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第四章

16(※グロい表現あり)

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「すみませんスイレン団長。目を離した隙にこのような事になっておりました」
眼前には肉片や目玉が飛び出し、朱を撒き散らした「何らか」の遺体が転がっていた。
ウェッと再び嘔吐音を出す殿下たち。
警備の者も目を逸らし、吐き気を堪えている。
俺たちの他に葵と菖蒲、レイン、陛下と第一・二殿下も来ている。
葵と菖蒲はへっちゃらで菖蒲に関しては「あら~どっちがどっちなのよ、コレ」と言って目玉を蹴り飛ばしている。
基本俺たち忍びはサディストだ。
だから、尊厳を破壊することを厭わない。それが例え嘗て信じた人であってもだ。
裏切りがつきものの世界で生きてきた俺たち人間兵器の心は、本来神が認めるような存在ではない。
それなのに導き、助けてくださる神獣様を俺たちは愛し、慈しみ、尊敬するのみ。
話を戻すが、葵が菖蒲のその行動を諫めるわけもなく、平気で肉片の上を歩き、散らかっているイミテーションを拾い集め、
「たぶんこっちが現教皇だろうよ」
と、ひと言。
何故どっちがどっちと判明しないといけないのかというと、俺がまた修復するからだ。
だが、こうなった原因はつまり、
「俺が気を失う前にこいつらの身体をこんな目に遭わせただろう?ただ元に戻しても、こいつらに集まって体内に留まっていた「恨み辛み」が治まることはなく、外にそれが一度出てしまったため、枷が外れて、我慢の限界を超え、膨れあがって、収まりきらなくなってしまってんだろうな~」
「つまり『恨み』が膨張して、破裂したってことか?」
「簡単に述べるとな。また元に戻しても同じ事が起きるけど、戻して罰を与えない限りは民は満足もしないし、怒りも納まらないだろうな~。で、こっちが現教皇だっけ?俺、こいつらが破裂したときを見てたら目玉とか間違えず元に戻せるんだけど、見てないから検分して貰わない限り元に戻せないんだよ。二人が混じった人物が出来あがんのも気持ち悪いだろ?」
「スイ・・・・・・タダでさえもこの光景が悍ましく、頑張って堪えているのに、更に変なことを言うのは止めてくれ。こちらこそ枷が外れて、嘔吐まみれの牢が出来上がるぞ?」
「うげ!それは止めてくれ。臭くて敵わん!ま、ちゃっちゃと戻しますか。は~戻しても再びこの姿になるんだから俺常に術発動しておかないといけないのか~」
折角殿下たちから搾り取ったのに!!!
「ま、いいじゃない。あんた力を回復させるために自室でゆっくり寝ることを選択したはずなのに、何故か殿下たちの力を纏って元気満タンじゃない?」
「搾り取るなら起き上がることが出来ないくらい搾り取れ」
「げっ!バレてる?」
菖蒲と葵にはバレバレのようで。
「当たり前じゃない!あんた、すんごい濃い殿下たちの『色』を纏ってるわよ。自分では気付かないのね」
「翠蓮の色と混じってある意味汚い色だ」
「ひどっ!言い方!!」
殿下たちは俺たちの会話に顔を赤く染めて、俯いている。その二人を兄殿下たちが何故か慰めているではないか。
なんでじゃ???
「あの~お三方、もう少し会話をオブラートに包んでください。殿下たちが居たたまれないようです」
と、レインから忠告が。
居たたまれない??????
「ああああああああああ!搾り取ったって話でか!」
「スイ!もうそれ以上口を開くな!」
「ジオルド、俺憤死しそうだ・・・・・・・・」
「二人とも軟弱だな~。ま、いいか。これが終わって、こいつらの刑が決まったらまた搾り取らせてな!」
「「・・・・・・・スイが段々汚れていく」」
失礼なっ!!!
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