天才魔法士がオレを離してくれません

湯川岳

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第1部

2.魔法塔の天才 ルシアン

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隊に書類を取りに行ったあと、早々に魔法塔にやってきた。
歩く度に違和感がすごい。何もないせいかなんだかいつもよりスースーする。
ただ歩いているだけなのに何だか恥ずかしくなってきた。

「あれって...」

「今日もルシアン様のところかな?」

廊下を歩いているとローブを羽織った魔法士達がコソコソとオレを見ながら話をしていた。
騎士団と魔法士は仲は悪くはない。しかし、魔法塔は少々見た目が不気味で魔法士達以外はあまり来ない。
書類は、基本、魔法士が隊へ届けてくれたりしている。
もちろん、隊の方から行く時もあるが大体は隊員が行くことが多い。
オレは書類やら情報共有やらで良く足を運び、ルシアンと意見交換等をしたりしている。
意見交換なら通信具を使えばいいだけだが、直接顔を見て反応を伺いながら話をしたい。
魔獣被害などやはり地図などを見ながら話す方が楽だからということもある。


「おーい、ルシアーン。入るぞー」

奥まった場所にある大きな扉をノックして入る。
中に入ると魔法書が壁一面にビッシリはめ込まれ、何なら奇妙な液体や光などが今日も陳列されている。

「では、こちらを。また何かあれば私が対応します。よろしくお願いしますね」

「はい、ルシアン様。承りました」

高身長で白銀の長い髪をひとつに緩く束ね、エメラルドの瞳の美男子。そして魔法塔の天才。世の中の女性達を魅了しまくっている。毎回思うことがある。

腹黒だそ、あいつは。

と言ってやりたい。みんな知らないのだ。
誰にでもいい顔をし、人によって態度が変わったりする。
魔法塔の仲間もきっとルシアンは、美しく冷静で穏やかだと思っているのだろう。

「あれ、テオドールさんじゃないですか~。今日もルシアンさんのところに遊びに来たんですか~?」

ルシアンの部下にあたるエリオ・ラングレー。淡いオレンジのふわふわな髪と瞳は太陽のよう。
そして、ルシアンを尊敬しているせいか親友のオレはとても懐かれている。

「......今日は違うよ。エリオ。これから大事な話をテオドールとするんだよ。鍵を閉めてしまうから早く行きなさい」

「えー、そうなんですかー?珍しいですね。ルシアン様、テオドールさん、失礼します」

ルシアンは扉を開けてエリオを出すとカチャと鍵を閉め、大きな窓のカーテンも閉める。ソファに座るとルシアンが横に座ってきた。

「テオ、朝の話だけど他に変なところはないのかい?」

「んー、特にはないかな。オレの相棒いなくなったから股間はスースーするけどな!」

笑って答えるとそうか、とほっとしたような表情をするルシアン。

「ズボン脱げばいい?」

「恥じらいはないのかい?君は」

呆れた表情をされる。
オレにとっては一大事なのだからしょうざない。早く診てもらいたい。

「テオ、こっちに来なさい」

ルシアンはオレを背もたれの低い足を伸ばせるソファに座らせる。オレがたまにゴロゴロしているソファだ。

「脱いで寝転がれはいいのか?」

「え、あぁ、うん。そうだね。いくら俺達の中とはいえ、少し恥じらってくれると可愛いのに」

「何言ってんだよ、良く風呂一緒に入ってる仲じゃねーかよ」

「それはテオが入ってくるからじゃないか」

騎士団のズボンと下着を取っ払う。

「......本当にない、ね」

「だから言ってるじゃん!ほら、早く診てくれよ」

ソファに横になって、足を開く。部屋が薄暗いせいなのか長い髪のせいなのかルシアンの表情が見づらい。

どうだ、驚いただろう!

慌てふためく姿を期待したが、口元を覆いそっぽを向かれた。

「え、オレのやばい?」

「いや、うん、やばい、かな? 生の女性性器見たことないから」

目を伏せて、顔を覆うルシアン。女性をつまみ食いしたことありそうなのに意外な新事実を知ってしまった。
オレも変化してしまった息子部分をまじまじ見てなんかドキドキしたけど、それどころじゃない、と自分に言い聞かせている。

「やっぱそうだろよなぁ。オレのオレは女の子になったんだよなぁ。なんでかなぁ」

「身体の中、見てもいいかな?」

「おう、いいぜ」

ルシアンの指先が下腹部に触れる。思わずビクッとしてしまった。触り方がなんかエロい。

「ーーーー」

ルシアンが魔法を唱えると赤い光がポワッとオレの中に入っていく。

「ん...っ」

じんじんする。
気持ちいい。

「これは...すごいよ、テオ!」

あまり見ることはないルシアンの興奮した表情。なにが?と返すと早口で意味の分からないことを喋り始めた。難しい。

「つまり、子宮だよ!君は子供を産める身体になっているんだよ!」

「ーーーは?はぁぁぁぁぁぁあ!?」

ルシアンは羽ペンを持ち、紙に記録していく。

どういうことだよ!

誰と作るんだよ!!!
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