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これが本当の拉致ですか?
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翌日メルシア王女とルリネットは、王宮から馬車に乗り込んで公園を目指した。もちろん護衛の馬車も付いている。
黙りこくるメルシア王女に、ルリネットは恋に悩む乙女を感じ、そのまま静かなひとときを楽しんだ。
その静寂な馬車な中へ大きな音が響き渡る。外で何かが起こっているのは間違いない。メルシア様はルリネットを庇うように席を立つもそれと同事に扉が開き黒尽くめの男たちが乗り込んできた。
メルシア王女とルリネットは一瞬のうちに意識を手放された。あっという間の出来事であった。
ルリネットはぼんやりと意識が戻ってきた。
ここは?かすかに香る磯の香り。ダリス大王国の南側には海がある。王都から少し離れた所ではあるがそんなに遠くはないと感じる。ルリネットはしばらくそのまま様子を伺っていた。
そうだメルシア様!
『メルシア王女?』
ルリネットは一緒に連れ去られたメルシア王女を探すも馬車には居ない。すぐさま馬車を降りると、そこには黒尽くめの男たちとメルシア王女が立っていた。
『ようやく目を覚まされましたわ!』
メルシア王女がルリネットへ今までとは異なる視線を送る。
『ご相談はどうなりましたの?』
ルリネットは毅然とした態度でメルシア王女に問う。
『あら、そんなものございませんわ!』
高笑いをするメルシア王女に
『貴女とマクシミリアン王太子の事は存じております。そのことについてではなかったのですか?』
一瞬ピクリとするメルシア王女。
『あら?思ったより鼻が効くのね。』
話の意図がわからないルリネットは単刀直入に問う。
『貴女は‥ダリス大王国の王太子妃になりたくないのね?』
『なりたいもなりたくないも無いの。私はダリス大王国の王太子妃にならなきゃならないの。』
当たり前のように言うメルシア王女に、
『でも本心はマクシミリアン王太子を愛しているのね?』
メルシア王女は一瞬固まり次にそれをかき消す様に笑い出した。
『アハハハ、何を言っているの?マクシミリアン王太子とは言わば同士のようなものよ。利害関係が一致しているのよ。わからないかしら?私もマクシミリアン王太子も貴女がダリス大王国の王太子妃になられると困るのよ!』
ルリネットは別にダリス大王国の王太子妃なんて望んではいないが、利害関係の一致とまで言われるとその目論みが気になる所だ。
『だったらどうするの?』
『そうね、本当は貴女に生きていてもらっては困るのよ。でもマクシミリアン王太子と組んだからには貴女を殺める事は出来ないの。大人しくリラ大王国へ行ってくれない?』
そんな事は出来ないけどね…
『断ったら?』
メルシア王女は楽しそうに笑う。
『アハハハそうね、貴女に断る選択肢はないのよ?』
メルシア王女が黒尽くめの男に目配せするとルリネットは男たちに一気に馬車の中に連れ込まれた。
声を上げるにも、誰にも届かない。
遠くでメルシア王女笑い声と恐ろしい指示が聞こえた。
『服を切り刻んで逃げられなくして!裸のままマクシミリアン王太子に引き渡すわ!』
そう言うとメルシア様は馬車の鍵を自ら締めどこかへ行ってしまった。
黙りこくるメルシア王女に、ルリネットは恋に悩む乙女を感じ、そのまま静かなひとときを楽しんだ。
その静寂な馬車な中へ大きな音が響き渡る。外で何かが起こっているのは間違いない。メルシア様はルリネットを庇うように席を立つもそれと同事に扉が開き黒尽くめの男たちが乗り込んできた。
メルシア王女とルリネットは一瞬のうちに意識を手放された。あっという間の出来事であった。
ルリネットはぼんやりと意識が戻ってきた。
ここは?かすかに香る磯の香り。ダリス大王国の南側には海がある。王都から少し離れた所ではあるがそんなに遠くはないと感じる。ルリネットはしばらくそのまま様子を伺っていた。
そうだメルシア様!
『メルシア王女?』
ルリネットは一緒に連れ去られたメルシア王女を探すも馬車には居ない。すぐさま馬車を降りると、そこには黒尽くめの男たちとメルシア王女が立っていた。
『ようやく目を覚まされましたわ!』
メルシア王女がルリネットへ今までとは異なる視線を送る。
『ご相談はどうなりましたの?』
ルリネットは毅然とした態度でメルシア王女に問う。
『あら、そんなものございませんわ!』
高笑いをするメルシア王女に
『貴女とマクシミリアン王太子の事は存じております。そのことについてではなかったのですか?』
一瞬ピクリとするメルシア王女。
『あら?思ったより鼻が効くのね。』
話の意図がわからないルリネットは単刀直入に問う。
『貴女は‥ダリス大王国の王太子妃になりたくないのね?』
『なりたいもなりたくないも無いの。私はダリス大王国の王太子妃にならなきゃならないの。』
当たり前のように言うメルシア王女に、
『でも本心はマクシミリアン王太子を愛しているのね?』
メルシア王女は一瞬固まり次にそれをかき消す様に笑い出した。
『アハハハ、何を言っているの?マクシミリアン王太子とは言わば同士のようなものよ。利害関係が一致しているのよ。わからないかしら?私もマクシミリアン王太子も貴女がダリス大王国の王太子妃になられると困るのよ!』
ルリネットは別にダリス大王国の王太子妃なんて望んではいないが、利害関係の一致とまで言われるとその目論みが気になる所だ。
『だったらどうするの?』
『そうね、本当は貴女に生きていてもらっては困るのよ。でもマクシミリアン王太子と組んだからには貴女を殺める事は出来ないの。大人しくリラ大王国へ行ってくれない?』
そんな事は出来ないけどね…
『断ったら?』
メルシア王女は楽しそうに笑う。
『アハハハそうね、貴女に断る選択肢はないのよ?』
メルシア王女が黒尽くめの男に目配せするとルリネットは男たちに一気に馬車の中に連れ込まれた。
声を上げるにも、誰にも届かない。
遠くでメルシア王女笑い声と恐ろしい指示が聞こえた。
『服を切り刻んで逃げられなくして!裸のままマクシミリアン王太子に引き渡すわ!』
そう言うとメルシア様は馬車の鍵を自ら締めどこかへ行ってしまった。
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