貴方に嫌われたくなくて【完】

mako

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束の間の安らぎ

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日々、頭を悩ませているリディアンネに束の間の安らぎが訪れた。


婚儀の2日前に帝国入りしたエリーナとセリーヌの2人が皇宮を訪ねてきてくれていたのである。


『お姉様!』


驚いたリディアンネは己の立場も忘れて2人に駆け寄ると2人は深々と頭を垂れている。


…。


『怒っていらっしゃるのですか?』

リディアンネの言葉に第2王女であるセリーヌは


『相変わらずねリディ。どうして我々が怒るのよ!』


エリーナもまた美しく微笑むと


『そうよリディ。私たちは貴女を誇りに思っているわ。』


そう語ると、部屋から出ていく侍女らを確認してら声を低く


『よくやったわね。リディ。』


嬉しそうに妹の功績を称えるかのような2人に


…どこまでも王家の娘だわ。


リディアンネの思うように姉2人はどこまでもサエラ王国の王家の娘である。自身に愛や恋などは無縁。少しでもサエラ王国の為に自身が出来る事をする。統率者の娘としてはかなり優秀であり模範生のようだ。


その姉らはサエラ王国から皇太子妃が誕生することに素直に喜んでいるのだ。



リディアンネは一通りの目下の悩みを2人に話すと2人は口を揃えてこう言った。


『リディ、様々な考えがあることは私も承知しているわ。だけど我々は王家の娘としてこの世に生を受けたの。そのプライドだけは最後まで諦めてはいけないの。』


エリーナの話を頷きながら聞いていたセリーヌも


『皇太子殿下とはあの時にしかお話ししたことは無いけれど、腹の中は相当深いと感じたわ。その狐になんてやられないわ。あなたの夫になる男も相当な狐よ。』



…客観視しているセリーヌに複雑そうな視線を送るリディアンネ。


『我々は王家の娘。己の役割があるのよ。でもねその上で貴方らしい愛とやらを求めるのは貴女の自由だわ。』

日頃の毒舌に優しさもプラスされたセリーヌにリディアンネは嬉しそうに呟いた。


『ありがとう。お姉様。』



皇宮を後にした2人は馬車に乗り込むと


『さて、どういたします。我らの妹を悩ます狐らをこのままにしておけませんわよ?お姉様。』

セリーヌの言葉にエリーナはこれまた美しく微笑むと

『まあ、見てなさい。』



王女とは思えぬ男前らしさ全開の2人を乗せた馬車は帝国にあるサエラハウスへと足を進めた。


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