かむなび

斐川 帙

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二、祓戸の神

(二十四)

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 ひとしきり、一周してもとのところに戻ってきたら、時計は十六時を過ぎていた。夕方に差し掛かる時間帯だが、まだ、日は高く、周りも明るい。しかし、もう時間をつぶせる場所もないので、海岸の方へ向かうことにした。みそぎ池の辺りの車道まで戻る。二車線の道路で車の往来は、そんなに多くない。途中、コンビニを見つけたのでおにぎりとお茶を買った。
 そのまま、海の方角に歩いて行く。道路の両側は松林だった。左側には病院があるのか、院名が書かれた看板が立っている。四階建ての大きな建物が見えた。そこから少し進むと、交差点にぶつかった。道路を渡って、まっすぐ進んだ。
 手には地図を表示したままのスマホを持って、ちょくちょく現在位置を確かめながら進んだ。
 彼女はときどき私を見て、にっこり笑う。私も笑顔で応える。楽しそうだが、ただ、歩いているだけなのに、何で、そんなに楽しいのだろうかという思いが、かすかに脳裏を掠める。
 道路の両側は、松林の向こうに芝生が見えたり、駐車場が見えたりして、どうも、この道はゴルフ場の真ん中を横切っているようだ。
 そのまま道なりに海岸の方へと歩く。大きく右に曲がる箇所の手前で歩道が途切れ、「料金所」という表示が目に入った。この先は歩行者は進めなさそうだ。その手前に、左に分岐する道があったので入ってみる。入ってすぐの左側にはフェンスがあって、そのフェンスの向こうには池があり、右側は松林だ。その道はすぐに右に折れ、海岸の方に向かっていた。
 ずっと、深い松林の中を、道は伸びている。道幅は狭くなって、車一台がぎりぎり走れる幅の舗装道路になった。スマホの地図を見ると、この先には有料道路が海岸沿いに走っており、その下をくぐって海岸に出られるらしい。歩いているうちに、前方に、白くて四角いトンネルが見えてきた。トンネルの先も見えているので、大分、短そうだ。トンネルの上を車が走り過ぎていく。
 トンネルに入った時、彼女は、歩きながら私の手を握りしめ、肩に寄り掛かった。抱き寄せたい衝動に駆られた。
 トンネルを抜けて海岸に出ると、海岸はコンクリートブロックで護岸されていて、その先にわずかに砂浜が残されていた。この狭さだと潮が満ちた時は、砂浜は海面下に消えそうだ。今は、まだ、辛うじて、姿を見せている。時計を見ると十七時になっていた。
 まだ、明るい。このコンクリートブロックの上に二人して座って、時の経つのを待つことにした。
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