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七、福岡
(九)
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「聞いていい?」
「何を?」
「いろいろね。」
「いろいろって?」
「いろいろ気になってたことさ。」
「聞けば。」
照代はぶっきらぼうに、そう答えた。
「そう。」と言って、宮本は黙り込んでしまった。鶏皮を一串頬張ると、また、話し始めた。
「突然、いなくなった理由は、こないだの話でなんとなくわかったんだけど。で、その後、何してたの?」
「まあ、いろいろあったかな。」
「聞かせてよ。」
言いにくい事だとわかっていながら聞いたのだが、照代は意外にあっさりと「いいわよ。」と答えた。そして、照代は、さも大河ロマンでも語り始めるかのような間を作って、話し始めた。
「あの日から、三ヶ月くらいたったかな。関わっていたプロジェクトが一段落したから、それを期に会社辞めてね、大手の派遣会社に登録したのよ、貿易事務の仕事でね、」
照代は、コップ酒に口を付けて、ちょっとだけ飲んだ。
「それで来た求人で、ある中規模の商社に、名前は言っても知らないと思うから言わないけど、最初は三ヶ月だったかな、勤めて、そこの職場に海外貿易の事務の経験者がいなかったから、重宝がられてね。それで契約が延長になって、ついでによければ福岡支社に行ってくれないかなんて言われて。」
照代は、焼き鳥の串を手にとって、先端の一切れを口に入れた。もぐもぐと口を動かしながら話を続けた。
「まあ、最初は迷ったんだけど、福岡って行ったことないし、九州って、何か、九州男児ってイメージがあって女が働くのってやりにくいんじゃないかなって先入観があってね。でも、どうせ、契約期間が切れたら戻ってくるんだし、東京を離れるのもいいかなって思って。」
口の中の鶏肉を飲み込んだ。
「福岡に来たの。で、その支社に営業やってた藪本っていう人がいてね、がたいがよくて背が高くて、昔、大学でアメフトやってたとか言ってたけど。その人が福岡支社に来たてで、よく事情を知らない私にいろいろと声かけてくれてね、まあ、いつのまにか、つきあうようになってたんだけど。結局、二年くらい交際してたのかしらね。プロポーズされてね。」
照代は、照れ隠しをするようにふふふと笑った。
「婚約することにしてね。それで、向こうの両親に会いに行ったのよ、まあ、ある事情でご破算になっちゃったんだけど。それで、今も独身。」
皿の上の焼き鳥の串を手でいじりながら、間をおいて、「終わり。」と話を終わらせた。
「何を?」
「いろいろね。」
「いろいろって?」
「いろいろ気になってたことさ。」
「聞けば。」
照代はぶっきらぼうに、そう答えた。
「そう。」と言って、宮本は黙り込んでしまった。鶏皮を一串頬張ると、また、話し始めた。
「突然、いなくなった理由は、こないだの話でなんとなくわかったんだけど。で、その後、何してたの?」
「まあ、いろいろあったかな。」
「聞かせてよ。」
言いにくい事だとわかっていながら聞いたのだが、照代は意外にあっさりと「いいわよ。」と答えた。そして、照代は、さも大河ロマンでも語り始めるかのような間を作って、話し始めた。
「あの日から、三ヶ月くらいたったかな。関わっていたプロジェクトが一段落したから、それを期に会社辞めてね、大手の派遣会社に登録したのよ、貿易事務の仕事でね、」
照代は、コップ酒に口を付けて、ちょっとだけ飲んだ。
「それで来た求人で、ある中規模の商社に、名前は言っても知らないと思うから言わないけど、最初は三ヶ月だったかな、勤めて、そこの職場に海外貿易の事務の経験者がいなかったから、重宝がられてね。それで契約が延長になって、ついでによければ福岡支社に行ってくれないかなんて言われて。」
照代は、焼き鳥の串を手にとって、先端の一切れを口に入れた。もぐもぐと口を動かしながら話を続けた。
「まあ、最初は迷ったんだけど、福岡って行ったことないし、九州って、何か、九州男児ってイメージがあって女が働くのってやりにくいんじゃないかなって先入観があってね。でも、どうせ、契約期間が切れたら戻ってくるんだし、東京を離れるのもいいかなって思って。」
口の中の鶏肉を飲み込んだ。
「福岡に来たの。で、その支社に営業やってた藪本っていう人がいてね、がたいがよくて背が高くて、昔、大学でアメフトやってたとか言ってたけど。その人が福岡支社に来たてで、よく事情を知らない私にいろいろと声かけてくれてね、まあ、いつのまにか、つきあうようになってたんだけど。結局、二年くらい交際してたのかしらね。プロポーズされてね。」
照代は、照れ隠しをするようにふふふと笑った。
「婚約することにしてね。それで、向こうの両親に会いに行ったのよ、まあ、ある事情でご破算になっちゃったんだけど。それで、今も独身。」
皿の上の焼き鳥の串を手でいじりながら、間をおいて、「終わり。」と話を終わらせた。
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