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聖なる力
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ダリス大王国王太子妃候補選定も終わりが近づいてきたある日、聖なる力を有するであろう人物たちが集められていた。
ダリス大王国からは第一王子のフリードリヒ。第二王子のエドワード。公爵令息のラインハルト。
ヴェルヴァス王国からは王太子のウィリアム。第二王子のアルフレッド。第一王女のルリネット。
リラ大王国からは王太子のマクシミリアン。第一王女のイザベラ。
ラインハルトが口火を切る。
『我が国では、王太子妃候補選定が終わるまでに立太子を終えなければなりません。そこで、お分かりですね?』
ウィリアムに問うと、
『まあ、そうなるね。どうしようか?イザベラ王女はどうお考えですか?』
『私は聖なる力を有しておりましても、真実の愛は叶うことはございませんので、ここに来て、もしこの先この力が世の中の為に使われるならと思いここにおります。』
ラインハルトはすかさず
『流石はイザベラ王女。どこかの王女とえらい違い‥』
『『おい!』』
エドワードとアルフレッドの声が重なる。
『イザベラ王女はどうして聖なる力が真実の愛で重ならないと言い切れるのですか?』
ウィリアムは優しくイザベラに問う。
『それは‥その。』
チラリとアルフレッド見る。アルフレッドは気まずそうに目を逸らした。
『すまないね。うちの愚弟はね重度の兄弟愛なのだ。
己の聖なる力を確信しているのだろうね。そしてまたイザベラ王女にもその力があるであろうと知っている。
だからね、その二人が結ばれれば、やがて大きな力となるだろう?それを恐れているのだ。我が国の王太子はこの私。でもそれ以上の力を持つことになるからね。』
ウィリアムは他人事のように言う。
『でもね、ある留学から戻ってきてからしばらくはうちの愚弟はね、もぬけの殻の酷い状態だったのだ。だから今回ルリネットがその時の酷い状態となった想い人を探しにここまで乗り込んだってことだね。それだけ留学先に残してきた人を想っていたのだよ。』
ウィリアムの話を聞き驚きを隠せないイザベラ王女。
アルフレッドは苦虫を噛み潰したような表情で前を見据える。
『でもねアル。アルが有していると思っている力。何故私には無いと?』
『兄上はお持ちでしょうが、その‥兄上の婚約者が』
『ソフィア?何故ソフィアに力が無いと?彼女は王族から派生した公爵令嬢だ。無いと決まって居るわけではないよ。それを言うならイザベラ王女もアルだって確実に聖なる力を持っているかどうかは分からない。あくまで確率論だろ?』
頷く一同。
一人ついて行けていないルリネット。
一方常日頃ポーカーフェイスのイザベラ王女が満開の笑顔で
『では、私はダリス大王国王太子妃候補から外れてもよいのですね?』
『そんなに喜ばれるのも心外ですが‥』
フリードリヒが呟く。
『では、ルリネット王女後は貴女の身の振り方1つですね。』
ラインハルトが軽く言う。
‥何がどうなっている?私がなに?そもそも私はなぜここに居るのかしら‥
『ルリネット王女の返答次第で、我が国の王太子が決まるのです。』
『はあ?』
声を上げて立ち上がるルリネット。
『まあまあ、ラインハルト。単刀直入に話すな。』
エドワードが、制止する。
『でもそうであろう?だから私は言っただろう?王太子妃候補選定など出るなと!』
アルフレッドがルリネットに絡む。
『ちゃんと説明して下さらないからだわ!』
ルリネットもアルフレッドに突っかかる。
頭を押さえるウィリアム。
『すまない、いつもの事だ‥』
ごちゃごちゃになった場をラインハルトが整理する。
『ルリネット王女がこのまま帰国を希望されるのであればフリードリヒ殿下が立太子なさる。ルリネット王女が聖なる力を有して誓いを立てられるならエドワード殿下が立太子なさる。ということですね。』
‥
沈黙する一同。
『では、このままフリードリヒが立太子し、ルリネットはリラ大王国に来て私の妃となり聖なる力を持って愛を育んでゆけば良い。さすれば三国丸く収まるではないか。』
