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第7章 放課後のアクエリアス
第37話:放課後のアクエリアス・4
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芽愛が前に立って公園を進む。麗華はその背中を見ながら付いていく。
こうして歩いていてもスーツは全くズレず、シルエットが乱れない。きちんと採寸したハイエンドなオーダーメイドなのだろうと場違いな感心が頭に浮かんだ。
しかし表に出てきたはいいが、どうにも決闘という雰囲気ではない。
子供たちがあちこちで夏休み最終日を謳歌しているからだ。並んで走ったりボールを投げたり、漫然と戯れる牧歌的な声が響くばかり。お昼時になれば一度家に帰るかもしれないが、時刻はまだ十時くらいだ。
時計台から視線を戻したとき、見慣れない芽愛の姿を見て固まった五歳くらいの子供がボールを取り落とした。
実際、公園の中で芽愛はやたら目立っていた。ぴったり着こなしたスーツに派手なアクセサリーの美人はそれなりに異様なのだ。夜の街にいるべき人が昼の公園に紛れ込んでいるというか。
芽愛は目の前まで転がってきたボールを足の裏で止めた。そして爪先だけを素早く動かして蹴り返す。しかしそれは子供にボールを返すための親切なキックでは全くなかった。
ボールは弾丸のように打ち出され、子供のほんの数ミリ隣を通り過ぎた。柔らかい髪を何本か巻き込んで散らし、そのまま高い時計台のポールに直撃。細い柱が湾曲して前後に揺れる。あまりの衝撃で乱れた電子音声が呻くように漏れた。
何事かという公園中の視線が芽愛に集まる中、芽愛はボールを落とした子供に歩み寄り、低い声で吐き捨てた。
「邪魔だよ。殺すぞ」
不思議な声だった。交渉も反論も受け付けない恫喝の声。それは大きな声ではなかったが、この場にいる全員に耳元で囁かれたようにはっきりと聞こえた。
小さな子供は顔を引きつらせて逃げていった、ボールを取り落としたことなどすっかり忘れて。他の子供たちや周りの保護者たちも黙って一斉に公園から引いていく。注意できる相手ではない、とにかく関わるべきではない相手。
逃げる人々からの視線には麗華を心配するものがいくつか含まれていたが、気付かないフリをして軽く肩をすくめた。
「ずいぶん優しいんだね。わざわざ人払いして」
「これでも一応、人や施設を守るのが仕事ですから。魔法少女ではありませんので大人のやり方にはなりますが」
すぐに誰もいなくなった公園で芽愛が振り返った。麗華も足を止める。一応は距離を置いて歩いていたため、二十メートルくらいの間合いで対峙することになる。
「それでは、今日こそ町を荒らした罪を償ってもらいましょうか」
「やってみればいいよ。かかってきなさい」
麗華は一つ柏手を打った。その途端に公園がざわめく、比喩ではなく。
草が、木が、石が、空気が、明確な意志を伴って麗華に呼応しているのだ。いまやこの公園は自然の生命に満ちた魔法の領域だ。二人を取り囲む大量の視線が瞬きするのを感じる。
「さっきと状況は変わっていないどころか、更に悪くなっているんだぜ。綺羅が魔導ゴーレムを味方に付けていたのと同じように、この公園にいる魔法生物は揃って私の味方だ。つまり公園全てが君の敵だ」
芽愛の隣で木の肌がゆっくり蠢き、足元では花が声を上げて笑った。
気付けば、木々の表面には目と口のような裂け目が刻まれていた。そしてにょろりと伸びた高い枝の鼻が揺れる。立ち並ぶクヌギが魔力によって意志を得た木、魔法生物トレントだ。
公園中から芽愛に向かって枝が伸びる。生命が通った固い枝はしなやかで頑丈な縄となる。麗華の求めに応じ、魔法の国に仇成す敵を拘束しようと公園中の生物が一致団結していた。
「そちらこそ舐めていませんか? 本気になった魔の神の機を。そこらの一般魔法生物が何匹集まったところでどうにかできるわけないでしょう」
重ねた手を素早く捻り飛ばし、僅かな火花と共に赤黒い鋼鉄のコアが現れる。
コマのように飛び出したコアはそのまま激しく回転しながら宙を舞って赤い光の残像を描いた。立体的な光が赤黒い硬質な面として固着していく。鋼鉄の拳だけではない。赤い像は見る間に時計台より高い人型を成していく。
頭上には天輪、背中には六枚の翼。赤い光が血流となって全身で脈動する。
機械天使の機体、魔神機ゴッドドールが顕現した。
「完全な顕現を見るのは七年ぶりだ」
「姿を変えるのに使っていた魔力を全て戻した最大出力です。この際、公園の被害くらいは許容としましょうか。誰も住んでいませんし」
次の瞬間、立ち並ぶ木々が崩壊した。葉は塵に変わり、枝は爆発して砕け、幹はサイコロ状に寸断された。
その崩壊には段階というものがなかった。全ての樹木で同時に発生した現象であり、まるで途中が抜けたスライドショーのようにコマ送りされたとしか思えなかった。
