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13.エピローグ
しおりを挟む窓の外からアッシュフォード村が見える。
相変わらず穏やかで、遠い昔に友と過ごしたこの丘は見晴らしがとても良かった。
その懐かしい景色をベッドの上から見るのが最近の私の日課だった。
「……アルト様」
私の老いた左手には指輪が嵌められている。その上に同じく老いた手が置かれる。薬指には同じように指輪が嵌められていた。
アルト様とどれがいいか話ながら買ったのが懐かしい思い出となり蘇る。
「……私、とても……幸せ、でした」
老いても白髪になっても美しいアルト様が私に微笑む。
「ああ、そうだね。オレも幸せだった」
強く手を握られる。
歳を取り、次の世代に騎士団を任せた後、私たちはアッシュフォード村に住み始めた。
アルト様から私と友が過ごした丘に住もうと言われ、空き家を立て直し住み始めた。
それももう懐かしく思えるほど、生きた。
窓から見える景色が少し霞んでくる。
「……アルト様、愛して、ます」
「ああ、オレも愛してる」
唇に変わらない優しい感触が伝わる。
「先に待っててくれ。もう少し、お前が見た景色を眺めてから行くから」
「はい」
「待つ、のは……とく、いだろ?」
「はい」
「ずっと、そばに、いるって……約束、したもんな」
「はい」
アルト様の雨が私に降り注ぐ。
私の人生は、色とりどりに咲き誇る花のように幸せで溢れていた。
end
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