『何故そうなる?』
エドワードが突っ込む。
‥ごめん、余計ごちゃごちゃになってきたわ。
お願いだから黙ってて‥
ダリス大王国からは第一王子のフリードリヒ。第二王子のエドワード。公爵令息のラインハルト。
ヴェルヴァス王国からは王太子のウィリアム。第二王子のアルフレッド。第一王女のルリネット。
リラ大王国からは王太子のマクシミリアン。第一王女のイザベラ。
ラインハルトが口火を切る。
『我が国では、王太子妃候補選定が終わるまでに立太子を終えなければなりません。そこで、お分かりですね?』
ウィリアムに問うと、
『まあ、そうなるね。どうしようか?イザベラ王女はどうお考えですか?』
『私は聖なる力を有しておりましても、真実の愛は叶うことはございませんので、ここに来て、もしこの先この力が世の中の為に使われるならと思いここにおります。』
ラインハルトはすかさず
『流石はイザベラ王女。どこかの王女とえらい違い‥』
『『おい!』』
エドワードとアルフレッドの声が重なる。
『イザベラ王女はどうして聖なる力が真実の愛で重ならないと言い切れるのですか?』
ウィリアムは優しくイザベラに問う。
『それは‥その。』
チラリとアルフレッド見る。アルフレッドは気まずそうに目を逸らした。
『すまないね。うちの愚弟はね重度の兄弟愛なのだ。
己の聖なる力を確信しているのだろうね。そしてまたイザベラ王女にもその力があるであろうと知っている。
だからね、その二人が結ばれれば、やがて大きな力となるだろう?それを恐れているのだ。我が国の王太子はこの私。でもそれ以上の力を持つことになるからね。』
ウィリアムは他人事のように言う。
『でもね、ある留学から戻ってきてからしばらくはうちの愚弟はね、もぬけの殻の酷い状態だったのだ。だから今回ルリネットがその時の酷い状態となった想い人を探しにここまで乗り込んだってことだね。それだけ留学先に残してきた人を想っていたのだよ。』
ウィリアムの話を聞き驚きを隠せないイザベラ王女。
アルフレッドは苦虫を噛み潰したような表情で前を見据える。
『でもねアル。アルが有していると思っている力。何故私には無いと?』
『兄上はお持ちでしょうが、その‥兄上の婚約者が』
『ソフィア?何故ソフィアに力が無いと?彼女は王族から派生した公爵令嬢だ。無いと決まって居るわけではないよ。それを言うならイザベラ王女もアルだって確実に聖なる力を持っているかどうかは分からない。あくまで確率論だろ?』
頷く一同。
一人ついて行けていないルリネット。
一方常日頃ポーカーフェイスのイザベラ王女が満開の笑顔で
『では、私はダリス大王国王太子妃候補から外れてもよいのですね?』
『そんなに喜ばれるのも心外ですが‥』
フリードリヒが呟く。
『では、ルリネット王女後は貴女の身の振り方1つですね。』
ラインハルトが軽く言う。
‥何がどうなっている?私がなに?そもそも私はなぜここに居るのかしら‥
『ルリネット王女の返答次第で、我が国の王太子が決まるのです。』
『はあ?』
声を上げて立ち上がるルリネット。
『まあまあ、ラインハルト。単刀直入に話すな。』
エドワードが、制止する。
『でもそうであろう?だから私は言っただろう?王太子妃候補選定など出るなと!』
アルフレッドがルリネットに絡む。
『ちゃんと説明して下さらないからだわ!』
ルリネットもアルフレッドに突っかかる。
頭を押さえるウィリアム。
『すまない、いつもの事だ‥』
ごちゃごちゃになった場をラインハルトが整理する。
『ルリネット王女がこのまま帰国を希望されるのであればフリードリヒ殿下が立太子なさる。ルリネット王女が聖なる力を有して誓いを立てられるならエドワード殿下が立太子なさる。ということですね。』
‥
沈黙する一同。
『では、このままフリードリヒが立太子し、ルリネットはリラ大王国に来て私の妃となり聖なる力を持って愛を育んでゆけば良い。さすれば三国丸く収まるではないか。』
『何故そうなる?』
エドワードが突っ込む。
‥ごめん、余計ごちゃごちゃになってきたわ。
お願いだから黙ってて‥
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