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王宮へ
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静かに揺れる馬車が止まった。
外を見なくてもわかる。西国王宮だ。この香り‥目を閉じていても分かる。
いざ出陣。
殿下の手をお借りして馬車を降りる。そこにはキラキラ光る笑顔のアルフレッド殿下と、これまたキラキラ輝く宝石をジャラジャラつけたクラウディア様がお迎えに並んでいた。
相変わらず安定の王子さま。
『この度、お忙しい中、遥々ありがとうございます。』テンプレ通りの挨拶。
『こちらこそお招きありがとうございます。遅れましたが、この度はおめでとうございます。』
これまたテンプレ通りの返し。
早々に切り上げたい中、クラウディア様が口を開く。
『リデュアンネ様、お久しぶりですわ。何でも東国ではさっさと結婚式を終えられたとか。それだけ早くリデュアンネ様を王太子妃として迎えたいというハインリッヒ殿下のお心があったのでしょうね。
残念ですが、仕方ありませんね。』
‥出たよ。私は軽く笑顔をつくりながら
『それは申し訳ございませんでした。』
こんな所で勘弁してほしい。嫌味をぶっ込んできたクラウディア様から目を逸し、案内人を探すふりをしてみせると、早々にアルフレッド殿下が手を上げ私たちは部屋に案内された。
久方に歩く廊下がやけに陳腐に思えた。豪華絢爛に彩られた廊下に目を輝かせていた頃が懐かしい。
私は気づかれぬ様に目だけを動かし、辺りを様子見る。
何か不穏な動きはないか。
この国の動きは分かるつもり。東国では意味を持たない公爵家も、こちらでは絶大な力を持つ。
西国は私が殿下と離れる時を待っているはず。
侍女にも刺客が居るかもしれない。
私は騎士の如く警戒を強めた。
その不安はすぐさま現実のものとなってしまった。
外を見なくてもわかる。西国王宮だ。この香り‥目を閉じていても分かる。
いざ出陣。
殿下の手をお借りして馬車を降りる。そこにはキラキラ光る笑顔のアルフレッド殿下と、これまたキラキラ輝く宝石をジャラジャラつけたクラウディア様がお迎えに並んでいた。
相変わらず安定の王子さま。
『この度、お忙しい中、遥々ありがとうございます。』テンプレ通りの挨拶。
『こちらこそお招きありがとうございます。遅れましたが、この度はおめでとうございます。』
これまたテンプレ通りの返し。
早々に切り上げたい中、クラウディア様が口を開く。
『リデュアンネ様、お久しぶりですわ。何でも東国ではさっさと結婚式を終えられたとか。それだけ早くリデュアンネ様を王太子妃として迎えたいというハインリッヒ殿下のお心があったのでしょうね。
残念ですが、仕方ありませんね。』
‥出たよ。私は軽く笑顔をつくりながら
『それは申し訳ございませんでした。』
こんな所で勘弁してほしい。嫌味をぶっ込んできたクラウディア様から目を逸し、案内人を探すふりをしてみせると、早々にアルフレッド殿下が手を上げ私たちは部屋に案内された。
久方に歩く廊下がやけに陳腐に思えた。豪華絢爛に彩られた廊下に目を輝かせていた頃が懐かしい。
私は気づかれぬ様に目だけを動かし、辺りを様子見る。
何か不穏な動きはないか。
この国の動きは分かるつもり。東国では意味を持たない公爵家も、こちらでは絶大な力を持つ。
西国は私が殿下と離れる時を待っているはず。
侍女にも刺客が居るかもしれない。
私は騎士の如く警戒を強めた。
その不安はすぐさま現実のものとなってしまった。
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