不運が招く人間兵器の異世界生活

紫苑

文字の大きさ
104 / 247
第二章

50.ナンパ

翌日、レインを伴って、焔を訪れた。
転移用魔法石のおかげで一瞬だった。
焔と帝都を結ぶルートは、王族が許可すれば誰でも通ることが出来るようになっており、物資など容易に運ぶことが出来る。
ただ、これは通常の魔法石とは異なるため、かなり、否、まじで超高価な宝石だそうだ。
例えば、ジオルド殿下の個人資産を全て擲ってでも購入できないほどの代物なのだそうだ。
こわっ!!

畑に行くと、日本の調味料の原料としては欠かせない「大豆」がすでに収穫できるとのことで、俺も手伝うことに。
レインは収穫より、味噌や醤油にするための下処理の方に興味を持ち、女性たちの手伝いをしている。
「おっ!ユーステス!」
「スイ団長!!こちらに戻られたのですか?」
「ああ、処刑までは手伝うよ。で、お前は何してんだ?」
「はいっ!稲の様子を見に行こうとしていたんですよ!」
「稲っ!!もう水田ができたのか!?」
「はいっ!!第一騎士団は『農業』に適した加護を持つ者が多いようで」
ユーステスの目線が彼の背後を向く。
俺もそちらに目をやると、今、田植えを行っている最中だったのだ。
「俺もする!!したことないんだよ、俺!!」
「は?団長がですか!?」
「おうっ!!!」
こちらに来たのは団長という地位ではなく、『休日を有効に使う暇人』としてで、簡易で動きやすく、汚れてもよい服を着ていたので、袖や裾を捲り、水田に飛び込む。
「団長っ!!」
ユーステスが慌てているが、そんなことどうでもいい!
よく見ると、焔の女性の他に、ナルミア様の女性騎士が混じっている。
その女性たちの加護は、
「うん、君たち田植えを手伝うことで精霊が大変『喜んでいるよ』。君たちの力も第一騎士団と同じ自然に適した能力なのかもしれないね」
騎士たちは慌てて俺に敬礼を取るが、それを止めさせ、彼女たちが植えた稲の様子を見る。
「うん、君は貴重な『加護』だね。『緑を癒す』能力だ。この稲は「くた~~」ってなってなかったかい?君が優しく触ることで元気を取り戻したんだ」
その稲を俺が触ると、精霊たちが『も~~~触っちゃ駄目!』と怒られてしまったくらい元気になっているのだ。
「そこの君はユーステスの『活性』を『穏やかに循環させる』特殊加護だね。君たち二人は支援系だ。この田植えで加護の力は強まるようだよ」
「「はっ!!!ありがとうございます!!」」
という風に声を掛けてあげていると、他の騎士からも意見を求められ、改善点を伝えていった。だがっ!素晴らしいことに、ナルミア王女の騎士たちには、まじで余り改善点が見受けられなかった。何故か?と考えてみたら、『バーミリア』『ホルシオ』、そして『焔』の孤児の世話をしているからだということが、わかったのだ。
気にせず、自然に加護を使用して子供たちを癒していたのだ、彼女たちは。
全く女性には頭が上がらない。
俺では到底出来ないことを、自然にやってのける彼女たちを心から尊敬をする。
それを素直に伝えると、何故か
「今度、お食事行きましょう!」
とか、
「食堂でご一緒しても良いですか?」
とか。
お誘いの言葉を沢山戴きました。
もちろん俺は『男』ですから、満面の笑みで了承致しました!

殿下たち『男の俺』も愛してくださいね!
感想 6

あなたにおすすめの小説

処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる

猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。 しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。 当然そんな未来は回避したい。 原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。 さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……? 平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。 ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)

腐男子♥異世界転生

よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。 目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。 トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

52歳のおっさん、異世界転移したら下水道に捨てられた――下水の汚物は宝の山だった

よっしぃ
ファンタジー
【祝!3/22~25 ホットランキング第1位獲得!】 皆様の熱い応援、本当にありがとうございます! ファンタジー部門6位獲得しました!感謝です! 【書籍化作家の本気作。まず1話、読んでください】 電車でマナー違反を注意したら、逆ギレされて殴られた。 気がついたら異世界召喚。 だが能力鑑定は「なし」。魔力適性も「なし」。 52歳のおっさんに、異世界は容赦ない。 結論――王都の地下下水道に「廃棄」。 玄湊康太郎。職業、設備管理。趣味、健康管理。 血管年齢は実年齢マイナス20歳。 そんな自慢も、汚物まみれの下水道じゃ何の役にも立たない。 だが、転んだ拍子に起きた「偶然の浄化」が、すべてを変えた。 下水には、地上の連中が気づかない「資源」が眠っている。 捨てられた魔道具。 長年魔素を吸い続けた高純度魔石。 そして、同じく捨てられた元聖女、セシリア。 チート能力なし。異能なし。魔法も使えない。 あるのは、52年分の知識と経験、そして設備屋としてのプロ意識だけ。 汚物を「資源」に変え、捨てられた者たちと共に成り上がる。 スラムから始まる、おっさんの本気の逆転劇。 この作品には、現代の「病気」と「健康」に対する、作者の本気のメッセージが込められています。 魔力は毒である。代謝こそが命である。 軽い気持ちで読み飛ばせる作品ではありません。 でも、だからこそ――まず1話、読んでください。 【最新情報&著者プロフィール】 代表作『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』(オリコンライトノベル部門18位記録)の著者が贈る最新作! ◆ 2月に待望の【第2巻】刊行! ◆ 現在、怒涛の展開となる【第3巻】を鋭意執筆中! ◆ 【コミカライズ企画進行中】! すでにキャラデザが完成し、3巻発売と同時に連載スタート予定です。絶対的な勢いで駆け上がる本作に、ぜひご期待ください!

おひめさまな俺、帝王に溺愛される

  *  ゆるゆ
BL
帝王陛下に捧げられることになった小国の王族レイには、大変な問題が──! ……男です。

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

最弱白魔導士(♂)ですが最強魔王の奥様になりました。

はやしかわともえ
BL
のんびり書いていきます。 2023.04.03 閲覧、お気に入り、栞、ありがとうございます。m(_ _)m お待たせしています。 お待ちくださると幸いです。 2023.04.15 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m 更新頻度が遅く、申し訳ないです。 今月中には完結できたらと思っています。 2023.04.17 完結しました。 閲覧、栞、お気に入りありがとうございます! すずり様にてこの物語の短編を0円配信しています。よろしければご覧下さい。