それから遅れて、いま魔神機が園内を舞っているのだと理解する。魔法少女の目でも残像しか見えない超高速飛行、周囲にダメージを与えているのは飛行による衝撃なのか、それとも何か別途に攻撃手段を持っているのかすらわからない。
赤い姿を捉えようと次に瞬きしたとき、もう公園は更地になっていた。
形あるものは何も残らず、何かが燃えすらしていない。トレントも草花も全てが完全に均されたあと。地面には瓦礫が積もり、元の形がわからない塵やゴミだけが風に舞っていた。
これは戦いではなかった。文字通り瞬く間に公園そのものが消滅し、魔法生物の鏖殺は完了していた。
「驚いた。ゴッドドールってこんなに強かったっけ」
「七年前は手加減していましたよ、相手が小学生でしたから。でも今はもう要りませんよね?」
ゴッドドールの翼が再び揺れた。
今度こそ麗華を制圧するために飛び立ったはずだが、目視できるのはその場から姿が消えたことだけだ。更地になった公園中に赤い光が散る。人智を超えた兵器が本当の敵意と共に舞う。
「決戦に備えていたのは君だけじゃないよ。こんなに早く奥の手を切ることになるとは思っていなかったが」
麗華は指を鳴らした。直後に衝突音、そして舞う土煙。
今度は瞬く間ですらなかった。瞬かない間に戦闘は終わっていた。
地面に倒れ伏すゴッドドール。その背中に麗華が立ち、長い王笏が大きな翼に触れている。
芽愛は両手を捻るが、魔神機はもう反応しない。魔力の流れを示す赤い光も失われた。コアが停止している。
「魔法の世界には時の精霊なんかもいるんだぜ。概念系の精霊は超レアで、莫大な魔力を使っても一年につき半秒しか時を止められないけれども。しかしこれでゲームセットだ」
「ゲームセットなわけないでしょう。確かに前座にしては豪華でしたが」
「と言うと、魔神機以外に何か手が?」
「さっき言いましたよね。ここから先は夢のない大人の流儀で処理すると」
「現実問題、君に戦力は残っているのかという話をしているんだけどもね」
「はは、言うに事欠いて『戦力は残っているのか』とは。冗談にしては笑えませんね。私、普段は素手喧嘩で戦っているんですけど。もちろん魔法抜きで」
「ああ、そういうこと。だけど、それにしたって私の身体能力は魔法少女のままなんだぜ。生身で魔獣と戦う超常の存在を相手にして勝負になると思っているのかな。ねえ、一般人さん」
「よくいるんですよね、戦って勝つ自信がないから腕自慢の御託を並べて相手を下ろそうとする人。そんなに怖いならハンデで長物くらいは使って構いませんよ、こちらはプロですから。ねえ、素人さん」
こうして歩いていてもスーツは全くズレず、シルエットが乱れない。きちんと採寸したハイエンドなオーダーメイドなのだろうと場違いな感心が頭に浮かんだ。
しかし表に出てきたはいいが、どうにも決闘という雰囲気ではない。
子供たちがあちこちで夏休み最終日を謳歌しているからだ。並んで走ったりボールを投げたり、漫然と戯れる牧歌的な声が響くばかり。お昼時になれば一度家に帰るかもしれないが、時刻はまだ十時くらいだ。
時計台から視線を戻したとき、見慣れない芽愛の姿を見て固まった五歳くらいの子供がボールを取り落とした。
実際、公園の中で芽愛はやたら目立っていた。ぴったり着こなしたスーツに派手なアクセサリーの美人はそれなりに異様なのだ。夜の街にいるべき人が昼の公園に紛れ込んでいるというか。
芽愛は目の前まで転がってきたボールを足の裏で止めた。そして爪先だけを素早く動かして蹴り返す。しかしそれは子供にボールを返すための親切なキックでは全くなかった。
ボールは弾丸のように打ち出され、子供のほんの数ミリ隣を通り過ぎた。柔らかい髪を何本か巻き込んで散らし、そのまま高い時計台のポールに直撃。細い柱が湾曲して前後に揺れる。あまりの衝撃で乱れた電子音声が呻くように漏れた。
何事かという公園中の視線が芽愛に集まる中、芽愛はボールを落とした子供に歩み寄り、低い声で吐き捨てた。
「邪魔だよ。殺すぞ」
不思議な声だった。交渉も反論も受け付けない恫喝の声。それは大きな声ではなかったが、この場にいる全員に耳元で囁かれたようにはっきりと聞こえた。
小さな子供は顔を引きつらせて逃げていった、ボールを取り落としたことなどすっかり忘れて。他の子供たちや周りの保護者たちも黙って一斉に公園から引いていく。注意できる相手ではない、とにかく関わるべきではない相手。
逃げる人々からの視線には麗華を心配するものがいくつか含まれていたが、気付かないフリをして軽く肩をすくめた。
「ずいぶん優しいんだね。わざわざ人払いして」
「これでも一応、人や施設を守るのが仕事ですから。魔法少女ではありませんので大人のやり方にはなりますが」
すぐに誰もいなくなった公園で芽愛が振り返った。麗華も足を止める。一応は距離を置いて歩いていたため、二十メートルくらいの間合いで対峙することになる。
「それでは、今日こそ町を荒らした罪を償ってもらいましょうか」
「やってみればいいよ。かかってきなさい」
麗華は一つ柏手を打った。その途端に公園がざわめく、比喩ではなく。
草が、木が、石が、空気が、明確な意志を伴って麗華に呼応しているのだ。いまやこの公園は自然の生命に満ちた魔法の領域だ。二人を取り囲む大量の視線が瞬きするのを感じる。
「さっきと状況は変わっていないどころか、更に悪くなっているんだぜ。綺羅が魔導ゴーレムを味方に付けていたのと同じように、この公園にいる魔法生物は揃って私の味方だ。つまり公園全てが君の敵だ」
芽愛の隣で木の肌がゆっくり蠢き、足元では花が声を上げて笑った。
気付けば、木々の表面には目と口のような裂け目が刻まれていた。そしてにょろりと伸びた高い枝の鼻が揺れる。立ち並ぶクヌギが魔力によって意志を得た木、魔法生物トレントだ。
公園中から芽愛に向かって枝が伸びる。生命が通った固い枝はしなやかで頑丈な縄となる。麗華の求めに応じ、魔法の国に仇成す敵を拘束しようと公園中の生物が一致団結していた。
「そちらこそ舐めていませんか? 本気になった魔の神の機を。そこらの一般魔法生物が何匹集まったところでどうにかできるわけないでしょう」
重ねた手を素早く捻り飛ばし、僅かな火花と共に赤黒い鋼鉄のコアが現れる。
コマのように飛び出したコアはそのまま激しく回転しながら宙を舞って赤い光の残像を描いた。立体的な光が赤黒い硬質な面として固着していく。鋼鉄の拳だけではない。赤い像は見る間に時計台より高い人型を成していく。
頭上には天輪、背中には六枚の翼。赤い光が血流となって全身で脈動する。
機械天使の機体、魔神機ゴッドドールが顕現した。
「完全な顕現を見るのは七年ぶりだ」
「姿を変えるのに使っていた魔力を全て戻した最大出力です。この際、公園の被害くらいは許容としましょうか。誰も住んでいませんし」
次の瞬間、立ち並ぶ木々が崩壊した。葉は塵に変わり、枝は爆発して砕け、幹はサイコロ状に寸断された。
その崩壊には段階というものがなかった。全ての樹木で同時に発生した現象であり、まるで途中が抜けたスライドショーのようにコマ送りされたとしか思えなかった。
それから遅れて、いま魔神機が園内を舞っているのだと理解する。魔法少女の目でも残像しか見えない超高速飛行、周囲にダメージを与えているのは飛行による衝撃なのか、それとも何か別途に攻撃手段を持っているのかすらわからない。
赤い姿を捉えようと次に瞬きしたとき、もう公園は更地になっていた。
形あるものは何も残らず、何かが燃えすらしていない。トレントも草花も全てが完全に均されたあと。地面には瓦礫が積もり、元の形がわからない塵やゴミだけが風に舞っていた。
これは戦いではなかった。文字通り瞬く間に公園そのものが消滅し、魔法生物の鏖殺は完了していた。
「驚いた。ゴッドドールってこんなに強かったっけ」
「七年前は手加減していましたよ、相手が小学生でしたから。でも今はもう要りませんよね?」
ゴッドドールの翼が再び揺れた。
今度こそ麗華を制圧するために飛び立ったはずだが、目視できるのはその場から姿が消えたことだけだ。更地になった公園中に赤い光が散る。人智を超えた兵器が本当の敵意と共に舞う。
「決戦に備えていたのは君だけじゃないよ。こんなに早く奥の手を切ることになるとは思っていなかったが」
麗華は指を鳴らした。直後に衝突音、そして舞う土煙。
今度は瞬く間ですらなかった。瞬かない間に戦闘は終わっていた。
地面に倒れ伏すゴッドドール。その背中に麗華が立ち、長い王笏が大きな翼に触れている。
芽愛は両手を捻るが、魔神機はもう反応しない。魔力の流れを示す赤い光も失われた。コアが停止している。
「魔法の世界には時の精霊なんかもいるんだぜ。概念系の精霊は超レアで、莫大な魔力を使っても一年につき半秒しか時を止められないけれども。しかしこれでゲームセットだ」
「ゲームセットなわけないでしょう。確かに前座にしては豪華でしたが」
「と言うと、魔神機以外に何か手が?」
「さっき言いましたよね。ここから先は夢のない大人の流儀で処理すると」
「現実問題、君に戦力は残っているのかという話をしているんだけどもね」
「はは、言うに事欠いて『戦力は残っているのか』とは。冗談にしては笑えませんね。私、普段は素手喧嘩で戦っているんですけど。もちろん魔法抜きで」
「ああ、そういうこと。だけど、それにしたって私の身体能力は魔法少女のままなんだぜ。生身で魔獣と戦う超常の存在を相手にして勝負になると思っているのかな。ねえ、一般人さん」
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