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私は寝床の上で横になった。
しばらく頑張ったのだが、眠れない……お昼寝のせいね。失敗をしてしまったわ。
私は暇だったので、ディリック様とベルノーさんの部屋を訪ねた。
ノックをするとディリック様が顔を出した。
「しー」
「へっ?」
「ベルノーが寝ている」
「えっ! ベルノーさんはもう寝ているのですか」
「たぶん、ベルノーは昼寝をしていないな」
「まさか」
「ああ、起きて護衛をしていてくれたのだろう」
「なんだか、ごめんなさい……」
私は少し落ち込んだ。
「いや、いい。エルーシアの仕事はこの国の知識の提供だからな。とりあえず、ここで話すとベルノーが起きるからそっちの部屋に行くぞ」
私とディリック様は私が使っている部屋に移動をした。
「すみません……私も雇われているのに」
「おい、気にするな。エルーシアが落ち込んでいると、調子が狂うと言っているだろう」
「なぜですか」
ディリック様は黙ってしまった。
「なぜ調子が狂うのですか」
「俺にも分からない」
そう言うと、ディリック様は顔を背けてしまった。
なんだか気まずい雰囲気になってしまった。
「すみません……しつこく聞いてしまって」
「いや、いい。俺も悪かった」
気まずい雰囲気は治らない。
何か話題を探さないと……
「えっと……、不思議探しをはじめたきっかけは何ですか」
「ああ。言っていなかったな。俺は騎士になりたかったんだ。俺の国の騎士は、十八歳からしかなれない。それまでは、四つ年上の近隣の領地に住んでいる子爵家のレオン様に剣を教わっていた」
ディリック様は私の方を向いて話をしていたが、視線を遠くに向けた。
「レオン様は十八歳になり騎士になった。騎士になってからも、時々俺に剣を教えてくれていたんだ。そして戦争が起こった。真っ先に戦場の最前線に行ったレオン様は、数ヵ月後に亡くなったんだ」
あまりに悲しそうに話すディリック様を、私は見ていられなくなった。
「俺はレオン様のかたきを取る為に、騎士になって戦場に行くつもりだった。しかし戦争は昨年に終戦を迎えた。俺はどうしたら良いのか分からなくなった。今俺があの国の人間を殺せば、ただの人殺しだ」
私は胸が痛くなった。
「俺は騎士を目指す事やめた。あんなに騎士になりたかったのに、今の俺はただの人殺しにしかなれない気がした。だから、レオン様が守ったこの土地を別の方法で守りたいと思ったんだ」
ディリック様はそこまで話すと、私の顔を見つめてきた。
さっきの悲しそうな顔と違い、瞳に力が籠っているように見えた。
私が何か言葉を掛けないと。と考えていると、部屋の中から物音が聞こえてきた。
カタカタ。
「へっ? 何?」
「エルーシアは下がっていろ」
ディリック様は音が鳴った近くを、ランプの灯りを手にして探してくれた。
「いや、何も居ないぞ……ねずみか、すきま風ではないか?」
「そうですか。ありがとうございます」
私も念のために音が鳴ったあたりを見る事にした。
しゃがんでいるディリック様の後ろから、少し屈んで探して見た。
「そうですねー。何もいなさそうですね」
私の声を聞き振り返ったディリック様と視線が合った。
思いの外、顔が近い。
ディリック様の手元にランプがあるため、表情が良く見えた。
ディリック様は目を見開いて固まっている。
そんな幽霊を見るような目で見なくても……
私は驚いているディリック様の顔が面白く、じっと観察をした。
いつも無愛想だから、新鮮だわ。
「お、おい。そこを退いてくれ」
「へっ? あ、すみません」
私が離れるとディリック様の表情が戻った。
「もう、寝る」
「ディリック様……怒っています?」
「怒っていない。失礼する」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
ディリック様は振り返りもぜずに戻ってしまった。
何か気に障る事をしてしまったのだろうか……
