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【二人目・二葉 兵固】
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【二人目・二葉 兵固】
俺は二葉兵固(ヒョウゴ)、34歳の正真正銘の童貞健康男児です!30歳過ぎても童貞だから魔法使いになれると思ったのに、なかなか現実というものは世知辛くなれるはずもなく、日々お局様からの経費についての嫌味嫌味嫌味、同期の同僚からは顧客を奪われ、それを哀れんだ目で見てくる他の同僚。上司からは「役立たず」と罵られるし。
決して俺の営業成績が悪いわけではない。顧客を取ったと思ったら顔が凄く良いイケメン同僚に取られてしまうのだ。
だから、お局様から「経費泥棒」とまで言われる始末。そんなこと俺の顧客をかっ攫ったあいつに言って欲しい。だが、あいつは一枚も二枚も俺より上で、自分の経費まで俺が遣い込んだようにしやがっている。
訴えても訴えても誰も信用してくれなくて、俺は折角の大企業に入れて浮かれていた入社当初を恥ずかしく思った。
もうこの会社を辞めてやろうと考えていた頃ネットで「超人気爆発中!フルダイブ!「NEO フロンティア-護国転生- 好きなジョブに就いて、あなたのアジトを護りぬけ!」を見つけて、即通販で購入したのだ。
キャラ決定でジョブをシーフにした理由は特にない。だけど、勇者やヒーラー、魔法師など皆が憧れるジョブにはなりたくなくて、嫌遠される「アサシン」か「シーフ」にしようと考えた。
だけど、この二つのジョブは他のジョブと違ってステータス自体が上げにくい設定になっているらしい。
何故なら、『悪役』だから。
悪役が簡単にレベルなど上げていたら犯罪が増える増える。
だったら最初からジョブに入れなければ良いだけなんだろうけど、『正義』だけのゲームなんて楽しくないだろう?そんなゲーム会社の簡単な思考だったそうだ。
ま、俺は暗殺なんてできねーから『シーフ』を選んだ。
だからと言って『盗み』もできねーからなっ!ここ超大事!!
そして、その日から残業が終わり次第、弁当を買って、それを食いながらプレイする日々が約3週間続いた。
その頃にはランクが上がらなくなっていて、どうにかしてダンジョンに行かないといけなくて。でも、一人では心許なくて。
そんな折一人の女性と出会った。
名は『リンデル』。ジョブは『アサシン』。
もう、本当に強いったらありゃしない。
ケンカも口もな!
で、いろんな事があって姉さんのギルド『ピュア☆・キュア☆・フレッシュハート♡』に入ることになった。
そして、驚愕な事に、俺と姉さんは同じ会社で働いていることが判明!
昼休みにいつものベンチでコンビニ弁当を食い終わって、さて席に戻るかって時に、
「あんた、もしかして『ヒョウゴ』?」
と声をかけられたのだ。
もう固まった、固まった。
そこにはゲーム内にいる姉さんと雰囲気がキャラ被りな人が驚いた表情で立っていたのだから。
容姿は全くと言って良いほど被らないけど。これを本人に言ってしまうと、俺の大事なところをもぎ取られそうなので、絶対に口にしない!
それから俺たちは、昼食を一緒に取るようになって、金曜日の夜は、晩飯を居酒屋で一緒に食いながらゲームの相談をし、土日は全力でゲームに取り込んだ。
で、今がその金曜日の晩、今日は焼き鳥を食いに来てます。
「姉さん、明日はどうする?このダンジョンは今のレベルでは難易度が上がるけど、今いるところから少し北にあるだけで近い。それか地道にそのダンジョン近くの森でモンスターを狩るかだな。ちなみに、モンスターの脅威は始めの森よりかなり上がっているから10匹倒したら1ランク上がるぜ」
「ん~~~それだと効率悪いわね~。とりあえず土曜日は時間の許す限り森でレベル上げをして、日曜はダンジョンを2個制覇しましょうか?」
「そうだな。明日はとりあえず10時開始で時間制限まで。再ログインができる3時間後からだから、ん~~4時から時間制限までがいいか。それと、あとは9時からの計3回ログインでどうだ?」
このゲームには2時間という絶対制限時間が設けられており、2時間を超えると自動的にログアウトになる。だからといって一日2時間しか休みの日などゲームできないのはゲーム会社にとっては『儲け話』にはならないのだ。
2時間しかプレイできないゲームなんて誰が買う?休みの日くらい、皆時間を忘れてプレイしたくないか?
ということで、再ログインはログアウト後3時間で可能となる。
俺たちは一人暮らしということで、何かと溜まりに溜まった家事もあるため、ログアウトの時間をなるべく多く且つ時間いっぱい楽しめるよう計算しなければならないのだ!
独り身って辛い!!
