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一、山中に眠る城跡
(六)
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道は舗装された林道と交差するまで、明瞭に道の痕跡を残していた。
林道に出た。この林道は山裾を縫うように蛇行している。車の往来はない。
林道の向こう側に道は続いているはずなのだが、果たして、道はまだ明瞭にその跡を残していた。車が通れるくらいの幅で上へと伸びている。
しかし、しばらく上ると道はいよいよ怪しくなってきて、藪が道を覆うようになってきた。やはり、この道は途中で消えるパターンなのだろうか。
依然として道は沢に絡むように上へと上っていたが、やがて、沢は深さ二メートルほどの狭く切り込んだ谷底に沈み、道がその谷をまたぐところに至った。そこには、朽ちかけた丸太が三本ほど橋代わりにかけてあった。谷の幅は一メートルちょっとなのだが、丸太は苔むしていて、昨日の雨を吸って滑りやすくなっていた。そのため、足の置き場がなく、こんな小さな橋にもかかわらず、渡るのは危険だった。しばらく、迷っていたが、意を決して、四つんばいになって丸太の橋を渡ることにした。それでもなかなか渡りきるのに苦労した。何度も滑りかけ、やっとの思いで渡りきると、そこは深い藪に埋もれていた。しかし、藪をかきわけると踏み跡はまだ認められる。ルートからは外れていないようだ。しかし、この沢が地図に記載されていないせいもあって、地形図上では正確な位置がつかめない。
更に藪を掻き分けていくと再び丸太の橋が出現した。ここも苔むしていて濡れている。しかも先ほどのより朽ちた丸太で足を乗せるとみしみしと湿った音を立ててめり込んだ。しかし、ここまで来ては引き返せない。先ほどの丸太橋をもう一度渡るのは無理な話だ。
またも丸太橋を前にして立ち尽くした。さっきと同じように四つんばいになって恐る恐る渡ってみる。渡れそうな気がするが三歩目で行き詰る。足を前に出そうにも残った足で踏ん張るとずるっと木の皮がむけて足が滑るのだ。
困ったものだ。
すこし考えてみた。一歩目を大きく取ってみた。これはかなり危険だ。途中で引き返そうにも引き返せない体勢になる。だが、これで四つんばいになって両手両足で湿ったぶよぶよの丸太をつかんで進むとなんとか渡れることができた。できてしまえばなんともないが、しかしスリリングな丸太橋だった。
林道に出た。この林道は山裾を縫うように蛇行している。車の往来はない。
林道の向こう側に道は続いているはずなのだが、果たして、道はまだ明瞭にその跡を残していた。車が通れるくらいの幅で上へと伸びている。
しかし、しばらく上ると道はいよいよ怪しくなってきて、藪が道を覆うようになってきた。やはり、この道は途中で消えるパターンなのだろうか。
依然として道は沢に絡むように上へと上っていたが、やがて、沢は深さ二メートルほどの狭く切り込んだ谷底に沈み、道がその谷をまたぐところに至った。そこには、朽ちかけた丸太が三本ほど橋代わりにかけてあった。谷の幅は一メートルちょっとなのだが、丸太は苔むしていて、昨日の雨を吸って滑りやすくなっていた。そのため、足の置き場がなく、こんな小さな橋にもかかわらず、渡るのは危険だった。しばらく、迷っていたが、意を決して、四つんばいになって丸太の橋を渡ることにした。それでもなかなか渡りきるのに苦労した。何度も滑りかけ、やっとの思いで渡りきると、そこは深い藪に埋もれていた。しかし、藪をかきわけると踏み跡はまだ認められる。ルートからは外れていないようだ。しかし、この沢が地図に記載されていないせいもあって、地形図上では正確な位置がつかめない。
更に藪を掻き分けていくと再び丸太の橋が出現した。ここも苔むしていて濡れている。しかも先ほどのより朽ちた丸太で足を乗せるとみしみしと湿った音を立ててめり込んだ。しかし、ここまで来ては引き返せない。先ほどの丸太橋をもう一度渡るのは無理な話だ。
またも丸太橋を前にして立ち尽くした。さっきと同じように四つんばいになって恐る恐る渡ってみる。渡れそうな気がするが三歩目で行き詰る。足を前に出そうにも残った足で踏ん張るとずるっと木の皮がむけて足が滑るのだ。
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