落ちこぼれ魔法使い見習いのアイリーン

ねむ太朗

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20. 治癒の妖精

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 ミミと一緒に初登校してから一月が経った。そして私は今、実験室にいる。

「皆席に着け。授業を始めるぞ」

 担任のプラント先生が実験室に入って来ると、生徒達は各々着席をした。

「さて、授業を始める前に一つ報告がある。治癒の妖精が目撃された」

 ざわつく室内。

「静かに。続きを話すぞ。治癒の妖精だが、同じ日の同じ時間帯に複数の目撃証言があり信憑性が高いようだ。しかし、その日のその時間帯以外には確認されていない」

 一人の生徒が挙手をした。

「フランツ。質問か?」

「はい。治癒の妖精を目撃した者は契約しなかったのですか」

「直ぐに逃げられてしまったようだ。妖精にも性格があるから、おくびょうだったのかもしれないな」

 私はミミを見た。ミミは興味が無いのか、机の上に座ってうとうとしている。

「次々と妖精が目撃されている。治癒の妖精で五人目だ。これは妖精が見つかっていなかった数年前にはあり得ない事だ。いったい何が起こっているのか……」

 プラント先生は不安げな表情をした後に、生徒達が妖精に出会った時の為にと契約方法を教えてくれた。

「さて。薬学の授業を始めるぞ。今日は解毒薬作りだ。三年前に魔法使い連続殺人事件が起こったのは知っているよな。あの時に使われたのがポリントの毒だ。ポリントの毒は野草のポリントを一切光を当てずに育てる事で簡単に手に入る」

 魔法使い連続殺人事件と言えば、当時は大ニュースで田舎の村に住んでいる私達にも人づてに情報が入って来た。

 被害者は十人の魔法使い。全員毒殺されていて、無臭で味もあまりないポリントの毒を気づかぬうちに摂取して亡くなっている。

 犯人はすでに捕まっていて、動機は魔法使いになれなかった事に対する逆恨み。

「ポリント毒の解毒薬になるのがクサーシュ草だ。クサーシュ草は崖の近くに生えていて、ポリントの毒に対する解毒薬としてとても…………」

 プラント先生の長い説明が終わると、クサーシュ草が配られた。
 私は配られたクサーシュ草をお湯を沸かしたビーカーの中に入れた。
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