105 / 214
第二章
51 必要じゃない
しおりを挟む
焔の様子は頗る良くなってきている。俺の手助けは何一つ必要としないほどに。
逆に俺がいることで民が遠慮し、作業の手を止めてしまうほどだ。
邪魔にしかならない俺は、
「レイン、戻るか?」
「えっ?私はもう少しお手伝いしたいのですが?」
「・・・・・・・・じゃ、俺は忍びの訓練に参加してくるから、夕刻には戻るぞ」
「はい、承知しました」
忍びの訓練もマジで俺が必要とされておりませんでした。
この地を護る5人に訓練方法を伝授したのだが、それを完璧に実践していたため、俺の出る幕は、
なしっ!!!
トボトボと元来た道を戻っていると、子供たちの楽しげな声が聞こえてくる。
もう『瘴気』の餌となる恐怖から解放され、安堵したのだろう。子供たちの近くに親が控え、優しい目を向けている。
しかし、手にはやはり仕事を持っており、忙しげにしているではないか。
身体も痩せこけ、必死に今を生きているのに、俺はすることがない。
そんな親たちも俺と目が合うと、手を止めてまで俺にお辞儀をするので本当に居たたまれない。
軽く彼女たちに手を振り、その場を後にする。
宮殿に戻って、俺はすぐに自室の風呂に入った。
今日一日俺はすることがなくて、正直疲れはない。
このまま布団に入っても良いのだが、寝られないだろう。
ならばっ!
「我を支えし神々よ、我の声が聞こえたならば門を開き、顕現されよ」
印を組んだ手から、特大吉相体印が出現し、そこから4体の神獣様が顕現された。
『どうした、スイ?腹でも痛いのか?』
「なんでやねん・・・・・」
『寝られないのか?一緒に寝てやろうか?』
「寝られないのは当たっているけど・・・・・」
『あ~あやつらがいなくて身体が疼いているのか!』
「・・・・・・・・・」
どがっ!!!
『ぐあっ!スイ!!!』
『・・・・・・・・・・野菜食べたい』
「ちょっと待ってて玄武。第一騎士団からもらってくる」
『で、何の用だ?』
腹をさすりながら白虎が問う。
腹をさすっているのは、俺が鳩尾に拳を先ほど叩き込んだからなのだが。
「身体が鈍って仕方がないんだ。こっちに来てまともに相手になる人たちがいなくて、自分の力が弱まっていることはわかっているんだ」
『あ~~~、そうだな。護るだけじゃなくて護ってくれる奴もできたしな』
『弱くなって当然だな』
「・・・・・・・・・そうなんだけど。ということで、手合わせお願いします」
『『『『・・・・・・・・・・』』』』
何故そこで一様に押し黙る?
『スイ、あやつらに『心配させるな』と釘を刺されていただろう?』
「そうだけど・・・・・・・このままの状態じゃ俺、かなり弱くなって『最強』じゃなくなってしまう」
『それは困るな・・・・・・。私たちが支えるお前が『最強』でないと、我々の品格落ちてしまうな』
「だろっ!!!結界張るから付き合ってよ」
『あい、わかった。何よりお前の頼みだ』
「ありがと!!」
逆に俺がいることで民が遠慮し、作業の手を止めてしまうほどだ。
邪魔にしかならない俺は、
「レイン、戻るか?」
「えっ?私はもう少しお手伝いしたいのですが?」
「・・・・・・・・じゃ、俺は忍びの訓練に参加してくるから、夕刻には戻るぞ」
「はい、承知しました」
忍びの訓練もマジで俺が必要とされておりませんでした。
この地を護る5人に訓練方法を伝授したのだが、それを完璧に実践していたため、俺の出る幕は、
なしっ!!!
トボトボと元来た道を戻っていると、子供たちの楽しげな声が聞こえてくる。
もう『瘴気』の餌となる恐怖から解放され、安堵したのだろう。子供たちの近くに親が控え、優しい目を向けている。
しかし、手にはやはり仕事を持っており、忙しげにしているではないか。
身体も痩せこけ、必死に今を生きているのに、俺はすることがない。
そんな親たちも俺と目が合うと、手を止めてまで俺にお辞儀をするので本当に居たたまれない。
軽く彼女たちに手を振り、その場を後にする。
宮殿に戻って、俺はすぐに自室の風呂に入った。
今日一日俺はすることがなくて、正直疲れはない。
このまま布団に入っても良いのだが、寝られないだろう。
ならばっ!
「我を支えし神々よ、我の声が聞こえたならば門を開き、顕現されよ」
印を組んだ手から、特大吉相体印が出現し、そこから4体の神獣様が顕現された。
『どうした、スイ?腹でも痛いのか?』
「なんでやねん・・・・・」
『寝られないのか?一緒に寝てやろうか?』
「寝られないのは当たっているけど・・・・・」
『あ~あやつらがいなくて身体が疼いているのか!』
「・・・・・・・・・」
どがっ!!!
『ぐあっ!スイ!!!』
『・・・・・・・・・・野菜食べたい』
「ちょっと待ってて玄武。第一騎士団からもらってくる」
『で、何の用だ?』
腹をさすりながら白虎が問う。
腹をさすっているのは、俺が鳩尾に拳を先ほど叩き込んだからなのだが。
「身体が鈍って仕方がないんだ。こっちに来てまともに相手になる人たちがいなくて、自分の力が弱まっていることはわかっているんだ」
『あ~~~、そうだな。護るだけじゃなくて護ってくれる奴もできたしな』
『弱くなって当然だな』
「・・・・・・・・・そうなんだけど。ということで、手合わせお願いします」
『『『『・・・・・・・・・・』』』』
何故そこで一様に押し黙る?
『スイ、あやつらに『心配させるな』と釘を刺されていただろう?』
「そうだけど・・・・・・・このままの状態じゃ俺、かなり弱くなって『最強』じゃなくなってしまう」
『それは困るな・・・・・・。私たちが支えるお前が『最強』でないと、我々の品格落ちてしまうな』
「だろっ!!!結界張るから付き合ってよ」
『あい、わかった。何よりお前の頼みだ』
「ありがと!!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
204
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる