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第三章

17 ヤル気

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「それにしてもすごい発言だったな、翠蓮」
「うっさいわ!」
「抱かれる側に甘んじているなんてな」
「黙れ・・・」
「ああんっ!翠蓮様の痴態、拝みたいわ~~~ん」
「キモイ、菖蒲。つか、『様』をつけんな」
俺たちは屈伸運動をしながら、先ほどの会話の『続き』をしている。
屈伸運動しながらだ。
つまり、激しい運動をこれから行うということだ。
「あ、翠蓮、桃季の店予約してあるから」
「さすがリン!仕事が早いな」
「翠蓮の名前で予約したら、すごく怒っていたぞ、桃季」
「・・・・・・・行ってからも怒られる俺の未来が簡単に想像できるって悲しいな」
「そのときは、慰めてやらなくもない。翠蓮の奢りならな」
「・・・・・・・ええ、俺が支払いますとも」
「「「よっしゃーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」」」
大きな奇声を上げて、今以上に気合いを入れて準備運動をしている。
どうしてそんなに喜ぶのか。
教えてあげよう!
こいつら「ウワバミ」なのだ!!!
人の金でタダ酒は本当に美味いもんだ。
そして、『食』についても遠慮なく贅沢品を頼みやがる!
だが、今回は俺が全面的に支払うのは当然だ。
3人にはフィルハートの連中を強くするため、手伝って貰うのだから。
「では、菖蒲、レイフォードを頼む。竜胆と葵はレインを。あいつ結構強いぞ?筋肉の付き方が俺に似てきた分、跳躍力や瞬発力が飛躍している。お前たちは力を30%まで出して付き合ってやってくれ。くれぐれも本気は出すなよ?お前らが本気を出すとその先は『死』しかないからな」
「翠蓮にだけは言われたくねーよ」
「まじ、それな!お前もあの4人を相手にすんだろ?手加減してやれよ?」
「当たり前だ。5%も出さずに相手をする。その後はお前たちと80%の力でまとめて相手してやる」
「「「上等だっっ!!!」」」
俺たちがこちらで盛り上がっている間、フィルハート勢は、

「随分舐められたものですね」
「ああ、腹が立つな」
「しかし、事実ではある」
「本気出されたら『死』あるのみ」
「遺体も残らないかもしれないですね」
「怖い事を言うな、レイ」
彼らは重い腰を上げ、そして、

「「「「「「絶対に後悔させてやるっ!!!!!!」」」」」」

と、気合いと意気込みだけは充分でした。
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