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高校3年生の放課後、自習中のこと。クラスメイトの理紗ちゃんから突然、紙切れが回って来た。
女の子からメモが来るなんて、最初はちょっと嬉しかったんだけど…開けてみたらこう書いてあった。
「悠真、坂本と一番仲良いけど、彼はどんな女の子が好きなの?」
紙に書かれた言葉を見つめると、嫉妬と怒りが一気に湧き上げてきた。
隣の席で机に突っ伏して寝ている坂本をこっそり覗き込みながら、俺は悪戯っぽくニヤリと笑った。
そっと坂本の方向を手で隠しながら、紙に小さく書き込む。
「誰が坂本は女の子好きだって言った?」
ははは、坂本、ついにお前にもこの日が来たか。俺は彼女ができないけど、お前も諦めろよ。
そう思ってメモを回した直後、背後に冷たい視線を感じて振り向くと、坂本の黒い目が俺をじっと見ていた。
「ごほっ、ごほっ…いつ起きた?」
「さっき。」
俺は心臓が跳ね上がった。このクソ野郎、見ていたのか?
動揺して、「うるさくしちゃった?はは…」と苦し紛れに言ったら、
「うん。」
嘘だろ!俺、一言も声出してないし!でも悪いことしてるから、今は反論できなかった。
坂本はまた無表情で寝たふりをしたけど、俺にはバレバレだった。
自習が終わって帰ろうとしたら、彼はさっさと外に出ていった。
「坂本、どこ行くんだ?」
背を向けて三文字だけ返ってきた。
「トイレ。」
また冷たく装いやがって、俺の胸はざわめいた。
それで、急にひらめいて、こっそり後をつけた。
すると、階段の踊り場で理紗ちゃんと話しているのを見つけた。
近づきすぎず、なんとか名前だけ聞こえた気がする。
やばい、理紗ちゃんは誘惑に負けて俺を裏切ったんじゃないか?
くそ、男のプライドをかけての勝負だ!
でも、どうやら理紗ちゃんは何も言っていなかったみたいで、坂本はいつも通りだった。
その後、理紗ちゃんは授業中や休み時間に突然振り返って、俺と坂本を見ながらニヤニヤ笑うようになった。
その笑顔がまた気持ち悪くて、鳥肌が立つんだよな…。
女の子からメモが来るなんて、最初はちょっと嬉しかったんだけど…開けてみたらこう書いてあった。
「悠真、坂本と一番仲良いけど、彼はどんな女の子が好きなの?」
紙に書かれた言葉を見つめると、嫉妬と怒りが一気に湧き上げてきた。
隣の席で机に突っ伏して寝ている坂本をこっそり覗き込みながら、俺は悪戯っぽくニヤリと笑った。
そっと坂本の方向を手で隠しながら、紙に小さく書き込む。
「誰が坂本は女の子好きだって言った?」
ははは、坂本、ついにお前にもこの日が来たか。俺は彼女ができないけど、お前も諦めろよ。
そう思ってメモを回した直後、背後に冷たい視線を感じて振り向くと、坂本の黒い目が俺をじっと見ていた。
「ごほっ、ごほっ…いつ起きた?」
「さっき。」
俺は心臓が跳ね上がった。このクソ野郎、見ていたのか?
動揺して、「うるさくしちゃった?はは…」と苦し紛れに言ったら、
「うん。」
嘘だろ!俺、一言も声出してないし!でも悪いことしてるから、今は反論できなかった。
坂本はまた無表情で寝たふりをしたけど、俺にはバレバレだった。
自習が終わって帰ろうとしたら、彼はさっさと外に出ていった。
「坂本、どこ行くんだ?」
背を向けて三文字だけ返ってきた。
「トイレ。」
また冷たく装いやがって、俺の胸はざわめいた。
それで、急にひらめいて、こっそり後をつけた。
すると、階段の踊り場で理紗ちゃんと話しているのを見つけた。
近づきすぎず、なんとか名前だけ聞こえた気がする。
やばい、理紗ちゃんは誘惑に負けて俺を裏切ったんじゃないか?
くそ、男のプライドをかけての勝負だ!
でも、どうやら理紗ちゃんは何も言っていなかったみたいで、坂本はいつも通りだった。
その後、理紗ちゃんは授業中や休み時間に突然振り返って、俺と坂本を見ながらニヤニヤ笑うようになった。
その笑顔がまた気持ち悪くて、鳥肌が立つんだよな…。
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