「じゃ、さっさと帰って寝なきゃね~もう12時回ってるわ」
「あ?あああああああああああっ!!!すんません!女性をこんな時間まで引き留めて!」
「!!!じょ、女性!?わ、私のこと?」
「???誰がいるんすか、他に?え?」
「やっだーーーーーーーーーーーーー!!」
姉さんは力一杯俺の背中をどつき・・・・・・い、いや叩いては「きゃ~~~☆」と頬を染めている。
そういう仕草は若い子なら可愛いだろう。だが、姉さんがするとある意味で「恐怖映像」だ。
だが、これを口にしてみろ。
さっきの倍の力で俺は地面にめり込ませられるだろうな、オヨヨヨヨ~~~。
俺は二葉兵固(ヒョウゴ)、34歳の正真正銘の童貞健康男児です!30歳過ぎても童貞だから魔法使いになれると思ったのに、なかなか現実というものは世知辛くなれるはずもなく、日々お局様からの経費についての嫌味嫌味嫌味、同期の同僚からは顧客を奪われ、それを哀れんだ目で見てくる他の同僚。上司からは「役立たず」と罵られるし。
決して俺の営業成績が悪いわけではない。顧客を取ったと思ったら顔が凄く良いイケメン同僚に取られてしまうのだ。
だから、お局様から「経費泥棒」とまで言われる始末。そんなこと俺の顧客をかっ攫ったあいつに言って欲しい。だが、あいつは一枚も二枚も俺より上で、自分の経費まで俺が遣い込んだようにしやがっている。
訴えても訴えても誰も信用してくれなくて、俺は折角の大企業に入れて浮かれていた入社当初を恥ずかしく思った。
もうこの会社を辞めてやろうと考えていた頃ネットで「超人気爆発中!フルダイブ!「NEO フロンティア-護国転生- 好きなジョブに就いて、あなたのアジトを護りぬけ!」を見つけて、即通販で購入したのだ。
キャラ決定でジョブをシーフにした理由は特にない。だけど、勇者やヒーラー、魔法師など皆が憧れるジョブにはなりたくなくて、嫌遠される「アサシン」か「シーフ」にしようと考えた。
だけど、この二つのジョブは他のジョブと違ってステータス自体が上げにくい設定になっているらしい。
何故なら、『悪役』だから。
悪役が簡単にレベルなど上げていたら犯罪が増える増える。
だったら最初からジョブに入れなければ良いだけなんだろうけど、『正義』だけのゲームなんて楽しくないだろう?そんなゲーム会社の簡単な思考だったそうだ。
ま、俺は暗殺なんてできねーから『シーフ』を選んだ。
だからと言って『盗み』もできねーからなっ!ここ超大事!!
そして、その日から残業が終わり次第、弁当を買って、それを食いながらプレイする日々が約3週間続いた。
その頃にはランクが上がらなくなっていて、どうにかしてダンジョンに行かないといけなくて。でも、一人では心許なくて。
そんな折一人の女性と出会った。
名は『リンデル』。ジョブは『アサシン』。
もう、本当に強いったらありゃしない。
ケンカも口もな!
で、いろんな事があって姉さんのギルド『ピュア☆・キュア☆・フレッシュハート♡』に入ることになった。
そして、驚愕な事に、俺と姉さんは同じ会社で働いていることが判明!
昼休みにいつものベンチでコンビニ弁当を食い終わって、さて席に戻るかって時に、
「あんた、もしかして『ヒョウゴ』?」
と声をかけられたのだ。
もう固まった、固まった。
そこにはゲーム内にいる姉さんと雰囲気がキャラ被りな人が驚いた表情で立っていたのだから。
容姿は全くと言って良いほど被らないけど。これを本人に言ってしまうと、俺の大事なところをもぎ取られそうなので、絶対に口にしない!
それから俺たちは、昼食を一緒に取るようになって、金曜日の夜は、晩飯を居酒屋で一緒に食いながらゲームの相談をし、土日は全力でゲームに取り込んだ。
で、今がその金曜日の晩、今日は焼き鳥を食いに来てます。
「姉さん、明日はどうする?このダンジョンは今のレベルでは難易度が上がるけど、今いるところから少し北にあるだけで近い。それか地道にそのダンジョン近くの森でモンスターを狩るかだな。ちなみに、モンスターの脅威は始めの森よりかなり上がっているから10匹倒したら1ランク上がるぜ」
「ん~~~それだと効率悪いわね~。とりあえず土曜日は時間の許す限り森でレベル上げをして、日曜はダンジョンを2個制覇しましょうか?」
「そうだな。明日はとりあえず10時開始で時間制限まで。再ログインができる3時間後からだから、ん~~4時から時間制限までがいいか。それと、あとは9時からの計3回ログインでどうだ?」
このゲームには2時間という絶対制限時間が設けられており、2時間を超えると自動的にログアウトになる。だからといって一日2時間しか休みの日などゲームできないのはゲーム会社にとっては『儲け話』にはならないのだ。
2時間しかプレイできないゲームなんて誰が買う?休みの日くらい、皆時間を忘れてプレイしたくないか?
ということで、再ログインはログアウト後3時間で可能となる。
俺たちは一人暮らしということで、何かと溜まりに溜まった家事もあるため、ログアウトの時間をなるべく多く且つ時間いっぱい楽しめるよう計算しなければならないのだ!
独り身って辛い!!
「じゃ、さっさと帰って寝なきゃね~もう12時回ってるわ」
「あ?あああああああああああっ!!!すんません!女性をこんな時間まで引き留めて!」
「!!!じょ、女性!?わ、私のこと?」
「???誰がいるんすか、他に?え?」
「やっだーーーーーーーーーーーーー!!」
姉さんは力一杯俺の背中をどつき・・・・・・い、いや叩いては「きゃ~~~☆」と頬を染めている。
そういう仕草は若い子なら可愛いだろう。だが、姉さんがするとある意味で「恐怖映像」だ。
だが、これを口にしてみろ。
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