冷酷皇帝とお花畑妃殿下

mako

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南帝国にて

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エマニュエルは焦っていた。これまで皇太子として盤石な基盤を作り何も焦る事は無いはずだ。それなのに何故か心が落ち着かない。

側近の1人がエマニュエルを案じて


『殿下、たまには離宮へとお渡りになられては?』


エマニュエルは離宮にいる妃を思い浮かべながら、何故か夜会でのフランシスの微笑みが浮かんでくる。


『いや、やめておく。』


エマニュエルは窓の外を眺めながら答えた。

離宮で暮す皇后とは初夜に1度だけ。それ以降は顔も合わせてはいない。自分がいかに酷い仕打ちをしているかは誰よりも分っていた。皇后には罪は無い。

『いや、今晩離宮へ向かうよ。伝えておいてくれ。』


側近は嬉しそうに執務室を出ていった。

エマニュエルとて後継者は必要なのだ。皇太子としてそして今は南帝国の皇帝として順調に歩みを進めてきたはずなのに。

通常のエマニュエルならば必要となる後継者はすぐにでも作っていたはず。己の感情はさておき、己の身は帝国に預けてある身。そんな事は誰よりも知っているはずのエマニュエルなのである。


…ったく。


エマニュエルは遠くにそびえる離宮を眺め舌打ちをした。




離宮へ渡ると、皇后の侍女らが丁寧にエマニュエルを迎えた。これらは北帝国の祖国から皇后が連れてきた者らであろう。どこか垢抜けない。


皇后の待つ寝室へ向かうと既に皇后は夜着に着替えエマニュエルを待っていた。皇后は頭を垂れているので顔は見えなかった。

…名前は確か…?


エマニュエルは一瞬考えたものの面倒になり


『皇后、こちらへ。』


短く言うと、皇后は顔を上げてエマニュエルの待つベッドへと腰を下ろした。


久々に見る皇后は初夜の時よりも痩せているようにも見えた。皇后にとって自らは人質と解釈しているのであろう。微かに震えているのがわかる。


『皇后、こちらでの生活に不便はないか?』


皇后は驚いたようにエマニュエルを見ると

『いいえ、殿下のおかげで毎日有意義な時間を過ごさせて頂いております。』


感情の無い言葉を並べる皇后を凝視するエマニュエル。


…まるで人形だな。


皇后とて好きでここに来たわけでも、居るわけでもないだろう。王女として国の為に自分が犠牲となり今ここでエマニュエルの前にいるのだ。

『皇后、今ここでの生活に幸せだと言えるか?』


答えを必死で探す皇后を前に尚も


『無理する必要はない。そなたが1人犠牲とならなくともよかろう?』


『犠牲ですか?』


消え入るような声で皇后はエマニュエルを見た。


『犠牲だ。そうであろう?』


エマニュエルは皇后を見ることなく答えた。

『申し訳ございません。』


『何故そなたが謝る?』


『私が至らぬばかりに…』


『何故そうなる?私がそなたに酷い事をしているのだぞ?』


エマニュエルは珍しく感情を言葉にした。皇后は少しビクついたものの、真っ直ぐにエマニュエルを見た。


『私の定めでございます故。』


感情をあらわにしたエマニュエルにあくまでテンプレ通りに模範回答を話す皇后。

エマニュエルは頭に血が上るのを抑える事なく乱暴に皇后をベッドに押し倒すと、その欲望のままに皇后の夜着を剥ぎ取ると無我夢中で皇后の体を貪るように抱き潰した。




こうしてエマニュエルはいつしか己を忘れたかのように皇后をはけ口として連日離宮に渡るようになった。


『皇后、さあ脱げ。』


皇后は驚きながらも従順にエマニュエルの言う通り夜着を脱ぐと


『皇后、脚を開け。』


皇后は震える体を両手で抑えながら大きな瞳に涙をためている。


『聞こえなかった?脚を開いてこちらに見せろ』


エマニュエルの声にビクついた皇后は必死でその細い両足を割り開いた。
その光景をエマニュエルは冷めた表情で眺めている。

『皇后、自慰をみせてみろ。』



皇后は首を左右に振りながらエマニュエルへ訴えるように視線を送るもエマニュエルは更に


『皇后は耳が悪いのか?そなたのつとめは私を満足させる事なのだろう?』


皇后はこの日初めて口を開いた。


『出来ません。』


『それは嫌ということ?それともやった事が無いから判らないということ?』


エマニュエルの冷たい言葉に皇后は大粒の涙を流している。


『そなたの定めなのであろう?犠牲ではなく己の覚悟なのであろう?ならば見せてみろ。その覚悟とやらを…。』


皇后は唇を噛み締め己の秘所に手を伸ばした。ただ手を伸ばし触れるだけの光景にエマニュエルはあざ笑うかのように


『つまらん。興醒めだな。』


それだけ言うと離宮を後にした。



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