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16 続、修羅場?
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「では次に、お二人はいつ頃からお付き合いされましたか?」
「出会って三日程だっただろうか?」
三日後と答えたフレデリクに、ローサは以前あーくんが言っていた事と照らし合わせた。
あーくんと言っていた事と一致した為、ローサは少しだけフレデリクを信用する事にした。
「えぇ、私もそれ程だったと記憶しております」
「どちらから付き合おうと言ったのですか?」
「……私からだ」
「そうですか」
「ローサ、私が好きなのは今でも君だけなんだ」
「ファウスト伯爵令嬢の前でおやめください!」
ローサはフレデリクにピシャリと言い放った。
「……すまない」
落ち込むフレデリク。
ファウスト伯爵令嬢は、悲しそうな顔でフレデリクを見た。
「ファウスト伯爵令嬢、フレデリク殿下が言っていた事は正しいですか?」
「ええ、合っています」
「分かりましたわ。では、お付き合いをされてからは?」
「学院で二人で話をした」
「町には出掛けましたか?」
「いや、ファウスト伯爵令嬢と会ったのは学院の中でのみだ」
「そうですか。ファウスト伯爵令嬢、フレデリク殿下が言っている事は正しいですか?」
「合っています。殿下は外出に誘って下さる事は一度もありませんでした」
ローサはローサフェミリアの記憶を探った。
ローサフェミリアの記憶の中では、フレデリク殿下と出掛けた記憶がしっかりとある。
町で観劇を見たり、宝石類も買って貰っている。
フレデリクはファウスト伯爵令嬢と出掛けた事がない……デートした事がないって事!?
それなのにいきなり婚約破棄?
ぶっ飛んでるわね。
「えっと……結婚しようと言ったのは、どちらからかしら?」
「私、フレデリク殿下にオルブライト公爵令嬢との婚約を解消したいと相談されましたが、結婚しようとは言われておりません」
「なんですって?」
ローサはフレデリクを見た。
フレデリクは落ち着いた声で話し始めた。
「ファウスト伯爵令嬢と結婚する気はなかった。私が結婚をしたいのは、ローサだけだ」
「では、何故、婚約破棄なんてされたのですか?」
「……分からない。あの時はファウスト伯爵令嬢と仲良くしなければと思ったんだ。そして、君と婚約破棄をしなければいけないとも、出来るだけ大勢の人の前で……」
「大勢の人の前で婚約破棄なんてされたら、私が傷つくと思いませんでしたか?」
「今では分かる。しかし、あの時はそうしなければならないと思ったのだ」
フレデリクは項垂れた。
ローサとファウスト伯爵令嬢は、何とも言えない表情でフレデリクを見た。
「……私とは、結婚を考えていなかったのですね。では、私と何故付き合ったのですか?」
「すまない、分からないんだ。あの時は、ファウスト伯爵令嬢と一緒にいなければならないと思ったんだ。付き合わなければならないと」
「……そう言えば、殿下は一度も私の事を好きとは言って下さりませんでしたわ。私が一人で舞い上がっていただけですのね」
「本当に申し訳なかった」
二人のやり取りを、ローサは黙って見守った。
「出会って三日程だっただろうか?」
三日後と答えたフレデリクに、ローサは以前あーくんが言っていた事と照らし合わせた。
あーくんと言っていた事と一致した為、ローサは少しだけフレデリクを信用する事にした。
「えぇ、私もそれ程だったと記憶しております」
「どちらから付き合おうと言ったのですか?」
「……私からだ」
「そうですか」
「ローサ、私が好きなのは今でも君だけなんだ」
「ファウスト伯爵令嬢の前でおやめください!」
ローサはフレデリクにピシャリと言い放った。
「……すまない」
落ち込むフレデリク。
ファウスト伯爵令嬢は、悲しそうな顔でフレデリクを見た。
「ファウスト伯爵令嬢、フレデリク殿下が言っていた事は正しいですか?」
「ええ、合っています」
「分かりましたわ。では、お付き合いをされてからは?」
「学院で二人で話をした」
「町には出掛けましたか?」
「いや、ファウスト伯爵令嬢と会ったのは学院の中でのみだ」
「そうですか。ファウスト伯爵令嬢、フレデリク殿下が言っている事は正しいですか?」
「合っています。殿下は外出に誘って下さる事は一度もありませんでした」
ローサはローサフェミリアの記憶を探った。
ローサフェミリアの記憶の中では、フレデリク殿下と出掛けた記憶がしっかりとある。
町で観劇を見たり、宝石類も買って貰っている。
フレデリクはファウスト伯爵令嬢と出掛けた事がない……デートした事がないって事!?
それなのにいきなり婚約破棄?
ぶっ飛んでるわね。
「えっと……結婚しようと言ったのは、どちらからかしら?」
「私、フレデリク殿下にオルブライト公爵令嬢との婚約を解消したいと相談されましたが、結婚しようとは言われておりません」
「なんですって?」
ローサはフレデリクを見た。
フレデリクは落ち着いた声で話し始めた。
「ファウスト伯爵令嬢と結婚する気はなかった。私が結婚をしたいのは、ローサだけだ」
「では、何故、婚約破棄なんてされたのですか?」
「……分からない。あの時はファウスト伯爵令嬢と仲良くしなければと思ったんだ。そして、君と婚約破棄をしなければいけないとも、出来るだけ大勢の人の前で……」
「大勢の人の前で婚約破棄なんてされたら、私が傷つくと思いませんでしたか?」
「今では分かる。しかし、あの時はそうしなければならないと思ったのだ」
フレデリクは項垂れた。
ローサとファウスト伯爵令嬢は、何とも言えない表情でフレデリクを見た。
「……私とは、結婚を考えていなかったのですね。では、私と何故付き合ったのですか?」
「すまない、分からないんだ。あの時は、ファウスト伯爵令嬢と一緒にいなければならないと思ったんだ。付き合わなければならないと」
「……そう言えば、殿下は一度も私の事を好きとは言って下さりませんでしたわ。私が一人で舞い上がっていただけですのね」
「本当に申し訳なかった」
二人のやり取りを、ローサは黙って見守った。
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