三首の和歌

 プリンター修理のために訪れたオフィスで、主人公は思いがけない再会を果たす。
 そこにいたのは、5年前に突然姿を消した大学時代からの恋人だった。

 彼女は国文科出身で、平安和歌を愛していた。
 そして、再び始まった二人の時間は、彼女の口ずさむ三首の和歌に導かれるように進んでいく。

 やがて二人は、彼女の提案で福岡への旅に出る。
 その旅の途中、彼女の過去が静かに顔をのぞかせる。
 そして、まるで夢が覚めるように、旅は突然終わり・・・彼女は消えた。

 どうしていなくなったのか。
 確かめるために、主人公は彼女の旧友に連絡を取る。
 そこで彼が知るのは、想像もしなかった真実だった。

 三首の和歌が、恋と記憶の謎を静かにほどいていく。


※2006年5月執筆
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