貴方に嫌われたくなくて【完】

流石は一流

アルフォンスには登城の時間がある。侍女らは可能な限りの時間まで待ち声を掛けた。


『アルフォンス様、お食事の時間です。』


アルフォンスはリディアンネを胸に抱きながら


『リディの分もこちらに用意して』


扉の向こう側に声をかけるとルイザが

『ご用意してごさいます。入ってもよろしいですか？』


アルフォンスは気軽に


『ああ、頼む』


…！


リディアンネは驚きアルフォンスを睨みつけるとアルフォンスは何事も無かったようにガウンを羽織ると朝食の準備をしているサーシャに


『リディのガウンを持ってきてくれる？』



サーシャはすぐにワゴンの下からガウンを差し出した。


『用意がいいね』


サーシャからガウンを受け取るとリディアンネに着せ


『ほら、大丈夫だろ？』


得意気に微笑んでみせた。


…こんな時までかっこいいんだけど？


『アルフォンス様、続きはお戻りになってからお願いします。今朝はギリギリまで伸ばして差し上げましたのでそのようなお時間はございませんよ！』


ルイザが苦言を呈すとアルフォンスは両手を広げ残念を表現すると言われた通り朝食を済ませた。

『見送りはいいからゆっくり食べてね。』


リディアンネにキスを落とし急いで部屋を出て行った。



…。


チームリディアンネの視線がリディアンネを刺す。


…。



しつこく刺し続ける視線に耐えかねたリディアンネは


『分かった！分かったから食事が先よ！』


リディアンネは目の前に並べられた朝食を1人ゆっくりと堪能したのである。


…後で文句の一つも言わなきゃやってられないわ！



チームリディアンネを睨みつけるとオレンジジュースを飲み干した。