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1.生い立ち(クロヴィス視点)
クロヴィスの母親は、この国の国王の愛妾だった。
幼いクロヴィスに心無い言葉を投げかける者がいて、物心がついてから数年後には、クロヴィスは自分が生まれて来てはいけなかったと思うようになった。
クロヴィスは母親が亡くなるまでは離宮で暮らす。王宮に行く時は一歳年下の弟のアレックスと一緒に、勉学に励む時だ。
まだクロヴィスの母が生きていた頃、王宮の廊下から国王である父親が、離宮に早足で向う姿が見えた。
クロヴィスがふと視線を上げると、目の前にクロヴィスがいる方向に向かって歩いてくる王妃が見えた。
王妃はふと立ち止まり、クロヴィスが先程まで見ていた方向に視線を向けた。
すると悲嘆な面持ちになり、子どもながらに自分達親子は、やってはいけない事をしているように思えてならなかった。
クロヴィスの母親が亡くなると、クロヴィスは住まいを王宮に移す。
離宮に居るときよりも、クロヴィスに心無い言葉を投げかける人が増えた。
この時のクロヴィスは、自分の存在そのものが悪に思えてならなかった。
その為、クロヴィスは悪意ある言葉に目をつぶり、誰にも相談する事なく、国王はクロヴィスを疎ましく、憎憎しく思っている人間で、王宮内が溢れている事に気づかなかった。
王妃とアレックスはクロヴィスを家族として扱い、クロヴィスの母親が亡くなると王妃はクロヴィスに、これからは自分の事を母親のように思って良いと言ってくれたが、クロヴィスは自分のような者がそのように思う事は出来ないと、自ら壁を作った。
クロヴィスは第一王子で、表立って誹謗中傷は受けなかったが、裏では日常茶飯事だった。
だんだんとクロヴィスは、相手に付け入る隙を与え無ければいいと思うようになる。
欠点を減らし、勉強では常に高得点を取った。
クロヴィスが与えられた課題を完璧にこなして行くと誹謗中傷が減った。
また、クロヴィスに言い寄る者も出て来るようになった。
成長をしたクロヴィスは学園に通うようになる。
そこで出会ったのが、ブルーノとアドニスだった。クロヴィスにとって、心から友人と呼べるのはこの二人だった。
クロヴィスはこの二人を自分の側近にし、護衛も自ら選んだ。
ある年の舞踏会の事だ。
一人の令嬢に目を奪われた。
「ブルーノ、あの美しい人は」
「ん? 美しい人って……ああ、今回デビュタントのミレリア・ランチェスター公爵令嬢ことか」
「ミレリア嬢と言うのか……」
「それにしても、どんどん人が集まってくるな。あれ、ダンスの順番待ちをしている男どもだろう? ほら、ちゃっかりアドニスもいるぞ」
ブルーノは可笑しそうな顔で、アドニスを見た。その横でクロヴィスは、今だにミレリアに目を奪われいた。
「おーい、クロヴィス殿下。クロヴィス様。クロヴィス、ちょっとクロヴィス聞いているのか?」
「うん? 何か言ったか」
「いや、もういいや」
ブルーノは呆れた顔をしてクロヴィスを見ていた。
美しい人は全ての縁談を断っていると聞いた。と言っても、彼女が断っているのではなくランチェスター公爵が断っているようだが。
「この間、ミレリア嬢と踊ったんだけど、自分に縁談の話が来ているの知らないんだってさ」
アドニスがそう言うと、ブルーノが相槌を打つ。
今社交界では、誰が彼女の心を射止めるのか話題になっていた。今の所は誰も射止めてなさそうだが。
挨拶をする事がやっとの自分には、到底縁のない話だ。
しかし、それから数ヶ月後に夢のような出来事が起こる。
父親が彼女との婚約の話を持ってきたのだ。
正直王太子には興味が無かったし、自分がなる事で火種になる事が予想出来たが、どうしてもこのチャンスを逃したく無かったので、その話を受け入れる事にしたのだった。
幼いクロヴィスに心無い言葉を投げかける者がいて、物心がついてから数年後には、クロヴィスは自分が生まれて来てはいけなかったと思うようになった。
クロヴィスは母親が亡くなるまでは離宮で暮らす。王宮に行く時は一歳年下の弟のアレックスと一緒に、勉学に励む時だ。
まだクロヴィスの母が生きていた頃、王宮の廊下から国王である父親が、離宮に早足で向う姿が見えた。
クロヴィスがふと視線を上げると、目の前にクロヴィスがいる方向に向かって歩いてくる王妃が見えた。
王妃はふと立ち止まり、クロヴィスが先程まで見ていた方向に視線を向けた。
すると悲嘆な面持ちになり、子どもながらに自分達親子は、やってはいけない事をしているように思えてならなかった。
クロヴィスの母親が亡くなると、クロヴィスは住まいを王宮に移す。
離宮に居るときよりも、クロヴィスに心無い言葉を投げかける人が増えた。
この時のクロヴィスは、自分の存在そのものが悪に思えてならなかった。
その為、クロヴィスは悪意ある言葉に目をつぶり、誰にも相談する事なく、国王はクロヴィスを疎ましく、憎憎しく思っている人間で、王宮内が溢れている事に気づかなかった。
王妃とアレックスはクロヴィスを家族として扱い、クロヴィスの母親が亡くなると王妃はクロヴィスに、これからは自分の事を母親のように思って良いと言ってくれたが、クロヴィスは自分のような者がそのように思う事は出来ないと、自ら壁を作った。
クロヴィスは第一王子で、表立って誹謗中傷は受けなかったが、裏では日常茶飯事だった。
だんだんとクロヴィスは、相手に付け入る隙を与え無ければいいと思うようになる。
欠点を減らし、勉強では常に高得点を取った。
クロヴィスが与えられた課題を完璧にこなして行くと誹謗中傷が減った。
また、クロヴィスに言い寄る者も出て来るようになった。
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「それにしても、どんどん人が集まってくるな。あれ、ダンスの順番待ちをしている男どもだろう? ほら、ちゃっかりアドニスもいるぞ」
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「おーい、クロヴィス殿下。クロヴィス様。クロヴィス、ちょっとクロヴィス聞いているのか?」
「うん? 何か言ったか」
「いや、もういいや」
ブルーノは呆れた顔をしてクロヴィスを見ていた。
美しい人は全ての縁談を断っていると聞いた。と言っても、彼女が断っているのではなくランチェスター公爵が断っているようだが。
「この間、ミレリア嬢と踊ったんだけど、自分に縁談の話が来ているの知らないんだってさ」
アドニスがそう言うと、ブルーノが相槌を打つ。
今社交界では、誰が彼女の心を射止めるのか話題になっていた。今の所は誰も射止めてなさそうだが。
挨拶をする事がやっとの自分には、到底縁のない話だ。
しかし、それから数ヶ月後に夢のような出来事が起こる。
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