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航平は時々、「おい、助けてやるか」と言って助けに来てくれる。
でも、たまにちらりと見ただけで、にやりと笑いながら「もう無理だな。救えねぇわ」と言うこともあった。
そこへ航平の幼なじみがやってきて、二人にドライフルーツとコーラを差し入れてくれた。さらにフルーツの皿まで持ってきてくれる。
「ありがと。そこ置いといて」と航平が言う。
幼なじみは、小さなテレビの前で二人が夢中になってファミコンをしているのを見て、あきれ顔で笑った。
「いや、そんな真剣な顔してやるようなゲームじゃないだろ、戦車ごっこだぞ?」
「懐かしいだろ?」航平がコーラを一本開けて、俊介に手渡す。「子どもの頃、お前が毎日俺を誘ってたじゃん」
「そりゃそうだ、あの頃は最強コンビだったしな」
幼なじみはそう言って少し見ていたが、「でも今のお前の相棒、明らかに俺より下手だな。交代しようぜ」と笑った。
俊介はちょうどゲームオーバーになっていたところで、あわててコントローラーを置いて席を立つ。
だが航平が言った。
「やめとけ。座ってろ、介ちゃん」
「ちぇっ、ちょっとくらい相手してくれたっていいだろ」
幼なじみはそう言って舌打ちしたが、外から呼ぶ声がして、そのまま出ていった。
俊介はまた航平の隣に腰を下ろす。
「眠くない?」と航平が聞く。
「ううん、全然。むしろ目が冴えてる」俊介は笑って答えた。
「だよな。外であんなに騒いでりゃ、誰だって眠れねぇよ」
航平が苦笑する。
俊介は窓の外を見ながら聞いた。
「みんな、何時まで歌うんだろうね?」
「さぁな。酔っぱらってるし、気が済むまでだろ」
新年の夜というのは、いつもの夜とはどこか違う。
もし普段のように早く寝てしまえば、何か大事な「特別さ」を逃すような気がした。
俊介はここ数年、ずっと一人で寮にこもって映画を見て、そのまま眠るだけの年越しばかりだった。
でも――今年は違う。
この夜は、俊介にとって久しぶりに「誰かと過ごす新年」になった。
やがてゲームもやめ、二人で手を洗って戻ると、航平がコメディ映画を流しはじめた。
どちらも何度も見たことのある作品だったが、退屈はしなかった。
俊介はみかんをむきながら、ひと房ずつ口に運ぶ。
航平はコーラを片手に、時々ひと口飲んではテレビに視線を戻す。
外の歌声はいつの間にか途切れ、部屋には二人だけが残った。
他の連中は帰ったか、別の部屋でまだ騒いでいるのだろう。
「今夜、家に帰らないの?」俊介はソファに深く寄りかかりながら聞いた。
「帰らねぇよ。明日の朝、お前を寮まで送る」航平は上着を前に掛け、テレビから目を離さずに言う。
俊介は顎を上着のチャックに埋め、チャックの金具を軽く噛みながら、少し間を置いて言った。
「ありがとう、航平」
「ん? 何が?」
「一緒に遊んでくれて……一緒に年越してくれて」
航平はふと俊介の方を見た。
俊介はその視線を真っすぐ受け止め、目をそらさない。
その瞳の奥には、まっすぐな感謝と、少しの温度が宿っていた。
航平は数秒見つめてから、ふっと笑い、肩をすくめた。
「お前、その目やめろよ……」
「え?」俊介は首をかしげた。
「ちょっと面白い話があるんだ」
「なに?」俊介が続きを待つ。
でも、たまにちらりと見ただけで、にやりと笑いながら「もう無理だな。救えねぇわ」と言うこともあった。
そこへ航平の幼なじみがやってきて、二人にドライフルーツとコーラを差し入れてくれた。さらにフルーツの皿まで持ってきてくれる。
「ありがと。そこ置いといて」と航平が言う。
幼なじみは、小さなテレビの前で二人が夢中になってファミコンをしているのを見て、あきれ顔で笑った。
「いや、そんな真剣な顔してやるようなゲームじゃないだろ、戦車ごっこだぞ?」
「懐かしいだろ?」航平がコーラを一本開けて、俊介に手渡す。「子どもの頃、お前が毎日俺を誘ってたじゃん」
「そりゃそうだ、あの頃は最強コンビだったしな」
幼なじみはそう言って少し見ていたが、「でも今のお前の相棒、明らかに俺より下手だな。交代しようぜ」と笑った。
俊介はちょうどゲームオーバーになっていたところで、あわててコントローラーを置いて席を立つ。
だが航平が言った。
「やめとけ。座ってろ、介ちゃん」
「ちぇっ、ちょっとくらい相手してくれたっていいだろ」
幼なじみはそう言って舌打ちしたが、外から呼ぶ声がして、そのまま出ていった。
俊介はまた航平の隣に腰を下ろす。
「眠くない?」と航平が聞く。
「ううん、全然。むしろ目が冴えてる」俊介は笑って答えた。
「だよな。外であんなに騒いでりゃ、誰だって眠れねぇよ」
航平が苦笑する。
俊介は窓の外を見ながら聞いた。
「みんな、何時まで歌うんだろうね?」
「さぁな。酔っぱらってるし、気が済むまでだろ」
新年の夜というのは、いつもの夜とはどこか違う。
もし普段のように早く寝てしまえば、何か大事な「特別さ」を逃すような気がした。
俊介はここ数年、ずっと一人で寮にこもって映画を見て、そのまま眠るだけの年越しばかりだった。
でも――今年は違う。
この夜は、俊介にとって久しぶりに「誰かと過ごす新年」になった。
やがてゲームもやめ、二人で手を洗って戻ると、航平がコメディ映画を流しはじめた。
どちらも何度も見たことのある作品だったが、退屈はしなかった。
俊介はみかんをむきながら、ひと房ずつ口に運ぶ。
航平はコーラを片手に、時々ひと口飲んではテレビに視線を戻す。
外の歌声はいつの間にか途切れ、部屋には二人だけが残った。
他の連中は帰ったか、別の部屋でまだ騒いでいるのだろう。
「今夜、家に帰らないの?」俊介はソファに深く寄りかかりながら聞いた。
「帰らねぇよ。明日の朝、お前を寮まで送る」航平は上着を前に掛け、テレビから目を離さずに言う。
俊介は顎を上着のチャックに埋め、チャックの金具を軽く噛みながら、少し間を置いて言った。
「ありがとう、航平」
「ん? 何が?」
「一緒に遊んでくれて……一緒に年越してくれて」
航平はふと俊介の方を見た。
俊介はその視線を真っすぐ受け止め、目をそらさない。
その瞳の奥には、まっすぐな感謝と、少しの温度が宿っていた。
航平は数秒見つめてから、ふっと笑い、肩をすくめた。
「お前、その目やめろよ……」
「え?」俊介は首をかしげた。
「ちょっと面白い話があるんだ」
「なに?」俊介が続きを待つ。
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