アンバランス 〜ビビりですが最強チートを得たのでなんとか異世界生き抜きます〜

とやっき

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2章 モンスターテイムと奴隷たち

28 レベル上げとモンスター娘

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「ミラシャ、メライア、マゴタン、フェリル。今日はみんなのレベル上げと、新しいモンスターがいたらテイムしに行くぞ」

『ミラシャは強くなってご主人様にナデナデしてもらいます!』
『頑張って進化するよー』
『マゴタンに任せるのだ!』
「ガウ!」

 今日の予定は新モンスターの入手と、ミラシャたちのレベル上げだ。

 いつも通り、全身モンスターまみれの標準装備で街の外に出ている。

 欲しいモンスターは、最下級のモンスターや、弱いモンスター。
 やはり弱いモンスターを捕まえて一から育てたい。


 早速エリアマップでモンスターの検索をかけてみた。
 検索したのは「未入手モンスター」で、試しにやってみたけど普通に出来るみたいだ。

 メニューってチートの中でも格が違うよな。本当に便利だ。

 検索に引っかかったモンスターは、ゴブリン、メスゴブリン、パピヨン、ポイズンマッシュ、エビルプラント、スパイダー、アントなどなど。

 検索範囲が広くて、かなりのモンスターが表示されてしまった。

 しかしゴブリンとメスゴブリンは別なのか。
 インフォメーションで調べてみたら、メスゴブリンの方が個体能力値が高くて強いらしい。

「よし、まずはその辺にヒラヒラ飛んでるパピヨンからにしよう」

 最初にテイムするのを、パピヨンという蝶のモンスターに決めた。

 最下級の魔物で、羽にしばらく触られるだけで死んでしまう悲しきモンスターらしい。

【対象「パピヨン」が隷属化を申請。受諾しますか?】
[YES or NO]

 イエスで。

 パピヨンに近づいて見つめていたら、あっさりテイムできた。

 この調子でどんどんテイムしていこう。

 森に入ってポイズンマッシュとエビルプラントをテイム。
 ついでに地面に潜っていたアントもテイム。
 木と木の間に巣を張っていたスパイダーもテイムした。

 ゴブリンやメスゴブリンは宿に連れて帰るのは難しそうなので、今日はやめておいた。

 ちゃんと屋敷に移り住んでからにしよう。


 ある程度テイムができたので、次はミラシャたちのレベル上げだ。
 今日テイムしたモンスターも育てたいが、今日のところはミラシャたちだけにしよう。

 名前はいつも通り奴隷たちに案を出してもらう予定だ。
 せっかくだし、メイド長になったラナッカも参加させようかな。ラナッカは一番最初に話したメイドだ。

「よし、ミラシャたちのレベルを上げよう」

 今の俺の姿は他人からみたら大変なことになっている。

 頭にピンクスライムのミラシャ。
 右肩にハイマッシュのマゴタン。
 左肩にポイズンマッシュ。
 右ポケットにキラープラントのメライア。
 左ポケットにエビルプラント。
 首元にパピヨン。
 左手の甲にスパイダー。
 右の靴の上にアント。
 隣にウルフのフェリル。

 魔物だらけという表現だと足りなくなってきた。
 首元のパピヨンはなんか蝶ネクタイみたいになってしまっている。誰かに見られたら恥ずかしいかもしれない。

 みんなまだ小さめなモンスターだから良いが、成長したら乗せてあげられなくなる。
 でもみんなには進化して強くなって欲しいよな。

 そんなことを考えながらマップを見ていたら、森の中でゴブリンの巣を発見した。

 レベル上げにはちょうど良さそうだ。

 よしミラシャ、メライア、マゴタン、フェリルに戦わせてみせようか。
 みんなの実力も気になるところだからな。

 経験値割り振りを25%ずつの設定にした俺は、後方からみんなの戦いを見守ることにした。

 まずはミラシャが火魔法で牽制。
 牽制にもかかわらずゴブリン数体が倒されてしまう。

 そしてメライアを背に乗せたフェリルが蹂躙する。

 メライアは蔦でフェリルを守りつつ、敵を縛り上げる。
 フェリルはメライアが縛り上げたゴブリンを、次々と牙で噛んだり爪で引き裂いたりしていた。

 マゴタンは、何もしていない。
 かと思ったが、マゴタンは胞子を飛ばしていたようだ。ゴブリンたちはマゴタンの胞子を吸い、息苦しそうにしている。動きが鈍くなったので、麻痺の状態異常になっているな。

