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52. 予兆
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「なるほど。それであの時に新緑の妖精が集まって来たのかしら。もしかして新緑の力を使いたいと考えなかった?」
「はい。ミミ一人の力では限界だと思ったので」
「やはりそうなのね。アイリーンちゃんがミミの手助けをしたいと思ったから、それに新緑の妖精が答えたのよ」
カロリーナさんは嬉しそうな顔をして私を見た。
「そう、なんですかね」
「そうよそう。きっとそう。アイリーンちゃんは願い人なのだわ」
「仮に私が本当に願い人だったとして、火の妖精を呼んだりクロを封印したりする事は可能だったのでしょうか」
「新緑の妖精を呼べたのだから火の妖精も呼べるはずよ。封印はどうかしら実際にやってみないと分からないわ」
「ク、クロは封印しませんよ」
「分かっているわよ」
カロリーナさんは「さすがにそんなお願いはしないわよー」と言ってのほほんと笑っている。
「そう言えば石碑なのですが、誰かが壊したって事ですか」
「誰かと聞かれれば憶測なのだけど、クロちゃんがやったのではないかと…………」
カロリーナさんは腕を組んでクロを見ている。
「クロが……では、クロが復活をする時に壊れたとかでしょうか」
「そうね。きっとそうでしょうね」
「あのひびもクロがやったのかな」
私はぽつりと呟く。
「ひび? 石碑にひびが入っていたの?」
「はい。クラスメートと見に行った時に」
「私が昔に見に行った時には無かったわよ」
カロリーナさんが驚いた顔をしている。
「私が行った時には二つ程のひびが入っていて、後ろに書いてあった文字が所々読めなかったです」
「私が昔行った時には、最初から最後まで読む事が出来たわ。まあ、何てこと。黒龍の復活に予兆があったのね」
「ごめんなさい。私が誰にも知らせ無かったから」
「責めているのではないの。予兆はそれだけではないわ。きっと妖精もそうよ。妖精達が急に姿を現した事に私達はもっと疑問を持たなければならなかったのよ」
カロリーナさんは息を深く吐いた。
「…………妖精も」
「そう。妖精もきっとクロちゃんと一緒に封印されていたのだと私は思うわ。昔に封印を行った際に、自分達も一緒でないと封印が出来なかったのかも知れないわね」
「自分達も一緒に封印?」
「それだけクロちゃんが強かったって事よ」
それからしばらく話しをしてからカロリーナさんの家を後にした。
帰る前に石碑があった場所を寄ろうかと思ったが、薄暗くなっていたので真っ直ぐ帰る事にした。
「はい。ミミ一人の力では限界だと思ったので」
「やはりそうなのね。アイリーンちゃんがミミの手助けをしたいと思ったから、それに新緑の妖精が答えたのよ」
カロリーナさんは嬉しそうな顔をして私を見た。
「そう、なんですかね」
「そうよそう。きっとそう。アイリーンちゃんは願い人なのだわ」
「仮に私が本当に願い人だったとして、火の妖精を呼んだりクロを封印したりする事は可能だったのでしょうか」
「新緑の妖精を呼べたのだから火の妖精も呼べるはずよ。封印はどうかしら実際にやってみないと分からないわ」
「ク、クロは封印しませんよ」
「分かっているわよ」
カロリーナさんは「さすがにそんなお願いはしないわよー」と言ってのほほんと笑っている。
「そう言えば石碑なのですが、誰かが壊したって事ですか」
「誰かと聞かれれば憶測なのだけど、クロちゃんがやったのではないかと…………」
カロリーナさんは腕を組んでクロを見ている。
「クロが……では、クロが復活をする時に壊れたとかでしょうか」
「そうね。きっとそうでしょうね」
「あのひびもクロがやったのかな」
私はぽつりと呟く。
「ひび? 石碑にひびが入っていたの?」
「はい。クラスメートと見に行った時に」
「私が昔に見に行った時には無かったわよ」
カロリーナさんが驚いた顔をしている。
「私が行った時には二つ程のひびが入っていて、後ろに書いてあった文字が所々読めなかったです」
「私が昔行った時には、最初から最後まで読む事が出来たわ。まあ、何てこと。黒龍の復活に予兆があったのね」
「ごめんなさい。私が誰にも知らせ無かったから」
「責めているのではないの。予兆はそれだけではないわ。きっと妖精もそうよ。妖精達が急に姿を現した事に私達はもっと疑問を持たなければならなかったのよ」
カロリーナさんは息を深く吐いた。
「…………妖精も」
「そう。妖精もきっとクロちゃんと一緒に封印されていたのだと私は思うわ。昔に封印を行った際に、自分達も一緒でないと封印が出来なかったのかも知れないわね」
「自分達も一緒に封印?」
「それだけクロちゃんが強かったって事よ」
それからしばらく話しをしてからカロリーナさんの家を後にした。
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