貴方に嫌われたくなくて【完】

mako

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先走るリディアンネ

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アルフォンスは驚きリディアンネを眺めていた。
何故ならアルフォンスはリディアンネの控えめで小さく笑う笑顔、チームリディアンネの中心でニコニコ微笑む姿。天使と称されるリディアンネしか知らなかったのだ。


『リディ、君はいったい…』


小さく吐き出した言葉にユリウスは呆れたようにリディアンネに視線を向けると


『アルフォンス、君の妻は昔からこんなんであったぞ?サエラ王国ではじゃじゃ馬王女と称されるほどお転婆だそうだ。』


リディアンネはユリウスを睨みつけると


『殿下、誰だって推しの前では仮面を付けるものですわ!』



推し…ユリウスは理解できず首を捻った。


『でも、困りましたわね。帝国では確か離縁は認められておりませんわよね?流石にマーガレット様を側妃にという訳にもいきませんものね。』


リディアンネは他人事なように頭を悩ませると腕組みをし考え込んだ。

『離縁…?』


アルフォンスはリディアンネを見ると


『それしか無いでしょう?マーガレット様を娶られるには。』


リディアンネはアルフォンスを気にする事無く1人頭を悩ませる。


『君はいいのか?』


ユリウスは心配そうにリディアンネに問うた。



『良いも何も、私たちは政略結婚ではありませんが真実の愛でもありませんでしたからね?推しを眺めていた私が、推しと束の間の夫婦ごっこを楽しんだというだけですわ。そんなマーガレット様のお気持ちとは対比するにも及びませんもの。』


アルフォンスは苦しそうにリディアンネを見つめるもリディアンネはアルフォンスを見ることは無かった。

『ただ、離縁が出来ないとなるとマーガレット様が側妃となりましょう?大丈夫ですかね?』


顎に手を掛けまたも悩むリディアンネ。

『そうですわ!私が大公夫人のように田舎へ引っ込めばよろしいわね?』


驚いた一同に尚もリディアンネは


『ついでと言っては何ですが、一流の侍女らも連れて行ってもよろしいですか?って駄目ですよね?一流ですもの…』


上目遣いで皇帝に懇願するも自ら悲しそうに俯いた。


『クックックッ…。リディアンネそなたは面白いな。』


皇帝は皇后を見ると皇后は穏やかに笑うと


『私の言った通りですわね?』


皇帝へと得意気に話すと皇帝は両手を上げて皇后に降参を表した。


…え?なんなん?


リディアンネはその2人を不思議そうに見つめていた。







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