 最後に弱ったゴブリンたちをミラシャが溶かして吸収していった。
 俺の為に素材や魔核は食べなかったみたいだ。偉いぞミラシャ、後でいっぱいナデナデしてあげよう。

「ミラシャ、危ない!」

『ご主人様、ミラシャは問題ないです!』

 ゴブリンたちもやられているわけではなかった。
 ミラシャの体にゴブリンが放った矢が突き刺さる。

 しかしミラシャは矢を吸収して食べてしまった。
 ダメージは負ったが、矢を吸収して回復もしたようだ。

 あれ、スライム強くないか?
 うちのミラシャが強いだけ?

 ゴブリンたちは敵わないと思ったのか、巣の奥に一目散に逃げ始める。
 追撃するうちの子たちだったか、ゴブリンの上位種たちが奥から続々と出てきた。

 どうやら、ここからが戦いの本番のようだ。

「がう!」

 ゴブリンロードにフェリルが噛み付く、しかしまともなダメージは与えられていないようだ。

 メライアがゴブリンロードの攻撃からフェリルを守ろうとするが、蔦は切られてしまい、フェリル共々吹き飛ばされてしまった。

「フェリル! メライア!」

 戦闘ができなくなった二名はすぐに回収して回復魔法で治療した。

 フェリルはグルルと敵に威嚇いかくしているが負けて悔しそうだ。

『マゴタンだぞぉ!』

 仲間がやられてやる気を出したマゴタンが、とてつもない量の胞子を出してゴブリンロードや周りのホブゴブリンたちを麻痺らせる。

 動きが鈍重になったホブゴブリンたちを、ミラシャが風魔法で切り裂いていった。

 今更だがミラシャは何属性魔法を使えるんだ?

