目が合うたび、恋が始まっていた

perari

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「ちょっとしたことさ。」俊介はスマホでQRコードを読み取り、注文を済ませた。
西村は目が見えない分、感受性が鋭く、相手の感情を敏感に察することができる。
彼は俊介がとても楽しそうで、全身から活力があふれ出ているのを感じ取った。
「君もあまり無理しないでね」と西村が言う。「予定を詰めすぎないで、自分の休む時間も作らないと」
「うん、大丈夫です」と俊介は答えた。「夜は授業がないから、午前と午後だけです」
西村はうなずく。「それなら安心だ」
西村は生まれつき半盲ではあるが、非常に上品で、食事のときも乱れることはほとんどない。幼い頃から兄たちの目の届くところで育てられたため、外食でも常に気を使い、他人に世話をされることもほとんどなかった。
親しい人といるときだけ、少し肩の力を抜いて食事ができる。
俊介は特別に西村の隣に座り、二人並んで座った。そうすることで、俊介が小さなおにぎりを取り、スプーンに乗せて渡すのが容易になる。西村は片手でスプーン、もう片手で器を支えて受け取り、一滴もこぼさず食べる。普通の人よりずっときれいに食べるのだ。
「美味しい」と西村は満足そうに言った。
俊介はもう一つおにぎりを渡しながら言う。「ちょっと熱いから、少し冷ましてね」
「最近ずっと食べたくて、数日前には夢の中でラーメンを食べてこぼしちゃった」と西村が続ける。「最近、兄は忙しくて連れて行ってもらえなかったけど、俊介がいてよかった」
西村の夢の話は半分だけだ。夢の中で誰かに連れて行ってもらい、うっかりスープをこぼしてしまう。相手は厳しい顔で「熱かったか?」と聞くが、首や服を拭く手つきは優しかった。西村は目覚めてしばらく呆然とし、その後すぐにラーメンが食べたくなったのだ。
「食べたいものがあったら言ってね」と俊介は西村の手首を軽く叩き、少し冷めたことを合図する。「連れて行ってあげる」
「ありがとう、俊介」と西村は笑った。
「どういたしまして。さあ、もう熱くないよ」
二人の関係は言うまでもなく良好で、西村は美味しいコーヒーを見つけると、何キロも離れていても俊介にデリバリーで送ることがある。
暑くなってきたある日、西村は自分のオフィスから俊介にアイスラテを遠隔で注文した。
俊介のオフィスにはエアコンがなく、扇子で本をあおぎながら暑さをしのいでいたが、デリバリーが届くととても嬉しそうだった。
西村からメッセージが届く。「夏のご挨拶、どういたしまして」
俊介:【涙目.jpg】
俊介はオフィスの机を撮った写真をSNSにアップした。中央にはコーヒーが置かれ、キャプションは「西村って本当に優しいなぁ」
その夜、航平がその写真にいいねを押した。
すでに夜の10時半。俊介はシャワーを浴びて出てきて、航平のいいねを見た。
何気なく写真を開き直すと、今まで気付かなかったノートが写真の端に写っているのを見つけた。
俊介の視線が止まり、頭が一瞬真っ白になる。ノートの表紙の角に太く「KH」と書かれていたのだ。
まるで何気なく撮ったかのように見える……ああっ!
慌てて航平のチャットを開き、すぐに送った。
「航平、それは僕のノートじゃなくて、師兄のです」
しばらくして航平が返す。
「友達がいるの?」
俊介:……本当に違うんです。【顔を覆う/】
航平:言わなきゃ僕は見なかったよ
俊介(崩れそうになりながら):見ろって意味じゃなかったんだよ
航平:じゃあ文字がいっぱい?
俊介は説明できず、何度も打ち直して、結局「本当に僕のじゃない……」としか言えなかった。
俊介:船を好きになるレベルじゃ、こんなことはしない……
航平:【相手が入力中…】
航平:【相手が入力中…】
俊介:高校のときだって……船の名前の略なんて書いたことない……今はもう大学院生だし……
俊介:本当に……
航平:【相手が入力中…】
航平:【サムズアップ/】よくやった
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