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切れた糸
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リディアンネが気分転換で街に出ると、心を踊らすスイーツを買い込み、チームリディアンネのお土産を馬車いっぱいに買い込みご満悦である。
賑やかな大公家にアルフォンスが戻ると、チームリディアンネは冷めた視線を送りながらも各々の職務に戻っていく。
アルフォンスと2人になったリディアンネは昨夜の事など気にもしていない風を装うと笑顔でアルフォンスを迎えた。
『おかえりなさいませ。』
アルフォンスはチラリとリディアンネを見ると
『昨夜は申し訳無かった。ごめんね。』
いつものアルフォンスである。リディアンネはアルフォンスを見つめると
『リディアンネ、許してくれるの?』
…許す?
リディアンネは一瞬苛立ちを覚えるも
『アルフォンス様。私たちは夫婦ですのよ。何も問題ございませんわ。』
心とは裏腹にリディアンネは美しく微笑んでみせた。
『リディアンネ。ありがとう。あんな事は2度としないから。』
…2度があってたまるかい!
リディアンネは心の声を閉じ込めた。
翌日もまた、その翌日もリディアンネは街に出かける。
『リディアンネ様、街で何かお探しですか?』
ルイザが問うとリディアンネはニヤリと笑い…
『私、反抗期ですの。いわゆる不良になっておりますのよ。』
…。
得意気に語る主をチームリディアンネは呆気にとられている。
『心配しなくても大丈夫。今だけだからね』
…。どこが?不良?
『そ、そうでしたか。』
ルイザは一言を返すだけで精いっぱいであった。
リディアンネとルイザは揃って馬車に揺られて、街の外れにあるエクレアのお店まで足を伸ばしていた。
『ルイザ、見て!このお店よ。』
宮でもよくパーティなどで用意されるお店のエクレアだ。目を輝かせるリディアンネに
『買って帰りましょうね。』
中に入るとティタイムを楽しむ恋人たちが幸せそうにスイーツを堪能している。
リディアンネはショーケースに並ぶスイーツを真剣に吟味しているとルイザがあからさまに
『リディアンネ様。出ましょう』
水を差されたリディアンネはショーケースからルイザに視線を移すとルイザは真っ青になってリディアンネの手を引く。
『どうしたの?』
『何でもありませんがとりあえず出ましょう』
『じゃあ急いで決めるから少し待ってね。』
『そんな時間は、あ…』
ルイザの言葉か切れた所でリディアンネはルイザの視線を追う。振り返ったリディアンネが目にしたのはアルフォンスが見知らぬ令嬢と楽しげにスイーツを堪能している姿であった。
ルイザはリディアンネを馬車に強引に乗せると瞬き一つせず窓の外を凝視していた。
…そんなに焦らなくても大丈夫なのに。
リディアンネは顔色を無くすルイザを案じながら流れ行く景色を見つめていた。
賑やかな大公家にアルフォンスが戻ると、チームリディアンネは冷めた視線を送りながらも各々の職務に戻っていく。
アルフォンスと2人になったリディアンネは昨夜の事など気にもしていない風を装うと笑顔でアルフォンスを迎えた。
『おかえりなさいませ。』
アルフォンスはチラリとリディアンネを見ると
『昨夜は申し訳無かった。ごめんね。』
いつものアルフォンスである。リディアンネはアルフォンスを見つめると
『リディアンネ、許してくれるの?』
…許す?
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『アルフォンス様。私たちは夫婦ですのよ。何も問題ございませんわ。』
心とは裏腹にリディアンネは美しく微笑んでみせた。
『リディアンネ。ありがとう。あんな事は2度としないから。』
…2度があってたまるかい!
リディアンネは心の声を閉じ込めた。
翌日もまた、その翌日もリディアンネは街に出かける。
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ルイザが問うとリディアンネはニヤリと笑い…
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…。
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『心配しなくても大丈夫。今だけだからね』
…。どこが?不良?
『そ、そうでしたか。』
ルイザは一言を返すだけで精いっぱいであった。
リディアンネとルイザは揃って馬車に揺られて、街の外れにあるエクレアのお店まで足を伸ばしていた。
『ルイザ、見て!このお店よ。』
宮でもよくパーティなどで用意されるお店のエクレアだ。目を輝かせるリディアンネに
『買って帰りましょうね。』
中に入るとティタイムを楽しむ恋人たちが幸せそうにスイーツを堪能している。
リディアンネはショーケースに並ぶスイーツを真剣に吟味しているとルイザがあからさまに
『リディアンネ様。出ましょう』
水を差されたリディアンネはショーケースからルイザに視線を移すとルイザは真っ青になってリディアンネの手を引く。
『どうしたの?』
『何でもありませんがとりあえず出ましょう』
『じゃあ急いで決めるから少し待ってね。』
『そんな時間は、あ…』
ルイザの言葉か切れた所でリディアンネはルイザの視線を追う。振り返ったリディアンネが目にしたのはアルフォンスが見知らぬ令嬢と楽しげにスイーツを堪能している姿であった。
ルイザはリディアンネを馬車に強引に乗せると瞬き一つせず窓の外を凝視していた。
…そんなに焦らなくても大丈夫なのに。
リディアンネは顔色を無くすルイザを案じながら流れ行く景色を見つめていた。
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