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21. ピンク色の液体
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クサーシュ草の解毒薬作りは簡単だ。クサーシュ草を熱したお湯で、十分茹でるだけだ。
持ち運び用にするには、クサーシュ草を取り除いてからさらに加熱し、水気を飛ばして残った粉が解毒薬となる。
私はクサーシュ草を加熱している間に周りを観察していた。
私はアルコールランプを借りて加熱していたが、他の生徒達は火の魔法を使って加熱している。
そろそろ十分が経つ頃だろう。私は手元にあった砂時計を確認し、火を止めてビーカーを覗き込んだ。
「えっ……何でピンクに?」
「おい。アイリーン何をやっているだよ。何を混ぜたんだ?」
斜めに座っていたジーンが声を掛けてきた。
「分からない。クサーシュ草をお湯で茹でただけだもの」
ジーンは訝しげに私の顔を見た。
本来クサーシュ草の解毒薬は無色透明。ピンク色になるはずは無いのだ。
そこへプラント先生がやって来た。
「アイリーン。いったい何をしたんだ。妖精の力を使ったのか」
私を首を振った。
「ミミはずっとここで寝ていました。それにカロリーナさんは、妖精は魔法を使えないって言っていました。それから私は何も混ぜていません」
プラント先生は少し考えた様子をしてから、指示を出した。
「アイリーン。私の目の前でもう一度作ってみなさい」
「分かりました」
私は先程と同じくクサーシュ草を十分茹でる。
「ピンクだ……」
ジーンがぼそっと言うと、近くに座っていた他の生徒達もざわついた。
「皆静かに。アイリーン。このピンク色の液体を譲ってくれないか」
「はい」
プラント先生は私からビーカーを受け取ると、実験室の隅に居た補助教員に声を掛けた。
補助教員はプラント先生から指示を受け、実験室から出て行ったと思ったら直ぐに箱に入ったねずみを抱えて戻ってきた。
プラント先生はねずみを教卓の上に置くと、今から実験を始める事を生徒達に伝えた。
「今からこのピンク色の液体が、解毒薬なのか確認を行うぞ」
プラント先生はポリントの毒を補助教員から受け取り、スポイトでねずみに与える。
するとねずみは数分で苦しみだし、のたうち回る。
そこへ、スポイトですくったピンク色の液体をねずみに与える。
ねずみは徐々に落着き、元気になって教卓の上を走り回っていた。
持ち運び用にするには、クサーシュ草を取り除いてからさらに加熱し、水気を飛ばして残った粉が解毒薬となる。
私はクサーシュ草を加熱している間に周りを観察していた。
私はアルコールランプを借りて加熱していたが、他の生徒達は火の魔法を使って加熱している。
そろそろ十分が経つ頃だろう。私は手元にあった砂時計を確認し、火を止めてビーカーを覗き込んだ。
「えっ……何でピンクに?」
「おい。アイリーン何をやっているだよ。何を混ぜたんだ?」
斜めに座っていたジーンが声を掛けてきた。
「分からない。クサーシュ草をお湯で茹でただけだもの」
ジーンは訝しげに私の顔を見た。
本来クサーシュ草の解毒薬は無色透明。ピンク色になるはずは無いのだ。
そこへプラント先生がやって来た。
「アイリーン。いったい何をしたんだ。妖精の力を使ったのか」
私を首を振った。
「ミミはずっとここで寝ていました。それにカロリーナさんは、妖精は魔法を使えないって言っていました。それから私は何も混ぜていません」
プラント先生は少し考えた様子をしてから、指示を出した。
「アイリーン。私の目の前でもう一度作ってみなさい」
「分かりました」
私は先程と同じくクサーシュ草を十分茹でる。
「ピンクだ……」
ジーンがぼそっと言うと、近くに座っていた他の生徒達もざわついた。
「皆静かに。アイリーン。このピンク色の液体を譲ってくれないか」
「はい」
プラント先生は私からビーカーを受け取ると、実験室の隅に居た補助教員に声を掛けた。
補助教員はプラント先生から指示を受け、実験室から出て行ったと思ったら直ぐに箱に入ったねずみを抱えて戻ってきた。
プラント先生はねずみを教卓の上に置くと、今から実験を始める事を生徒達に伝えた。
「今からこのピンク色の液体が、解毒薬なのか確認を行うぞ」
プラント先生はポリントの毒を補助教員から受け取り、スポイトでねずみに与える。
するとねずみは数分で苦しみだし、のたうち回る。
そこへ、スポイトですくったピンク色の液体をねずみに与える。
ねずみは徐々に落着き、元気になって教卓の上を走り回っていた。
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