていうとても美人な方なの」
「そうなのかい?」
「ええ」
クロエが頷いて答えるが、ジェレミーは神妙な顔で何かをぽつりとつぶやいていた。
「そっか……、フレッド君は諦めたのか」
「何か仰った?」
「あ? ううん、何でもないよ」
ジェレミーは先ほどまでの困惑した表情は消え失せたものの、ぎこちなく笑って答えた。
そして、場の空気を変えるように明るい口調で話題を変えた。
「それで、今日はダニエル君からの誘いだったね。彼もいい青年だし、もしお付き合いすることになったら僕は賛成するよ」
「ちょ、ちょっとお父様! ダニエル様とはそう言う関係じゃないのよ!」
父親に大きな勘違いをされてしまい、クロエは慌てて否定したが、父はただ笑うだけだった。
そして、ちょうど会場に着いたのか、馬車がゆっくりと止まった。
「じゃあ、クロエ。楽しんでおいで」
「ありがとう。お父様もお仕事頑張ってね」
そう別れの挨拶をして、クロエは馬車を降りた。
交流会の会場となる公園には、既に多くの人が集まっていた。
きょろきょろとダニエルの姿を探していると、すぐにクロエを呼ぶ声がして、ダニエルが颯爽とした足取りで向かってくる姿が見えた。
「クロエ嬢。来てくれてありがとう」
「いえ、私の方こそお誘いいただき、ありがとうございます」
そう答えたクロエを、ダニエルはじっと見つめた後、ふっと小さく笑った。
「そういう格好の君も新鮮だ」
先ほどまでクロエが気にしていたことを指摘され、顔に血が上ってしまう。
やはり似合わない服で、変に気合が入っていると思われたかと思うと、羞恥で体まで火照ってしまいそうだ。
「え!? えっと……やっぱり変でしょうか?」
「まさか! とても可愛いと思う」
ダニエルが眩しい物を見るような目でクロエを見つめ、はにかんだ笑みを浮かべた。
その眼差しがくすぐったくて、クロエはソワソワと落ち着かない気持ちになった。
何ともむず痒い空気が流れる。
「じゃあ、さっそく行こうか」
「は、はい」
そう答えると、ダニエルと共に交流会が催されている広場に向かった。
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