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二、祓戸の神
(二十)
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一番奥の小さな滝のところに来ると、彼女は「身を清めましょう。」と言って、淵となっている滝つぼの前に私を導き、「裸になって。」と言った。平日のせいか、参拝客は少なかったが、それでも授与所に人はいるし、何人かの参拝客もいる。こんな状況で服を脱ぐのは無理なので、「無理。」と断ると、「じゃあ、できるところだけでいいから、この滝の水で身を清めましょう。」と言う。しかたないので、滝の近くまで下りて、水を手に掬い、手、顔を洗い、口を漱いだ。反応を確かめるために彼女を振り返ると、「まあ、それでいいわ。」と妥協してくれた。胸にはいつのまにか赤ん坊が抱かれている。驚いたが、彼女はその赤子を滝の落ちる淵に静かに沈め、その場を去った。呆気にとられた私は、立ち去る彼女を目で追ったが、意に介する風はなく、境内から出て行った。気になって滝を見返したら、そこには赤ん坊の影は見えなかった。近くに行って滝つぼの底の方も覗き込んだが、何もなかった。
慌てて彼女の後を追い、境内を出た。せっかくなので、参拝もしておきたかったし、神札やお守りも購入したかった。あと、おみくじを見かけたので、引いておきたかったが、さっさと行ってしまうので、全部諦めざるを得なかった。結局、ただ、沢の水で手や顔を洗っただけである。そのためだけに、こんなところまで来たのだろうか?それと、あの赤ん坊は・・・。
上りはきつかったが、今度は下りなので楽である。すぐに先を歩いていた彼女に追いついた。橋を渡り、対岸に戻る。そして、先程下りたバスの停留所に戻る。ふと前を見ると、数メートル先に小鹿が立っていて、こちらをじっと見ている。少し首を傾げて、何か気になってることでもあるのだろうか。これまで山歩きしている際に何度か鹿には遭遇したが、彼らは警戒心が強いのか、こちらが気づいたときは、既に逃げる体勢になっていることが多い。こんなにじっくりと見られていることは初めての経験だ。この辺りの鹿は、あまり人と遭遇することがないのかもしれない。
慌てて彼女の後を追い、境内を出た。せっかくなので、参拝もしておきたかったし、神札やお守りも購入したかった。あと、おみくじを見かけたので、引いておきたかったが、さっさと行ってしまうので、全部諦めざるを得なかった。結局、ただ、沢の水で手や顔を洗っただけである。そのためだけに、こんなところまで来たのだろうか?それと、あの赤ん坊は・・・。
上りはきつかったが、今度は下りなので楽である。すぐに先を歩いていた彼女に追いついた。橋を渡り、対岸に戻る。そして、先程下りたバスの停留所に戻る。ふと前を見ると、数メートル先に小鹿が立っていて、こちらをじっと見ている。少し首を傾げて、何か気になってることでもあるのだろうか。これまで山歩きしている際に何度か鹿には遭遇したが、彼らは警戒心が強いのか、こちらが気づいたときは、既に逃げる体勢になっていることが多い。こんなにじっくりと見られていることは初めての経験だ。この辺りの鹿は、あまり人と遭遇することがないのかもしれない。
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