30 / 62
二〇〇六年七月十一日(火) 早川の若君と二朗広宗
しおりを挟む
昨日は早川の若君、広匡と、二朗広宗が私の館にやってきた。既に鎧、直垂の姿である。一応、惣領家の子息なので、上座を譲ろうとしたが、俺が、今回の大将ということで、遠慮された。そして、今度の戦は、望地の婿殿の指図に従うので、何なりと申されよなどと言ってきた。なぜだか、不思議だが、俺は、信頼されているようだ。合戦経験の浅い俺が、どうして、一軍の将を任されるのか、ちょっと、変な気もするが(惣領家の子孫だから?)、まあ、せっかくだから、その気になってみた。
軍議は、簡単に終わった。作戦はかねてからの予定通り、朝の暗いうちに出発して、巳の刻ほどに三崎に到着、館を包囲して、火をかけるということだ。逃げてくる人間は、老若男女区別なく捕らえ、いちいち、確かめる。抵抗するものは、その場で斬って構わない。残酷だが、これも合戦だ。非情に徹しようと覚悟を決めた。
俺は、多少の馳走を出して、両者を振る舞い、用意した部屋に眠ってもらった。広村も来ていたが、彼もすぐに眠った。明日は朝早いのだ。庭先、そして屋敷の外を埋め尽くす、約六百の兵も思い思いのところで眠りについていた。
昨日の夢はここまで。
今日の仕事は、まあまあだ。普通に経理事務をこなした。今日も定時に帰った。早く帰ってもすることがないので、町田の駅前をぶらぶらして時間をつぶした。結構、この街も人が多いなとうんざりしながら、人混みをすりぬけ、ドトールに入って、アイスコーヒーを飲んで、しばらく、ぼおっとしていた。
ふと気づいたら、隣に雪姫が座っていた。実にかわいらしい格好の服を着て、俺の横にちょこんと座っている。見ると、緑色のジュースを飲んでいる。キウィのジュースらしい。俺は、驚いて、しばらくじっと見つめていたよ。なんで、ここにいるの?みたいな不審の目で。
すっかり、俺、雪姫の事嫌っていたみたいだ。なんか、嫌な感情しか湧いてこない。昔、いろいろと、女の子にいやがられた記憶が蘇ってくるのか、あんまり、いい気持ちがしないんだ。だから、何の用だよみたいな目で雪姫を見ていた。彼女は、俺の事をじっと見ていた。でも、悲しそうに目を伏せて、そのうち、泣き出すんだ。参ったよ。俺は、雪姫の手を取って、外で待ってろと合図すると、レジで勘定を払って、外の雪姫のもとに行った。雪姫は、俺のすぐ後ろにくっついて、ずっと押し黙っている。時々、うしろを振り返るんだけど、やっぱり、黙ってうつむいている。で、つかず離れず俺のすぐ後ろを歩いてくる。何がしたいのか、困惑した。あんまりかわいそうになったんで、結局、雪姫の手をとって、手をつないで歩く事にした。雪姫は、こころなしか、気を取り直したようにも見えた。
そんな感じで、電車乗って、家に帰った。雪姫とは、駅に着いたときに別れた。別れ際かな、雪姫は、俺に抱きついてきて、終始、無言なんだけど、そうして、乗客の人混みの中に消えていった。後ろ姿の雪姫は、機嫌なおした感じに見えたけど、大丈夫だったかな。
広村と言い、雪姫といい、夢の中の人物が目の前に現れるのは、絶対、あり得ない事なんだけど、今の自分には、そんなこと、どうでもいいと感じている。それより、悲しげだった雪姫が、機嫌直してくれたかなということが、今、一番、気にかかる事だったりする。今度、夢で会ったときは、もう少し、優しくしてやるかと。
軍議は、簡単に終わった。作戦はかねてからの予定通り、朝の暗いうちに出発して、巳の刻ほどに三崎に到着、館を包囲して、火をかけるということだ。逃げてくる人間は、老若男女区別なく捕らえ、いちいち、確かめる。抵抗するものは、その場で斬って構わない。残酷だが、これも合戦だ。非情に徹しようと覚悟を決めた。
俺は、多少の馳走を出して、両者を振る舞い、用意した部屋に眠ってもらった。広村も来ていたが、彼もすぐに眠った。明日は朝早いのだ。庭先、そして屋敷の外を埋め尽くす、約六百の兵も思い思いのところで眠りについていた。
昨日の夢はここまで。
今日の仕事は、まあまあだ。普通に経理事務をこなした。今日も定時に帰った。早く帰ってもすることがないので、町田の駅前をぶらぶらして時間をつぶした。結構、この街も人が多いなとうんざりしながら、人混みをすりぬけ、ドトールに入って、アイスコーヒーを飲んで、しばらく、ぼおっとしていた。
ふと気づいたら、隣に雪姫が座っていた。実にかわいらしい格好の服を着て、俺の横にちょこんと座っている。見ると、緑色のジュースを飲んでいる。キウィのジュースらしい。俺は、驚いて、しばらくじっと見つめていたよ。なんで、ここにいるの?みたいな不審の目で。
すっかり、俺、雪姫の事嫌っていたみたいだ。なんか、嫌な感情しか湧いてこない。昔、いろいろと、女の子にいやがられた記憶が蘇ってくるのか、あんまり、いい気持ちがしないんだ。だから、何の用だよみたいな目で雪姫を見ていた。彼女は、俺の事をじっと見ていた。でも、悲しそうに目を伏せて、そのうち、泣き出すんだ。参ったよ。俺は、雪姫の手を取って、外で待ってろと合図すると、レジで勘定を払って、外の雪姫のもとに行った。雪姫は、俺のすぐ後ろにくっついて、ずっと押し黙っている。時々、うしろを振り返るんだけど、やっぱり、黙ってうつむいている。で、つかず離れず俺のすぐ後ろを歩いてくる。何がしたいのか、困惑した。あんまりかわいそうになったんで、結局、雪姫の手をとって、手をつないで歩く事にした。雪姫は、こころなしか、気を取り直したようにも見えた。
そんな感じで、電車乗って、家に帰った。雪姫とは、駅に着いたときに別れた。別れ際かな、雪姫は、俺に抱きついてきて、終始、無言なんだけど、そうして、乗客の人混みの中に消えていった。後ろ姿の雪姫は、機嫌なおした感じに見えたけど、大丈夫だったかな。
広村と言い、雪姫といい、夢の中の人物が目の前に現れるのは、絶対、あり得ない事なんだけど、今の自分には、そんなこと、どうでもいいと感じている。それより、悲しげだった雪姫が、機嫌直してくれたかなということが、今、一番、気にかかる事だったりする。今度、夢で会ったときは、もう少し、優しくしてやるかと。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる