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第1章 錆びた魔剣
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さすがに剝き出しのままではあまりに物騒なので、古いシーツを刃に巻き付け、ティナが背に担いだ。剣は彼女自身の身長よりも長く、見るからに重そうだが、彼女はひらりと馬に跨った。
「どんな魔法かわからぬが、ティナを介すると重さがなくなるのか?」とウィルフレッドが不思議がる。馬が重そうな素振りを見せないからだ。
「ますますもって、怪しげだなあ」とカイル。
辺りは日が傾き始めている。彼らは城門が閉まる刻限までに帰り着くように、馬の足を速めた。馬を走らせるティナの耳に、先ほど聞いた剣の呻りのような音がかすかに響いていた。それはまるで歌うかのようで、耳を澄ませば歌詞まで聞き取れるのではあるまいかとも思わせた。
この剣が謡う歌は一体、どんな意味を持っているのだろうか?
やがて目前に城門が見えてきた。もうじき閉門とあって、数組の商団らしき大所帯や旅人たちが並んでいるようだ。彼らはその列の最後尾に並び、衛兵が検めるのを待つことにした。
「これ、検問通るかな……?」とティナが背に担いだ剣を見て言った。
「お前ひとりならどうだかわからんが、儂がいれば多分大丈夫だ。ボスコークの形見と言えばよかろう」
ウィルフレッドの言葉にティナは頷いた。
「なるほど! お願いしますね、先生!」
やがて彼らの順番がやってきた。門番の兵士たちはウィルフレッドと顔見知りらしく、丁寧に挨拶をしている。さすがに引退したとはいえかつての騎士団長、その人望は厚い。
「こ、これは……!」と兵士がティナの背に背負われた巨大な剣を見て息を吞んだ。
「おお、これが名匠ボスコークの形見か!」との言葉を聞きつけて、後ろに並んだ冒険者らしき者たちも目を輝かせた。
「すごいな、ちょっと見せてくれよ」
無骨な体躯の冒険者が興味深そうに見ている。ティナはちらりといたずらな笑みを見せた。
「いいよ! 馬から降りるからちょっと待ってね」
彼女はひらりと身をひるがえすように馬を降り、背から剣を下ろした。
「へえ、すげぇな! この大きさでお嬢ちゃんみたいな子供が扱えるなんて! 魔力で軽くしているのか? どんな魔法だろう?」
冒険者はティナの手から剣を取ろうとした、が……
「え? 動かない?」
「ほらほら、おじさん、どうしたの? 持ち上げて見せてよ!」
「むむ、ぐぐぐ…… だ、ダメだぁ!」
ウィルフレッドは苦笑した。
「おいおい、いたずらはそのくらいにしておけ」
背後に控えていたカイルがその様子を見て言った。
「……やっぱり、魔法の剣なんだな? ティナ以外には扱えないのか……」
「そうみたいだね」とティナは応じながら馬に跨った。
「こいつはすごいものを見せてもらったな」と門番は冒険者を見やった。
「まったくだ! ボスコークの名は聞いたことがあったが、すごい鍛冶師だったんだな……」
「弟子のドーハンもよろしくね!」とティナがにこやかに言った。
ティナたちは城門をくぐり抜け、街の中に入った。
「じゃあ、俺はこれで。剣のことは気になりますが、明日は騎士団の仕事があるので、夕方にお邪魔しますよ、師匠」とカイルが馬を進めながら言った。
「ああ、儂らは何か情報がないか、人にあたってみる」とウィルフレッドは応じた。
「じゃあね、カイル」とティナが軽く手を振り、彼らは馬を別の方向へと向けた。
「どんな魔法かわからぬが、ティナを介すると重さがなくなるのか?」とウィルフレッドが不思議がる。馬が重そうな素振りを見せないからだ。
「ますますもって、怪しげだなあ」とカイル。
辺りは日が傾き始めている。彼らは城門が閉まる刻限までに帰り着くように、馬の足を速めた。馬を走らせるティナの耳に、先ほど聞いた剣の呻りのような音がかすかに響いていた。それはまるで歌うかのようで、耳を澄ませば歌詞まで聞き取れるのではあるまいかとも思わせた。
この剣が謡う歌は一体、どんな意味を持っているのだろうか?
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「お前ひとりならどうだかわからんが、儂がいれば多分大丈夫だ。ボスコークの形見と言えばよかろう」
ウィルフレッドの言葉にティナは頷いた。
「なるほど! お願いしますね、先生!」
やがて彼らの順番がやってきた。門番の兵士たちはウィルフレッドと顔見知りらしく、丁寧に挨拶をしている。さすがに引退したとはいえかつての騎士団長、その人望は厚い。
「こ、これは……!」と兵士がティナの背に背負われた巨大な剣を見て息を吞んだ。
「おお、これが名匠ボスコークの形見か!」との言葉を聞きつけて、後ろに並んだ冒険者らしき者たちも目を輝かせた。
「すごいな、ちょっと見せてくれよ」
無骨な体躯の冒険者が興味深そうに見ている。ティナはちらりといたずらな笑みを見せた。
「いいよ! 馬から降りるからちょっと待ってね」
彼女はひらりと身をひるがえすように馬を降り、背から剣を下ろした。
「へえ、すげぇな! この大きさでお嬢ちゃんみたいな子供が扱えるなんて! 魔力で軽くしているのか? どんな魔法だろう?」
冒険者はティナの手から剣を取ろうとした、が……
「え? 動かない?」
「ほらほら、おじさん、どうしたの? 持ち上げて見せてよ!」
「むむ、ぐぐぐ…… だ、ダメだぁ!」
ウィルフレッドは苦笑した。
「おいおい、いたずらはそのくらいにしておけ」
背後に控えていたカイルがその様子を見て言った。
「……やっぱり、魔法の剣なんだな? ティナ以外には扱えないのか……」
「そうみたいだね」とティナは応じながら馬に跨った。
「こいつはすごいものを見せてもらったな」と門番は冒険者を見やった。
「まったくだ! ボスコークの名は聞いたことがあったが、すごい鍛冶師だったんだな……」
「弟子のドーハンもよろしくね!」とティナがにこやかに言った。
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「じゃあ、俺はこれで。剣のことは気になりますが、明日は騎士団の仕事があるので、夕方にお邪魔しますよ、師匠」とカイルが馬を進めながら言った。
「ああ、儂らは何か情報がないか、人にあたってみる」とウィルフレッドは応じた。
「じゃあね、カイル」とティナが軽く手を振り、彼らは馬を別の方向へと向けた。
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