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窮地に陥るリディアンネ
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日に日に皇女たちのご活躍により窮地に立たされているリディアンネではあるが周りの心配を他所にマイペースな日常を送っていた。
ユリウスは帝位継承の為に多忙を極め、もう半月程まともに話せてもいない。時にリディアンネを案じたアルフォンスがリディアンネを訪ねて来ることがあった。
『その、リディアンネ。大丈夫か?』
一応心配している風のアルフォンスにリディアンネは笑顔で答える。
『絶好調ですが?』
…君って人は。
案ずるアルフォンスへまたリディアンネも
…貴女は信用に値するのかしら?
心を許すことは出来なかった。それでもユリウスの遣いとして、ここに来ているということは表面的にはユリウス派なのであろう。
『ですがこんな時に貴方が、こちらにいらっしゃるのは、また変な噂話の種となりましょう?』
リディアンネはお茶を静かに喉へ流すと真っ直ぐにアルフォンスを見据えた。
『う~ん。ユリウスなりの考えがあるのでは?』
ニヤリと笑うアルフォンスにリディアンネは違和感を覚えながらもそれを口にすることは無かった。
そして続く第2弾は流石のリディアンネも笑っては済ますことの出来ないものであった。
…やり過ぎだわ。見てなさいサエラ王女の底力を。
リディアンネはゆっくりと立ち上がると眼下に広がる帝国の町並みを眺めて吐き捨てた。
『腐ってるわ。腐敗しているものは取り除かないとね(笑)』
リディアンネが闘志を燃やしていると急ぎルイザとサーシャがやって来た。
『リディアンネ様、裁判所からのお呼び出しです!』
『まあ、取り調べもないまま?』
呑気に構えるリディアンネとは裏腹に珍しく焦る2人に唐突にリディアンネが問うた。
『ねえ、チームリディアンネは貴女たち2人以外は大公家に仕えている者だけよね?』
ルイザはあっさりと
『いいえ、大公家からは2人。マリーとサラだけですわ。私とサーシャ、そしてリゼは皇宮から派遣されてリディアンネ様に仕えておりました。』
『!そうよ、リゼ。リゼもユリウスの?』
『いいえ、彼女は特別にお仕えする主はおりません。ただの宮の侍女ですよ?』
不思議そうに答えるルイザにリディアンネは尚も
『ねえ、自分で言うのも何だけど、大公家に王女が嫁ぐとなり失礼がどうのって事であなた方は派遣されたのよね?そんなある意味自分で言うのも何だけど、大役?に一介の侍女が派遣されるものなの?』
…。
2人は押し黙り顔を見合わせた。
『違うの、違うのよ。別に私は構わないのよ?全く気にしないし、寧ろわざわざ皇宮から派遣など必要無いって思ってるわ。だけど現に貴女たち2人と一緒に派遣された者が侍女ってのは気にならなかった?』
ルイザは頭巡らせてから
『ユリウス殿下からの命でしたから…』
3人は各々黙りこくりしばらくの沈黙の後、突然にサーシャが声を上げた。
『そんな事よりも今は、裁判所からの召喚状ですよ!』
『まっ何とかなるわよ』
…何とかなる訳ないですよ。
そんな事を話しているとフレディックを先頭にフレディック派と思われる御一行がノックもせずに部屋に入ってくると
『リディアンネ様、大変心苦しいのですが裁判所よりの召喚状が届けられましたので貴女を一時的に拘束しなければなりません。』
眉を落としたフレディックが残念そうに語ると一斉にリディアンネは拘束された。
…残念そうな割には嬉しそうだけど?