なぜだろう……ディリック様に嫌われたと思うと……胸が痛いわ。
しばらく頑張ったのだが、眠れない……お昼寝のせいね。失敗をしてしまったわ。
私は暇だったので、ディリック様とベルノーさんの部屋を訪ねた。
ノックをするとディリック様が顔を出した。
「しー」
「へっ?」
「ベルノーが寝ている」
「えっ! ベルノーさんはもう寝ているのですか」
「たぶん、ベルノーは昼寝をしていないな」
「まさか」
「ああ、起きて護衛をしていてくれたのだろう」
「なんだか、ごめんなさい……」
私は少し落ち込んだ。
「いや、いい。エルーシアの仕事はこの国の知識の提供だからな。とりあえず、ここで話すとベルノーが起きるからそっちの部屋に行くぞ」
私とディリック様は私が使っている部屋に移動をした。
「すみません……私も雇われているのに」
「おい、気にするな。エルーシアが落ち込んでいると、調子が狂うと言っているだろう」
「なぜですか」
ディリック様は黙ってしまった。
「なぜ調子が狂うのですか」
「俺にも分からない」
そう言うと、ディリック様は顔を背けてしまった。
なんだか気まずい雰囲気になってしまった。
「すみません……しつこく聞いてしまって」
「いや、いい。俺も悪かった」
気まずい雰囲気は治らない。
何か話題を探さないと……
「えっと……、不思議探しをはじめたきっかけは何ですか」
「ああ。言っていなかったな。俺は騎士になりたかったんだ。俺の国の騎士は、十八歳からしかなれない。それまでは、四つ年上の近隣の領地に住んでいる子爵家のレオン様に剣を教わっていた」
ディリック様は私の方を向いて話をしていたが、視線を遠くに向けた。
「レオン様は十八歳になり騎士になった。騎士になってからも、時々俺に剣を教えてくれていたんだ。そして戦争が起こった。真っ先に戦場の最前線に行ったレオン様は、数ヵ月後に亡くなったんだ」
あまりに悲しそうに話すディリック様を、私は見ていられなくなった。
「俺はレオン様のかたきを取る為に、騎士になって戦場に行くつもりだった。しかし戦争は昨年に終戦を迎えた。俺はどうしたら良いのか分からなくなった。今俺があの国の人間を殺せば、ただの人殺しだ」
私は胸が痛くなった。
「俺は騎士を目指す事やめた。あんなに騎士になりたかったのに、今の俺はただの人殺しにしかなれない気がした。だから、レオン様が守ったこの土地を別の方法で守りたいと思ったんだ」
ディリック様はそこまで話すと、私の顔を見つめてきた。
さっきの悲しそうな顔と違い、瞳に力が籠っているように見えた。
私が何か言葉を掛けないと。と考えていると、部屋の中から物音が聞こえてきた。
カタカタ。
「へっ? 何?」
「エルーシアは下がっていろ」
ディリック様は音が鳴った近くを、ランプの灯りを手にして探してくれた。
「いや、何も居ないぞ……ねずみか、すきま風ではないか?」
「そうですか。ありがとうございます」
私も念のために音が鳴ったあたりを見る事にした。
しゃがんでいるディリック様の後ろから、少し屈んで探して見た。
「そうですねー。何もいなさそうですね」
私の声を聞き振り返ったディリック様と視線が合った。
思いの外、顔が近い。
ディリック様の手元にランプがあるため、表情が良く見えた。
ディリック様は目を見開いて固まっている。
そんな幽霊を見るような目で見なくても……
私は驚いているディリック様の顔が面白く、じっと観察をした。
いつも無愛想だから、新鮮だわ。
「お、おい。そこを退いてくれ」
「へっ? あ、すみません」
私が離れるとディリック様の表情が戻った。
「もう、寝る」
「ディリック様……怒っています?」
「怒っていない。失礼する」
「おやすみなさい」
「おやすみ」
ディリック様は振り返りもぜずに戻ってしまった。
何か気に障る事をしてしまったのだろうか……
なぜだろう……ディリック様に嫌われたと思うと……胸が痛いわ。
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