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夜会
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カイザルとフランシスの婚儀は盛大に執り行われた。南北問わず王国が挙って参加し大帝国の2大勢力とも揶揄された兄弟が揃って妃を娶り皇帝として君臨する様をひと目見ようと遠方からの参加も多くあった。
『カイザー、お前らしくない、えらく大盤振る舞いだな?』
エマニュエルは弟であるカイザルに声を掛けた。
そこへ義理の兄となったフレディックも加わると
『おめでとうございます。殿下流石でございますね。』
エマニュエルはマリラン王太子を見ると笑顔を振り撒き
『これはこれは、我、愚弟がお世話になりますがよろしくお願いします。』
『エマニュエル殿。ご謙遜を。弟君は普段華やかな世界を好まないのに敢えてここまで盛大に執り行う理由がなんとも先を見据えていらっしゃるではないですか。こちらこそ末永くよろしく頼みますよ』
…。
黙りこくるエマニュエルにフレディックは尚も
『おや、お気づきではない?弟君は敢えて大陸中の王国を招待することによってその規模や面々を直に確認したかったのでしょう。そして万が一不参加だった国を知りたかった?違いますか?』
大袈裟にカイザルに話を振るとエマニュエルもカイザルを見た。
『買い被りですよ、義兄上。』
フレディックは楽しそうに
『で?この大陸で参加していない王国はあるの?』
カイザルは表情1つ変えずに
『あぁ確か…リラ王国ただ一国だけですかね。』
『リラ王国は南帝国の従属国でしたね』
フレディックはニヤリと笑うとエマニュエルに視線を流す。エマニュエルは強張りながらも
『あぁ、確かあそこは今国内が騒がしく大変な時期らしいからね。落ち着いたら祝いに駆けつけるはずだよ。』
その言葉にカイザルは
『お気遣いは無用ですよ。あそこの王子とは面識がありますからね。』
キャンプで、とまでは言わないもカイザルは不敵な笑みを浮かべた。
その夜の夜会では、北帝国の貴族らも多く参加し見たこともないような綺羅びやかな夜会に胸を踊らす令嬢も多くあった。大帝国の時とは違い、皇宮が近くある。皇宮では見たことの無いような料理や装飾に従属国である王女らも目を輝かせている。
北帝国がエマニュエルの想像以上に整っている事、活気が溢れ出した事、そしてまだ見えぬカイザルの野望に不安を隠せないエマニュエルであった。
南帝国では絶大な人気を誇るエマニュエルであるがここでは初めて見る北帝国の宮での夜会に目を輝かせている令嬢らはエマニュエルには見向きもすること無くカイザルに尊敬の眼差しを送っている。
そんなエマニュエルに声を掛けたのは北帝国皇后となったフランシスであった。
『殿下、この度は遠方より遥々ありがとうございます。』
ぱっと華やぐ笑顔にエマニュエルは一瞬胸が高鳴るも
『当たり前だよ。可愛い弟の婚儀だ。何があろうと駆けつけるよ。』
フランシスに負けない笑顔を返すだけでこの時のエマニュエルは精一杯であった。
『カイザー、お前らしくない、えらく大盤振る舞いだな?』
エマニュエルは弟であるカイザルに声を掛けた。
そこへ義理の兄となったフレディックも加わると
『おめでとうございます。殿下流石でございますね。』
エマニュエルはマリラン王太子を見ると笑顔を振り撒き
『これはこれは、我、愚弟がお世話になりますがよろしくお願いします。』
『エマニュエル殿。ご謙遜を。弟君は普段華やかな世界を好まないのに敢えてここまで盛大に執り行う理由がなんとも先を見据えていらっしゃるではないですか。こちらこそ末永くよろしく頼みますよ』
…。
黙りこくるエマニュエルにフレディックは尚も
『おや、お気づきではない?弟君は敢えて大陸中の王国を招待することによってその規模や面々を直に確認したかったのでしょう。そして万が一不参加だった国を知りたかった?違いますか?』
大袈裟にカイザルに話を振るとエマニュエルもカイザルを見た。
『買い被りですよ、義兄上。』
フレディックは楽しそうに
『で?この大陸で参加していない王国はあるの?』
カイザルは表情1つ変えずに
『あぁ確か…リラ王国ただ一国だけですかね。』
『リラ王国は南帝国の従属国でしたね』
フレディックはニヤリと笑うとエマニュエルに視線を流す。エマニュエルは強張りながらも
『あぁ、確かあそこは今国内が騒がしく大変な時期らしいからね。落ち着いたら祝いに駆けつけるはずだよ。』
その言葉にカイザルは
『お気遣いは無用ですよ。あそこの王子とは面識がありますからね。』
キャンプで、とまでは言わないもカイザルは不敵な笑みを浮かべた。
その夜の夜会では、北帝国の貴族らも多く参加し見たこともないような綺羅びやかな夜会に胸を踊らす令嬢も多くあった。大帝国の時とは違い、皇宮が近くある。皇宮では見たことの無いような料理や装飾に従属国である王女らも目を輝かせている。
北帝国がエマニュエルの想像以上に整っている事、活気が溢れ出した事、そしてまだ見えぬカイザルの野望に不安を隠せないエマニュエルであった。
南帝国では絶大な人気を誇るエマニュエルであるがここでは初めて見る北帝国の宮での夜会に目を輝かせている令嬢らはエマニュエルには見向きもすること無くカイザルに尊敬の眼差しを送っている。
そんなエマニュエルに声を掛けたのは北帝国皇后となったフランシスであった。
『殿下、この度は遠方より遥々ありがとうございます。』
ぱっと華やぐ笑顔にエマニュエルは一瞬胸が高鳴るも
『当たり前だよ。可愛い弟の婚儀だ。何があろうと駆けつけるよ。』
フランシスに負けない笑顔を返すだけでこの時のエマニュエルは精一杯であった。
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