貴方に嫌われたくなくて

makojou

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かかってこい!

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チームリディアンネとの緊急会議である。

穏やかな日常が流れていた大公家であったがついにリディアンネにとって初めての皇族としての舞踏会の招待状が届けられた。



『遂に来てしまいましたね。』


サーシャはテーブルに置かれた招待状を前に腕組みをしながら話す。



『何なのよ。ただの舞踏会でしょう?小娘でもあるまいし、こう見えて元王女。結構踊れるわよ♡』


リディアンネの言葉に5人は揃ってため息をついた。

『何なのよ!揃いも揃って!』


チームリディアンネは顔を合わせて頷くとルイザが口火を切った。


『リディアンネ様、大公妃殿下をご存知ですね?』



リディアンネは当然のように


『もちろんよ。アルのお母様よ?体調不良により田舎で静養されておられるわ』


『奥様もリディアンネ様と同じく王女からこちらに嫁がれましたが…何せ帝国には皇女様が多数いらっしゃるので…そのやはり元王女というのは、お立場的に難しいというか…』



堂々巡りになっているルイザを横目にリディアンネは納得したかのように


『なるほどね。貴女の言いたい事は分かったわ。帝国には側妃様のお産みになった皇女様が山程いらっしゃる。母親の身分こそ様々であるが皇女は皇女。一方の王女は生粋の王女なわけね。でもここは帝国。皇女様は何も恐れる事などないじゃない?』


『だからこそですよ…』


サーシャが間髪入れずに言うとまたもリディアンネは頷き


『まあね、大概の王女や皇女は私も含めてバカばっかりなのよ。ほら?令嬢らは家のために見初められる為に努力するでしょう?

でも王女は生まれながらその切り札を持ってるの。だから無駄に着飾り、より高価の物を身に着け威厳を保とうとするのよ?だから立ち居振る舞いは完璧でもね頭ん中は結構空っぽなの。まぁみんながみんなじゃないけどね。』


あっけらかんに話すリディアンネを呆然と見つめるチームリディアンネ。


『どうせくだらない意地悪でしょ?本当暇なのよね?』


『問題はあまりに数が多すぎる事はですね…派閥争いも激しい中、どなたとどなたが対義しているかくらいわかればまだ何とかなるかもですが…』


リディアンネは不安そうな5人に笑顔を向けると


『大丈夫。ここで案じていても始まらないわ。出たとこ勝負よ。骨は拾ってくれるんでしょう?』


なんとも頼もしい主を5人は心配そうに眺めていた。
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