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一、林原進学塾
(三)
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駅に向かって歩いている途中、公園の横を通りかかった。中央に藤棚があり、それを囲むように広場が広がっていた。そして広場の端にベンチがいくつか配置してあり、その外周には木々が植えられていて、そよかぜに木漏れ日が揺れていた。宮本は、立ち止まると、木立のすきまから公園を眺めた。人は誰もいなくて、ベンチも全て空いていた。それを見た宮本は、気分転換に、公園で一休みする事にした。
宮本は、公園に入る前に、隣にあるコンビニに寄って、おにぎりを二つと野菜ジュースを買ってきて、公園のベンチに腰を下ろした。そして、鞄を傍らに置くと、おにぎりを頬張った。野菜ジュースでおにぎりを胃に流し込み、更に残りのおにぎりを口に放り込んだ。食べ終わると、携帯電話を取り出して、メールが来ていないか、確かめた。一通も来ていなかった。次にニュースのサイトを開いた。ざっと、今日のニュースを読むと、ネットから切断して、携帯電話を胸ポケットにしまった。そして、立ち上がろうとしたとき、向かいのベンチに人が座っているのに気づいた。さっき、この公園に入るときには、誰もいなかったはずなのだが、いつの間に来たのだろうか。それは、見た目、二十代後半の髪の短い女性であった。グレイの花柄のワンピースを着て、細めのめがねをかけていた。つい、気になって、まじまじと容姿容貌を確かめてしまった宮本は、この女性が意外と美しいのに気づいた。やや丸顔に表情の豊かな双眸を輝かして、唇が何かを訴えかけるようにかすかに開いていた。宮本は、一人で公園のベンチに座っている、この女性に少なからぬ興味を抱いたものの、何のつながりもない他人なので、すぐに視線を外すと腰を上げた。そして、傍らの鞄を肩にかけると、歩き出そうとした瞬間、目の前に、先ほどの女性がにこやかに立っていた。宮本は、驚いて、思わず、声が出た。女性は、開口一番、
「あなた、私の事、見てたでしょ?」と詰問した。宮本は、この突拍子もない出現をして、不躾な質問を投げかけてきた女性にひるんで、咄嗟には返答できなかった。
「私のこと、見てたわよね?」
二度目で、やっと、宮本は、むっとした表情で、
「見てませんが。」と否定したが、女性は笑っていた。なぜ、女性が笑っているのかを不審に思いながら、宮本は、女性の出方を待った。
「いいわ。あなたにこれをあげる。後で、読んでみて。」
宮本は、公園に入る前に、隣にあるコンビニに寄って、おにぎりを二つと野菜ジュースを買ってきて、公園のベンチに腰を下ろした。そして、鞄を傍らに置くと、おにぎりを頬張った。野菜ジュースでおにぎりを胃に流し込み、更に残りのおにぎりを口に放り込んだ。食べ終わると、携帯電話を取り出して、メールが来ていないか、確かめた。一通も来ていなかった。次にニュースのサイトを開いた。ざっと、今日のニュースを読むと、ネットから切断して、携帯電話を胸ポケットにしまった。そして、立ち上がろうとしたとき、向かいのベンチに人が座っているのに気づいた。さっき、この公園に入るときには、誰もいなかったはずなのだが、いつの間に来たのだろうか。それは、見た目、二十代後半の髪の短い女性であった。グレイの花柄のワンピースを着て、細めのめがねをかけていた。つい、気になって、まじまじと容姿容貌を確かめてしまった宮本は、この女性が意外と美しいのに気づいた。やや丸顔に表情の豊かな双眸を輝かして、唇が何かを訴えかけるようにかすかに開いていた。宮本は、一人で公園のベンチに座っている、この女性に少なからぬ興味を抱いたものの、何のつながりもない他人なので、すぐに視線を外すと腰を上げた。そして、傍らの鞄を肩にかけると、歩き出そうとした瞬間、目の前に、先ほどの女性がにこやかに立っていた。宮本は、驚いて、思わず、声が出た。女性は、開口一番、
「あなた、私の事、見てたでしょ?」と詰問した。宮本は、この突拍子もない出現をして、不躾な質問を投げかけてきた女性にひるんで、咄嗟には返答できなかった。
「私のこと、見てたわよね?」
二度目で、やっと、宮本は、むっとした表情で、
「見てませんが。」と否定したが、女性は笑っていた。なぜ、女性が笑っているのかを不審に思いながら、宮本は、女性の出方を待った。
「いいわ。あなたにこれをあげる。後で、読んでみて。」
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