貴方に嫌われたくなくて【完】

mako

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候補者リスト

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『ユリウス!』


アルフォンスは候補者リストを手に皇太子の私室に駆け込んで来た。


『あぁ…お疲れ様、アル。』

ユリウスは少し疲れた表情でアルフォンスを見るとジャケットを無造作に放り投げソファに腰を下ろした。


『予定通り、リストの王女らはここに残る事になるから頼むぞ。』


ユリウスはリストに手を伸ばすと簡単にチェックをしテーブルに戻した。


『サエラ第3王女の名は無いね…』


アルフォンスがユリウスに強い視線を送ると


『そうだ、ユリウス。何故リディアンネ王女とダンスを?彼女はリストに無いはずだが?』


ユリウスはニヤリと笑うと


『アルが外したのであろう?』


『は?どうして?サエラからは2人も候補者として名を連ねているんだ。流石に3人では各国から突っ込まれるだろう?』


ユリウスは首を回しながら


『ふ~ん。別にいいんだけどね?ただ少し興味がわいただけ。アルの初恋の人だからね?』


…。


アルフォンスが怪訝そうにユリウスを見ると


『わからない訳ないでしょう?彼女だろ?』


…。

『彼女が残ってくれたら嬉しいだろ?』


『皇太子妃選定に残られてもね…』


アルフォンスは諦めたようにリストを片付けていた手を止めユリウスに答えた。



『アル、選考会の取り仕切りだけ終わったらサエラ王国へ行くといい。』


『…は?』


アルフォンスはいきなりのユリウスの提案に首を捻ると


『欲しいんだろ?ならば取りに行け。』


『あのな、物じゃないんだからね?』



『だけど、すぐ売れるよ。あれだけの美貌に砕けた性格。…私の勘だけど彼女お前に興味があるんじゃないかな?』



『…まさか、俺の事なんて覚えてないだろうよ。』


『だとしても、後悔するぞ。』




ユリウスはアルフォンスを直視し顎を突き出した。


…行け!の気持ちを込めて。






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