 しかしゴブリンロードはあまり麻痺していなかったようだ。

 無造作にマゴタンに剣を振り下ろし、耐久力のないマゴタンは切り裂かれてしまった。

「そんな、マゴタンッッッ?!」

『マゴタンは増えるんだぞ!』

 と、思ったがそれはマゴタンの本体では無かったようだ。
 どうやらマゴタンは増殖していたようで、やられたのは分身体だった。

 心臓が止まるくらいビックリした。
 ホント、心配させないでくれ。

 もしかして増殖というマッシュ種固有スキルがあるから、耐久力も弱いのかもしれないな。
 マッシュ種は単体なら弱いけど、強さは数が増えることにあるかもしれない。

 さっきの胞子の大放出でマゴタンは10体に増えていた。
 1体はやられてしまったが、どれが本体か俺でも見分けが……いや、多分右のやつっぽいな。

 ちょっとだけ偉そうにドヤ顔しているように見える。顔はないけど。

 マゴタンのおかげで隙ができたゴブリンロードに、ミラシャが体当たりした。

 よろめくゴブリンロード。
 そこをマゴタンの分身体が集まってペチペチと攻撃する。
 効いていないように見えたが、ダメージはなくとも麻痺が進行するようだ。

 ようやくゴブリンロードも麻痺が効いてきたようで、動きが遅くなってきた。

 状態異常って怖い。
 しっかりチートで耐性を取っておいて良かった。

『ご主人様にミラシャのいいところ見せちゃいます!』

 ミラシャがゴブリンロードに雷魔法でトドメを刺した。おぉ、凄いけど雷怖い。

 マゴタンとミラシャの見事なコンビネーションが決まり、ゴブリンの群れを制圧できた、かのように思えた。

「ゴガガガ」

 ズン、ズン、と地面に振動が走る。

 俺の背中に冷や汗が伝う。

 まずい、ミラシャたちでは勝てない。

 この気配は、ゴブリンロードよりも強い。

 出てきたのはゴブリンキング。
 凶悪な容姿に鍛え抜かれたような肉体。

 さっきのゴブリンロードでさえ、子供のように思えてくるような存在感を放っていた。

「ミラシャ、マゴタン。今回は下がってくれ。奴のステータスは欲しい」

『ミラシャ、ご主人様に命令されるの好きです!』
『マゴタン撤収だぞ!』

 俺にはステータス能力値を奪うチートスキルがある。

 ゴブリンキングは冒険者ランクで言うところの、ランク7か8くらいのステータスだ。

 以前ゴブリンロードのステータスを吸収した今の俺の能力値は、ランク6くらいになっている。
 まあチートがあるからステータスだけで判断した場合だけどな。

 是非ともこのステータスは欲しい。
 経験値も俺に10割にしておく。

 良い機会だし、ジジイから教わった魔法の実験台にしよう。

「デスペイン」

「ゴガァァァァァ!?」

 まずは即死系、痛覚異常魔法から試した。

 即死耐性があるのか、ゴブリンキングは生き残った。

 ただ痛覚異常の状態異常にはなっていたようだ。
 これは普通の人なら痛みの感覚だけでショック死するくらいの状態異常らしい。

 ゴブリンキングも白目を剥いてしまっている。
 ジジイのオリジナル魔法が怖い。

「ソウルブレイク」

「ゴフッ」

 次はゴブリンキングの魂を破壊してみた。

 どうやら耐性が無かったようで、ゴブリンキングはそのまま物言わぬ肉塊になった。

 思ったよりジジイの魔法が怖い。
 生物には使ったことがなかったからなぁ。

 でも良かった、無事に怪我もなく勝てた。

 しかもゴブリンキングには傷一つ付けてないから、素材の品質が高い。
 これは高く売れそうだ。

【レベルが7に上がりました】

 戦闘でレベルもアップ。

 スキルポイントは……あらあ、レベルに対してゴブリンキングが格上過ぎたか。
 10万ポイント以上貯まってしまったようだ。持て余すよなこんなポイント。

 スキルポイントで取りたいスキルは惜しまず取れるようになったと前向きに考えよう。
 スキルコンプリートを目指しても良いかもしれない。出来るのか分からないけど。

『ご主人様カッコいいです!』
『ご主人様凄いー』
『マゴタンより強いんだぞ!』
「ぐるるるる」

 みんなから賞賛の声をいただいた。
 フェリルは喉を鳴らして喜んでいる。ワンちゃんみたいだ。

 戦闘が終わり、素材を回収。

 巣から森に出たところで、ミラシャたちが輝き始めた。

【従魔「ミラシャ」がレベル上限に到達】
【従魔「メライア」がレベル上限に到達】
【従魔「マゴタン」がレベル上限に到達】
【従魔「フェリル」がレベル上限に到達】
【従魔「ミラシャ」が進化します】
【従魔「メライア」が進化します】
【従魔「マゴタン」が進化します】
【従魔「フェリル」が進化します】

 メライアはまた土に根を張り、マゴタンは近くの木にくっついた。

 そして輝きが収まったみんなの姿は、ただ大きくなっただけでは無かった。

「ご主人様、ミラシャは進化して強くなれました!」
「私ドライアドになれました~」
「マゴタンはマタンゴだぞ!」
「ご主人! フェリルです!」

 ミラシャは人間の体を模した女型スライムに。
 メライアはホワホワしたドライアドの少女に。
 マゴタンは頭にキノコを被った幼女に。
 フェリルは狼耳の少女でダイアウルフに進化した。

