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舞踏会へ
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本日開催される舞踏会は帝国の皇族のみで執り行われると聞いていたリディアンネは会場に入り絶句した。
…皇族ってこんなにいるの?ってかどんだけ税金の無駄遣いなのよ。
驚きながらリディアンネは各方面に挨拶に向かう。本来隣に居るはずのアルフォンスは不在。遠征中のアルフォンスは辺境での征伐に時間が掛かっているらしく予定よりも大幅に遅れているのだ。
…何もこんな時に踊ってなくてもよくない?
リディアンネは心の声を胸に秘め、先ずは皇帝と皇后に挨拶を済ませ一息ついていると、リディアンネを見て驚いたように皇太子のユリウスが飛んできた。
…何なん?
リディアンネは不思議そうにユリウスを見上げるとユリウスはリディアンネの耳もとで
『アルの不在だ。今夜は無理するなと伝達したはずだが?』
リディアンネはユリウスを見上げると
『ですが既に着せ替え人形は仕上がってましたのよ?勿体無くて…』
『…何が?』
怪訝そうにユリウスは首をひねると
『だって一流の使用人が腕を奮った作品ですのよ?お化粧だって普段とは全く違って、いくつもいくつも塗りたくられ、それを耐え抜いた私の努力も水の泡になってしまいますわ!』
何故かユリウスが睨みつけられている。
ユリウスが次の言葉を吐く前にリディアンネは
『私は今夜は機嫌が悪いのです。あまり近寄らない方がよろしいわ』
頬を膨らませるリディアンネにユリウスは誂うようにニコニコしながら
『アルが不在だから?』
『違います!なんせ私は本日コルセットでギュンギュンに巻きに巻かれてますからね?目の前にこんなにご馳走が並べられていても、お預けなのですよ?』
苦しそうに、そして悔しそうに話すリディアンネにユリウスは呆れたように首を振ると
『飛び火が降りかかる前に退散するよ』
すぐさま向こうに消えて行った。
…やれやれ
さあ、待ってましたの如く向こうから大きな扇口元を隠し敵対心丸だしでやって来る御一行にリディアンネは思わず
…ダサっ。
顔を引きつらせながらも笑顔で迎えた。
『あら、王女。本日はお一人?』
敢えて王女と呼ぶあたり、これは友好的ではない。
『はじめまして、メリッサ皇女。』
リディアンネは美しく膝を折ると
『まぁ、私をご存知なのかしら?』
『帝国第5王女の美しさを知らぬ者がこの大陸に居りまして?』
滑らかに滑るリディアンネの口。
そこへ便乗するかのように皇女たちが合流してくるがリディアンネは各々に挨拶を卒なくこなしていた。
女がここまで集まるとお酒も入り品位の欠る話題に盛り上がってくる。リディアンネも嫌いでは無いがこんな所では御免被りたい。
『遠征といえば、長い期間ですからね。慰めに沢山の下級令嬢が送られるでしょ?今回は平民まで居たらしいわよ?』
『まあ、平民の血が入る令嬢や令息が山程出来るやもしれませんわね?』
『中には玄人もいるらしく、遠征を楽しみにしている殿方も多いのよ!』
『アルフォンスは大丈夫かしら?マニアックでしょ?』
他事に頭を巡らせていたリディアンネがふと気がつくと皆の視線がリディアンネにむけられている。
…へ?
リディアンネが微笑みを返すと
『アルフォンスは遠征が待ち切れない様子だったわよ?』
『王女では満たされないのよ~』
『プライドだけは高そうだものね?』
リディアンネは強張りながらも笑顔を保つのに尽力していた。
…いやいや、あんたら笑顔で吐くセリフじゃないわよ?
リディアンネは頭空っぽの皇女らを何とか巻き、1人庭へ逃げ込んだ。
…疲れるわ。
…皇族ってこんなにいるの?ってかどんだけ税金の無駄遣いなのよ。
驚きながらリディアンネは各方面に挨拶に向かう。本来隣に居るはずのアルフォンスは不在。遠征中のアルフォンスは辺境での征伐に時間が掛かっているらしく予定よりも大幅に遅れているのだ。
…何もこんな時に踊ってなくてもよくない?
リディアンネは心の声を胸に秘め、先ずは皇帝と皇后に挨拶を済ませ一息ついていると、リディアンネを見て驚いたように皇太子のユリウスが飛んできた。
…何なん?
リディアンネは不思議そうにユリウスを見上げるとユリウスはリディアンネの耳もとで
『アルの不在だ。今夜は無理するなと伝達したはずだが?』
リディアンネはユリウスを見上げると
『ですが既に着せ替え人形は仕上がってましたのよ?勿体無くて…』
『…何が?』
怪訝そうにユリウスは首をひねると
『だって一流の使用人が腕を奮った作品ですのよ?お化粧だって普段とは全く違って、いくつもいくつも塗りたくられ、それを耐え抜いた私の努力も水の泡になってしまいますわ!』
何故かユリウスが睨みつけられている。
ユリウスが次の言葉を吐く前にリディアンネは
『私は今夜は機嫌が悪いのです。あまり近寄らない方がよろしいわ』
頬を膨らませるリディアンネにユリウスは誂うようにニコニコしながら
『アルが不在だから?』
『違います!なんせ私は本日コルセットでギュンギュンに巻きに巻かれてますからね?目の前にこんなにご馳走が並べられていても、お預けなのですよ?』
苦しそうに、そして悔しそうに話すリディアンネにユリウスは呆れたように首を振ると
『飛び火が降りかかる前に退散するよ』
すぐさま向こうに消えて行った。
…やれやれ
さあ、待ってましたの如く向こうから大きな扇口元を隠し敵対心丸だしでやって来る御一行にリディアンネは思わず
…ダサっ。
顔を引きつらせながらも笑顔で迎えた。
『あら、王女。本日はお一人?』
敢えて王女と呼ぶあたり、これは友好的ではない。
『はじめまして、メリッサ皇女。』
リディアンネは美しく膝を折ると
『まぁ、私をご存知なのかしら?』
『帝国第5王女の美しさを知らぬ者がこの大陸に居りまして?』
滑らかに滑るリディアンネの口。
そこへ便乗するかのように皇女たちが合流してくるがリディアンネは各々に挨拶を卒なくこなしていた。
女がここまで集まるとお酒も入り品位の欠る話題に盛り上がってくる。リディアンネも嫌いでは無いがこんな所では御免被りたい。
『遠征といえば、長い期間ですからね。慰めに沢山の下級令嬢が送られるでしょ?今回は平民まで居たらしいわよ?』
『まあ、平民の血が入る令嬢や令息が山程出来るやもしれませんわね?』
『中には玄人もいるらしく、遠征を楽しみにしている殿方も多いのよ!』
『アルフォンスは大丈夫かしら?マニアックでしょ?』
他事に頭を巡らせていたリディアンネがふと気がつくと皆の視線がリディアンネにむけられている。
…へ?
リディアンネが微笑みを返すと
『アルフォンスは遠征が待ち切れない様子だったわよ?』
『王女では満たされないのよ~』
『プライドだけは高そうだものね?』
リディアンネは強張りながらも笑顔を保つのに尽力していた。
…いやいや、あんたら笑顔で吐くセリフじゃないわよ?
リディアンネは頭空っぽの皇女らを何とか巻き、1人庭へ逃げ込んだ。
…疲れるわ。
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