エルーシアの物語

ねむ太朗

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  ルシアン様と無事に婚約が出来た私は、またしても自分の思い通りになったことに調子に乗る。

  友人の貴族令嬢にお姉様の話を面白おかしく話たりもした。みんなクスクス笑っていた。

  しかし、このあたりからお母様の様子が変わった。
  お姉様の婚約者を奪った事を注意された。
  今まで私が何をしても気がつかなかったのに、さすがに婚約者の事では注意をするのね。

  この時の私はお母様が私を注意した事に少し驚くが、特に気にも留めなかった。

  それと同時期にお兄様とお姉様が仲良くなった。お姉様の部屋にお兄様が遊びに行っている事に気づいていたが、お兄様は私とも話をしてくれていた為、あまり面白くは思わなかったが、特に行動に移す事はしなかった。

  それからお姉様は、公爵家のクラウス様と婚約をした。
  お姉様も私と競い合おうとしているのかしら?  と思った私は嬉しく思った。

  結局私は、お姉様が好きなのだ。こんな事をしておいてよく言うな。と思うかもしれないだろうが、お姉様が私の事を気にして、クラウス様と婚約をしたのなら面白いとさえ思った。

  それから友人の貴族令嬢に会った時にあえて、お姉様がクラウス様と婚約をしたことは友人には話さなかった。お姉様に対する対抗心だ。

  クラウス様とはじめて会った時には、苛立ちを隠せなかった。
  あの男は、初めましての挨拶の時に不愉快極まりないと言った顔をして、雑な自己紹介をした。たぶん、お姉様が何か言ったのだろう。
  あからさまな敵意や挑発に簡単に私の仮面が剥がれた。
  あの男は公爵家の人間。私は、心の中の苛立ちをお姉様にぶつけた。

  だから後日にルシアン様を誘導して、お姉様に対して仕返しをした。
  お姉様は落ち込んでいた様子だったが、文句なら自分の婚約者に言った方がいいと思う。
  クラウス様に敵意を向けられなければ、私だってこんな事をしなかったと思う。

  この頃から、私は家族の中心に自分がいない事に気づき始めた。

  お母様は、私によそよそしい。
  お兄様はお姉様との方が、話をするようになった。一緒にも出掛けている。

  私はこの家のプリンセスではなくなった。
  なんで?  どうして?  今まで私は、この家のプリンセスだったのに。

  混乱をした私は、敵意をお姉様に向けるようになった。
  それは、私の中でお姉様との上下関係が出来ていたから。

  しかし、お姉様にいくら意地悪な言葉をぶつけても、お姉様には効かなかった。

  お姉様にお幸せに。と言われた時には、頭に血が上った。
  あの言い方は、上から目線だった。
  お姉様が私より幸せになるなんて、許さない。だって、私よりもお姉様は下なのよ。
  無意識に煽るの本当にやめて欲しい。
  それからの私の攻撃は、一切通じなかった。

  お姉様は家にいる時でも、幸せそうな顔をするようになっていた。
  そんなに、太ったクラウス様がいいの?

  まあ、私も私でこの時期は幸せに過ごしていた。ルシアン様の前ではプリンセスをやっていた。

  しかしルシアン様から、二ヶ月間会えない、と言われた時には焦った。

  ルシアン様は、父親の仕事を手伝うと言っていた。領地を見て回ったり、事業の視察に行ったりと忙しいらしい。

  焦った私は、失敗をした。ルシアン様にすがり付いたのだ。

  ルシアン様は、そういう事を嫌う。
  束縛をせずに、自由にしてくれる人を好んでいるように思えた。

  それにルシアン様は、仕事を手伝うと言っていたのに……心の何処かで、ルシアン様の事を信用出来ていなかったのかもしれない。
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