 俺は驚いてしばらく口をポカンと空けて固まっていた。
 心配したフェリルに頬をペロっと舐められて正気に戻った。

 ミラシャは1段階、メライア、マゴタン、フェリルは一度に2段階成長したようだ。

 みんな可愛いモンスター娘になってしまい、どうしたら良いか分からない。

「ご主人様? この姿、ダメだったでしょうか」

 困惑していたら、いつものスライムの形に戻るリラシャ。
 なんだ、戻ることもできるんだな。

 フェリルも真似して狼の姿に戻ってくれた。

 良かった。ケモ耳の美少女は流石にもふもふできそうに無かったから、俺の寝る前の楽しみは大丈夫そうだ。
 今日もしっかりもふもふしよう。

「ご主人様ごめんなさい。私は戻れそうにないです~」
「マゴタンも無理なのだ!」

 メライアとマゴタンはモンスター形態になれないのか。

 まあ進化して強くなったみたいだし、良しとしよう。

「みんな今日はお疲れ様。進化もできたし、帰ってお祝いしよう!」

 街に帰った俺は、帰り道に屋敷に寄ってメイド長のラナッカを呼んで宿に戻った。

 いつも通り店員のノコラちゃんの挨拶で疲れが吹き飛び、奴隷たちに進化の報告をした後は新しい仲間の名付け会議を行った。

 その夜、ラナッカを送り届けた俺は部屋割りジャンケンに初勝利したグランと机を挟んで向き合っていた。

「主人、改めてお礼を言わせて欲しい。ありがとうな、俺たちにこんな良くしてくれて」

「改まってどうしたんだグラン?」

「いやなに、主人がお人好し過ぎて感謝しかしてないって言いたかったんだよ。奴隷に休みや報酬の分け前を与える主人なんて、ありえないからな」

 渋い顔で笑うグラン。
 まあ奴隷になったってだけで人生がほとんど終わったような者だ。

 主人からは物扱いされることが多いし、酷い仕打ちを受ける覚悟もしなければならない。

「グラン、息子と会いたいか?」

 俺はもう一度聞いてみることにした。
 この質問は、グランに一度したものだ。

「あぁ、やっぱ会いてぇさ。だが主人、俺を奴隷から解放するなんて言ったら、ぶん殴ってやるからな。あ、いや、今のは変な意味じゃないぞ?」

 ぶん殴ると言ってしまって慌てるグラン。

 でもそれくらい俺を主人として認めてくれているんだろう。
 大丈夫だグラン、気持ちは伝わってくるよ。

「解放なんてしないさ。しっかり稼いでもらわないといけないからな」

「あぁ、しっかり恩返しさせてもらうさ。それでさ、主人。息子に、俺の報酬の金を送ってもいいか? 俺は奴隷になっちまったけど、なんかしてやりたいとは思ってたんだ」

 ほう、仕送りしたいのか。
 今は確か親戚に預けているんだよな。

「グランの分け前はグランの金だ。好きに使ってくれ」

 断る理由もない。
 グランは最年長として、しっかり男性奴隷たちをまとめてくれている。

 なるべく希望にはそってあげよう。

「おう、ほんとにありがとな。主人ならそう言ってくれると思った。主人のためにも、息子のためにも、しっかり働かせてもらう。話はそれだけだ。こんなオッサンの話に付き合ってくれてありがとよ」

「気にするな。何か悩みとか相談あれば、遠慮なく言え。俺はお前たちの主人として、できる限りのことはしてやるから」

「ハハッ、ほんと主人はすげぇよ。俺たちは奴隷なんだがな」

「奴隷だって、家族みたいなもんだろ?」

「家族、家族か。そうだな。主人の言葉あいつらにも教えてやるか」

 後ろの方は小さな呟きだったのでなんて言ったか聞こえなかったが、どうやら俺の言葉はグランに響いたみたいだ。


 俺は思う存分フェリルをもふり倒した後、ミラシャを撫でながら就寝した。

 翌朝ミラシャとフェリルがモン娘形態になっていて俺の布団に潜り込んでしまっていた。

 グランに「お盛んなこって」と勘違いされてしまい、誤解を解くために朝から小一時間説明することになるのだった。



 
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