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強敵現る
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カイザルは目の前に優雅に座るいかにも王国の王女という風格を身に纏った女にこれまた辟易とした表情で眺めていた。
南帝国に属するサンドラ王国の第1王女ステファニー王女である。こちらは紛れもなく南帝国エマニュエルからの差し金であろう王女が妃の座に名乗りを上げたのである。
ステファニー王女は隣に座る少女に目を向けると
少女は屈託のない笑顔を浮かべていた。
『ということは…妃選考会ですね?』
何やら嬉しそうな少女を訝しげに見ると
『申し遅れました。私はマリラン王国のフランシスと申します。』
フランシスは立ち上がりカーテシーを披露すると
『マリラン王国?ここへは?』
ステファニーが美しい顔を少し歪めながら問うと
『ステファニー様と同じかと…』
驚いたステファニーは
『貴女、いくつよ?』
『17ですよ?あっ来月18になります!』
…!
驚いたのはステファニーだけではなくカイザルもファビウスも同様。
…18って俺と2つしか変らないのか?
カイザルは口に含んでいたお茶を何とか喉へ追いやった。
…私と同い年?って皇后になりにきたの?であれば何故私は?え?
混乱するステファニーにファビウスは
『マリラン王女の件については、南帝国では把握されていなかったのでしょう。』
『貴女が皇后に?』
ステファニーがフランシスを睨みつけると
『いいえ、まだ合格は頂いておりませんわ!』
にっこり笑うフランシスに小さく笑うと
『よね?貴女はまだ子どものようだから。いい?皇后になるって事はそれなりの風格も必要だし、すぐにでも後継者を作らなければならないのよ?貴女には無理だわ。ちょっとした旅行に来たとでも思って、悪い事は言わないわ。さっさとマリラン王国へお帰りなさい。』
フランシスは少し考えてから
『でも私は最後まで戦いたいですわ!』
『戦うって何と?』
『え?ですから皇后選考レースですわ。よくありますでしょう?令嬢らが王太子妃の椅子を巡って争うのです。ほら、教養やダンス?とか。』
ワクワクした面持ちにステファニーはため息を付くと
『私は構わないわ。』
それだけ言うとカイザルに視線を戻した。
『まあ、良い。どちらも無下には出来ないからね?』
ファビウスはまたも新しく加入した王女を客間へと案内をした。ファビウスも貴族のである。ステファニーのような令嬢や王女の扱いには慣れている。
『ファビウス、私はいつまでこの部屋なの?』
あからさまに客間に不満を漏らすステファニーにファビウスは
『申し訳ありません。王女が早々にマリラン王女に印籠をお渡し頂いだきましたら…』
濁す言葉にステファニーはファビウスを睨みつけると
『使えないわね。もういいわ!』
ファビウスに背を向けると部屋の調度品を眺めながらため息をついた。
ファビウスはその光景をメガネの奥に焼き付けてその場を後にした。
南帝国に属するサンドラ王国の第1王女ステファニー王女である。こちらは紛れもなく南帝国エマニュエルからの差し金であろう王女が妃の座に名乗りを上げたのである。
ステファニー王女は隣に座る少女に目を向けると
少女は屈託のない笑顔を浮かべていた。
『ということは…妃選考会ですね?』
何やら嬉しそうな少女を訝しげに見ると
『申し遅れました。私はマリラン王国のフランシスと申します。』
フランシスは立ち上がりカーテシーを披露すると
『マリラン王国?ここへは?』
ステファニーが美しい顔を少し歪めながら問うと
『ステファニー様と同じかと…』
驚いたステファニーは
『貴女、いくつよ?』
『17ですよ?あっ来月18になります!』
…!
驚いたのはステファニーだけではなくカイザルもファビウスも同様。
…18って俺と2つしか変らないのか?
カイザルは口に含んでいたお茶を何とか喉へ追いやった。
…私と同い年?って皇后になりにきたの?であれば何故私は?え?
混乱するステファニーにファビウスは
『マリラン王女の件については、南帝国では把握されていなかったのでしょう。』
『貴女が皇后に?』
ステファニーがフランシスを睨みつけると
『いいえ、まだ合格は頂いておりませんわ!』
にっこり笑うフランシスに小さく笑うと
『よね?貴女はまだ子どものようだから。いい?皇后になるって事はそれなりの風格も必要だし、すぐにでも後継者を作らなければならないのよ?貴女には無理だわ。ちょっとした旅行に来たとでも思って、悪い事は言わないわ。さっさとマリラン王国へお帰りなさい。』
フランシスは少し考えてから
『でも私は最後まで戦いたいですわ!』
『戦うって何と?』
『え?ですから皇后選考レースですわ。よくありますでしょう?令嬢らが王太子妃の椅子を巡って争うのです。ほら、教養やダンス?とか。』
ワクワクした面持ちにステファニーはため息を付くと
『私は構わないわ。』
それだけ言うとカイザルに視線を戻した。
『まあ、良い。どちらも無下には出来ないからね?』
ファビウスはまたも新しく加入した王女を客間へと案内をした。ファビウスも貴族のである。ステファニーのような令嬢や王女の扱いには慣れている。
『ファビウス、私はいつまでこの部屋なの?』
あからさまに客間に不満を漏らすステファニーにファビウスは
『申し訳ありません。王女が早々にマリラン王女に印籠をお渡し頂いだきましたら…』
濁す言葉にステファニーはファビウスを睨みつけると
『使えないわね。もういいわ!』
ファビウスに背を向けると部屋の調度品を眺めながらため息をついた。
ファビウスはその光景をメガネの奥に焼き付けてその場を後にした。
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