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第三章
53 キレる!!
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「シャキッとしろよっ!みっともない!!!」
「「っ!!!!!!!!!!!」」
この場にいた全員が、否、フィルハートの者たちだけが目を丸く見開き、呆然となる。
「鬱陶しいんだよっ!後悔ばっかりしてんじぇねーーーよっ!これから前を向けば良いだろうがっ!!!つか、俺の『言葉』を真に受けんな!テメーらの考えだって、伝統だってあったんだろうが!!!それを覆すなんざ、簡単にできるもんじゃねんだよっ!」
「ま、ま~~翠蓮落ち着いて」
「チッ!」
俺は大きく舌打ちをすると、だんまりを決め込んだ。
「あらら、翠蓮がここまでふて腐れるなんて、久しぶりね~~~」
「うるせーよ」
「はいはい。ま、翠蓮の言い分は最もなことよ?あんた達ちょっと自分たちの行動に酔ってないかしら?」
「どういう・・・・・・・・・」
ジオルドが本当に何を言われているのか理解出来ていないようで。
桃季が「あ~~~これは翠蓮が怒っても仕方ねーな」とめっちゃ納得してやがる。
「桃季は黙ってなさい、全く。あんたが、いや翠蓮とあんたが口を開けば『いらないことばかり』言うんだから」
「俺もかよっ!つか、桃季巻き込むんじゃねーよ!」
「うっせーーーわ!!じゃ、テメーが姉さんの手を煩わせず、自力で解決してみせろ!」
「おおうっ!表に出ろ、桃季!良い度胸じゃねーかっ!」
「ああ!?良いぜ??後悔すんじゃねーぞ!」
俺たちは立ち上がって、扉に向かおうとしたところを葵に思いっきり拳骨を落とされた。
「「っ!?@△□?☆」」
「まじで、お前ら五月蠅い。そこで大人しく正座していろ」
本気で怒っている葵には反論できないのが『弟組』の俺たち。
仕方なく、大人しく正座しながら酒を呷る。
「・・・・・・・・酒は手放さないのが、さすがだな・・・・・・・」
「飲まなきゃ、怒りでどうにかなりそうだ」
「は~~~。ま、大人しくしていればいい」
葵はなんとも言えない表情で、俺たちから離れた。
「ま、あの二人は放っておいて構わないわ。ただね、翠蓮が怒る気持ち私わかるのよ?」
「ああ、俺も竜胆も、な。俺たちがわかるのに当事者たちが理解していなかったら腹立つわな」
菖蒲は大きく溜息を、葵は大きく頷き、竜胆は冷たい視線を向けるだけ。
その意味が本当にわからないようなので、
「貴方たちは頑張ってきたんでしょ?昔からの慣習に捕らわれても、自国を豊かに住みやすいように改善しようと。国民を第一に考えて行動をしてきたのでしょう?」
「あ、ああ、それは間違いない。我らがあるのは民のおかげだからな」
「ええ、それでいいんじゃない?今、貴方たちの前に私たちがいるから心に『余裕』ができた。だから、違う事に目を向けられるようになった。違う?」
「あ・・・・・・・・」
「余裕、なかったのか、俺たちは・・・・・・・・」
気付いてなかったのか、本当に。
「『瘴気』の対策が第三・第四騎士団の任務だとしても、飢餓や天災に頭を悩まさない日々はなかっただろう?考えてだろう、対策を、皆で」
「俺たちの世界で俺は『国民』でしかないから飢餓や天災に意識を取られることはなかったけど、お前たちは違う。国を担う王族なんだ。意識を多方面に向けることは容易ではないだろう?」
「『目』を他の方向に向けることが出来たのは「俺たち」という『人間兵器』がいたからだ。俺たちだから解決できると信じてくれたから、他に目を向けられた」
「「っ!!!」」
「それって悪いことかしら?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
誰だって何でもかんでも自分一人でできるわけではないのだ。
自分のことだけで手一杯で、それが普通で当たり前の人間社会において他人を慮った行動を起こせる人間なんて『余裕がある』人間でしかないと俺は思う。
はたまた、否定するわけでは決してないが、漫画やアニメで出てくる最強と呼ばれる『勇者』ならば出来るだろう。
『聖女』と呼ばれる者ならば出来るのだろう。
『α』と位置づけられた絶対的強者ならば可能であろう。
ただ、俺たちは等しく『ただ』の人間だ。
『人間兵器』と呼ばれる俺たちにだってできないことは山ほどあるし、嫌いな物だってある。
だから助け合うのだ、人は。動物は!
