どちらの王妃でも問題ありません【完】

王族召喚

目まぐるしい日々の中、両国の王族が東国王宮に召喚された。

王族とは分裂する前の王族の血を引く全ての者となる。両国貴族と同じ様に、王族らも我らの処遇は気になる所。

正式発表の前に王族が召喚され内示が出るとなればこぞって集まって来ていた。

大きな広間に集められた王族たち。
前列から後列へと血の濃い者から並んでいる。

もちろんアレク西国国王も居ればアルフレッド王太子もいる。そして東国の王子たちも居ればテオドールも居る。

ハインリッヒが入室するとざわめいていた部屋が一瞬にして静まり返る。
ハインリッヒとリデュアンネが正面に腰を下ろすと一斉に皆、礼を取る。

『よい。』
ハインリッヒの一言に一斉に腰を下ろす。

『オリビア帝国復権を来たる3月17日とする。』

ハインリッヒが短く発表すると、その後の言葉を待つ様に視線が集まる。

『オリビア帝国において、東国も西国も関係無い。故にどちらの王族であったのかではなく、共に第一次オリビア帝国の王族としてその地位を有する。』

『オリビア帝国皇帝として皇后と共に尽力してゆく覚悟である。ここまでで何かあるか？』

一斉に拍手が鳴り響く。その拍手が静まるのを待ちゆっくりと再び口を開く。

『現、西国王宮はオリビア帝国筆頭公爵家とする。』

基本的には現状と変わり無い状態でオリビア帝国が発足することになる。