リディアンネもまた残念そうに
『本当、残念ですわ。無実の者を拘束だなんて帝国ではあり得ないと思っておりましたのに。』
余裕を見せるリディアンネにフレディックもまた
『罪人は皆、そう言いますからね。』
晴れ晴れと微笑むフレディックに不覚にもリディアンネはノックアウト寸前となる。
…最高の皇子スマイル頂きました♡
ユリウスは帝位継承の為に多忙を極め、もう半月程まともに話せてもいない。時にリディアンネを案じたアルフォンスがリディアンネを訪ねて来ることがあった。
『その、リディアンネ。大丈夫か?』
一応心配している風のアルフォンスにリディアンネは笑顔で答える。
『絶好調ですが?』
…君って人は。
案ずるアルフォンスへまたリディアンネも
…貴女は信用に値するのかしら?
心を許すことは出来なかった。それでもユリウスの遣いとして、ここに来ているということは表面的にはユリウス派なのであろう。
『ですがこんな時に貴方が、こちらにいらっしゃるのは、また変な噂話の種となりましょう?』
リディアンネはお茶を静かに喉へ流すと真っ直ぐにアルフォンスを見据えた。
『う~ん。ユリウスなりの考えがあるのでは?』
ニヤリと笑うアルフォンスにリディアンネは違和感を覚えながらもそれを口にすることは無かった。
そして続く第2弾は流石のリディアンネも笑っては済ますことの出来ないものであった。
…やり過ぎだわ。見てなさいサエラ王女の底力を。
リディアンネはゆっくりと立ち上がると眼下に広がる帝国の町並みを眺めて吐き捨てた。
『腐ってるわ。腐敗しているものは取り除かないとね(笑)』
リディアンネが闘志を燃やしていると急ぎルイザとサーシャがやって来た。
『リディアンネ様、裁判所からのお呼び出しです!』
『まあ、取り調べもないまま?』
呑気に構えるリディアンネとは裏腹に珍しく焦る2人に唐突にリディアンネが問うた。
『ねえ、チームリディアンネは貴女たち2人以外は大公家に仕えている者だけよね?』
ルイザはあっさりと
『いいえ、大公家からは2人。マリーとサラだけですわ。私とサーシャ、そしてリゼは皇宮から派遣されてリディアンネ様に仕えておりました。』
『!そうよ、リゼ。リゼもユリウスの?』
『いいえ、彼女は特別にお仕えする主はおりません。ただの宮の侍女ですよ?』
不思議そうに答えるルイザにリディアンネは尚も
『ねえ、自分で言うのも何だけど、大公家に王女が嫁ぐとなり失礼がどうのって事であなた方は派遣されたのよね?そんなある意味自分で言うのも何だけど、大役?に一介の侍女が派遣されるものなの?』
…。
2人は押し黙り顔を見合わせた。
『違うの、違うのよ。別に私は構わないのよ?全く気にしないし、寧ろわざわざ皇宮から派遣など必要無いって思ってるわ。だけど現に貴女たち2人と一緒に派遣された者が侍女ってのは気にならなかった?』
ルイザは頭巡らせてから
『ユリウス殿下からの命でしたから…』
3人は各々黙りこくりしばらくの沈黙の後、突然にサーシャが声を上げた。
『そんな事よりも今は、裁判所からの召喚状ですよ!』
『まっ何とかなるわよ』
…何とかなる訳ないですよ。
そんな事を話しているとフレディックを先頭にフレディック派と思われる御一行がノックもせずに部屋に入ってくると
『リディアンネ様、大変心苦しいのですが裁判所よりの召喚状が届けられましたので貴女を一時的に拘束しなければなりません。』
眉を落としたフレディックが残念そうに語ると一斉にリディアンネは拘束された。
…残念そうな割には嬉しそうだけど?
リディアンネもまた残念そうに
『本当、残念ですわ。無実の者を拘束だなんて帝国ではあり得ないと思っておりましたのに。』
余裕を見せるリディアンネにフレディックもまた
『罪人は皆、そう言いますからね。』
晴れ晴れと微笑むフレディックに不覚にもリディアンネはノックアウト寸前となる。
…最高の皇子スマイル頂きました♡
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