だから、
「謝る必要なんて無いだろう?」
「あ・・・・・・・・」
「そうなのか・・・・・・・・・」
漸く俺が憤ったことを理解したようだ。
だから、
「ありがとう、スイレン。君が、この世界に間違って召喚されたことで私たちは助けられた」
「ありがとう、スイレン。君が成した功績は俺たちを『現実に導く』ことだな」
「はっ!嗤わせるなよ?元々持っていたお前らの力を俺が引き出してやっているだけだ。まだまだ俺たちの足下にも及ばない!気を抜くなよ?緩めるなよ?自分の目を、意識をもっともっと拡げろ。もっと自分を高見に追い込め!それがお前たちにはできるんだから」
「ええ、私も保証するわ。貴方たちは一人では為しえないけれど、皆で力を合わせたら私たち誰か一人くらい倒せるんじゃないかしら?」
「「「「おいっ!菖蒲!!!!」」」」
「あんら~~~私だってちょっと不満なのよ?あんた達ばかり手合わせして!私だって、この子たち、いえ、こいつらをちょっと伸してみてんだけど???」
「「「「っ!!!!」」」」
菖蒲の口調が変わった。これはかなりキレている証拠。
この時は反論せず、
「「「「どうぞ、どうぞ!!!!」」」」
というのが、正解だ。
「殿下たち、ちょっと菖蒲のストレスの発散につきあってやってくれ!ま、俺たちもお前らの現在の力量を測れるしな~~~」
「「「「「「「「「えええええええええええええええええええええええ」」」」」」」」」
で、物の見事に、10分も持たず全員菖蒲に伸されてましたとさ。
「「っ!!!!!!!!!!!」」
この場にいた全員が、否、フィルハートの者たちだけが目を丸く見開き、呆然となる。
「鬱陶しいんだよっ!後悔ばっかりしてんじぇねーーーよっ!これから前を向けば良いだろうがっ!!!つか、俺の『言葉』を真に受けんな!テメーらの考えだって、伝統だってあったんだろうが!!!それを覆すなんざ、簡単にできるもんじゃねんだよっ!」
「ま、ま~~翠蓮落ち着いて」
「チッ!」
俺は大きく舌打ちをすると、だんまりを決め込んだ。
「あらら、翠蓮がここまでふて腐れるなんて、久しぶりね~~~」
「うるせーよ」
「はいはい。ま、翠蓮の言い分は最もなことよ?あんた達ちょっと自分たちの行動に酔ってないかしら?」
「どういう・・・・・・・・・」
ジオルドが本当に何を言われているのか理解出来ていないようで。
桃季が「あ~~~これは翠蓮が怒っても仕方ねーな」とめっちゃ納得してやがる。
「桃季は黙ってなさい、全く。あんたが、いや翠蓮とあんたが口を開けば『いらないことばかり』言うんだから」
「俺もかよっ!つか、桃季巻き込むんじゃねーよ!」
「うっせーーーわ!!じゃ、テメーが姉さんの手を煩わせず、自力で解決してみせろ!」
「おおうっ!表に出ろ、桃季!良い度胸じゃねーかっ!」
「ああ!?良いぜ??後悔すんじゃねーぞ!」
俺たちは立ち上がって、扉に向かおうとしたところを葵に思いっきり拳骨を落とされた。
「「っ!?@△□?☆」」
「まじで、お前ら五月蠅い。そこで大人しく正座していろ」
本気で怒っている葵には反論できないのが『弟組』の俺たち。
仕方なく、大人しく正座しながら酒を呷る。
「・・・・・・・・酒は手放さないのが、さすがだな・・・・・・・」
「飲まなきゃ、怒りでどうにかなりそうだ」
「は~~~。ま、大人しくしていればいい」
葵はなんとも言えない表情で、俺たちから離れた。
「ま、あの二人は放っておいて構わないわ。ただね、翠蓮が怒る気持ち私わかるのよ?」
「ああ、俺も竜胆も、な。俺たちがわかるのに当事者たちが理解していなかったら腹立つわな」
菖蒲は大きく溜息を、葵は大きく頷き、竜胆は冷たい視線を向けるだけ。
その意味が本当にわからないようなので、
「貴方たちは頑張ってきたんでしょ?昔からの慣習に捕らわれても、自国を豊かに住みやすいように改善しようと。国民を第一に考えて行動をしてきたのでしょう?」
「あ、ああ、それは間違いない。我らがあるのは民のおかげだからな」
「ええ、それでいいんじゃない?今、貴方たちの前に私たちがいるから心に『余裕』ができた。だから、違う事に目を向けられるようになった。違う?」
「あ・・・・・・・・」
「余裕、なかったのか、俺たちは・・・・・・・・」
気付いてなかったのか、本当に。
「『瘴気』の対策が第三・第四騎士団の任務だとしても、飢餓や天災に頭を悩まさない日々はなかっただろう?考えてだろう、対策を、皆で」
「俺たちの世界で俺は『国民』でしかないから飢餓や天災に意識を取られることはなかったけど、お前たちは違う。国を担う王族なんだ。意識を多方面に向けることは容易ではないだろう?」
「『目』を他の方向に向けることが出来たのは「俺たち」という『人間兵器』がいたからだ。俺たちだから解決できると信じてくれたから、他に目を向けられた」
「「っ!!!」」
「それって悪いことかしら?」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
誰だって何でもかんでも自分一人でできるわけではないのだ。
自分のことだけで手一杯で、それが普通で当たり前の人間社会において他人を慮った行動を起こせる人間なんて『余裕がある』人間でしかないと俺は思う。
はたまた、否定するわけでは決してないが、漫画やアニメで出てくる最強と呼ばれる『勇者』ならば出来るだろう。
『聖女』と呼ばれる者ならば出来るのだろう。
『α』と位置づけられた絶対的強者ならば可能であろう。
ただ、俺たちは等しく『ただ』の人間だ。
『人間兵器』と呼ばれる俺たちにだってできないことは山ほどあるし、嫌いな物だってある。
だから助け合うのだ、人は。動物は!
だから、
「謝る必要なんて無いだろう?」
「あ・・・・・・・・」
「そうなのか・・・・・・・・・」
漸く俺が憤ったことを理解したようだ。
だから、
「ありがとう、スイレン。君が、この世界に間違って召喚されたことで私たちは助けられた」
「ありがとう、スイレン。君が成した功績は俺たちを『現実に導く』ことだな」
「はっ!嗤わせるなよ?元々持っていたお前らの力を俺が引き出してやっているだけだ。まだまだ俺たちの足下にも及ばない!気を抜くなよ?緩めるなよ?自分の目を、意識をもっともっと拡げろ。もっと自分を高見に追い込め!それがお前たちにはできるんだから」
「ええ、私も保証するわ。貴方たちは一人では為しえないけれど、皆で力を合わせたら私たち誰か一人くらい倒せるんじゃないかしら?」
「「「「おいっ!菖蒲!!!!」」」」
「あんら~~~私だってちょっと不満なのよ?あんた達ばかり手合わせして!私だって、この子たち、いえ、こいつらをちょっと伸してみてんだけど???」
「「「「っ!!!!」」」」
菖蒲の口調が変わった。これはかなりキレている証拠。
この時は反論せず、
「「「「どうぞ、どうぞ!!!!」」」」
というのが、正解だ。
「殿下たち、ちょっと菖蒲のストレスの発散につきあってやってくれ!ま、俺たちもお前らの現在の力量を測れるしな~~~」
「「「「「「「「「えええええええええええええええええええええええ」」」」」」」」」
で、物の見事に、10分も持たず全員菖蒲に伸されてましたとさ。
応援ありがとうございます!
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